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いま、なぜ「パーソナリティ」か――採用におけるパーソナリティの見極め方

シリーズ│適性検査

Published on 2020/10/30

近年、多くの企業で、採用活動にて「パーソナリティ」を見極めたいというニーズが高まってきています。この背景には、グローバル化やダイバーシティといったビジネス環境の変化、さらには社会全体の変化が関係しているといえます。今回は、いま、なぜ「パーソナリティ」が重要となっているのか、背景と見極めのポイントをお届けします。

 

はじめに:パーソナリティとは何か?

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性格を意味する英語には、Character(キャラクター)とPersonality(パーソナリティ)があります。キャラクターの語源はギリシャ語で「彫り刻む」を意味します。これは、個人を特徴づける性質のうち生得的で変わりにくく、比較的深層部にある基礎的なものという意味合いになります。一方、パーソナリティの語源は、ラテン語で「仮面」を意味します。これは生まれてからの環境や経験などによって後天的に身につけられ、行動に現れた表面的な性質という意味合いになります。

 

性格についての研究が積極的に行われたのは20世紀になってからであり、1920年代のドイツで発展しました。ドイツではキャラクターという概念が好んで使われていましたが、その後、1930年代後半からアメリカにおいてパーソナリティという概念が使われるようになりました。アメリカで最初にパーソナリティ心理学を体系化したオールポートは、パーソナリティを次のように定義しています。

 

パーソナリティとは、個人の内部にあって、その人の特徴的な行動と思考を決定する精神・身体的システムの力動的な組織である。

 

つまりパーソナリティとは、個々人の“その人らしい”一貫した行動や思考の背後にある、統一的に秩序づけられた何ものかであるといえます。

パーソナリティの5項目―ビッグファイブ理論

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パーソナリティは、長い間、さまざまに研究され議論されてきましたが、1980年代に「ビッグファイブ」と呼ばれる理論に終息しています。

 

ビッグファイブ理論は、数あるパーソナリティ特性を最も基本的な5つにまとめることができるとする考え方であり、1941年にフィスクにより提唱され、1981年にゴールドバーグが基本的な5因子を「ビッグファイブ」と名付けて注目されました。その後も多くの研究者により研究が進み、研究者により5因子の性質や命名は微妙に異なっていますが、因子分析を活用して整理すると、5因子が文化の違いを越えて概ね共通していることが示されています。パーソナリティの5因子論「ビッグファイブ理論」は、「パーソナリティを構成している特性にどのようなものがあるのか」「人間の行動の多様性を説明する必要最小限の特性はなにか」を追究したパーソナリティ論争のひとつの終結といえます。

 

ビッグファイブ理論における5つの性格特性は、「外向性」「誠実性」「協調性」「開放性」「情緒安定性」です。人により、この5つの項目の強弱があり、それぞれが関連しあってその人のパーソナリティを形成しています。

 

外向性 周囲の状況に関心を持ち、外向きに活動しようとする傾向
誠実性 自身の言動に責任を持ち、公平、公正であろうとする傾向
協調性 他者に関心を持ち、他者と融合しようとする傾向
開放性 新しいことに興味関心を持ち、受入れようとする傾向
情緒安定性 心の状態が常に安定し、明るく前向きでいようとする傾向

(株式会社ヒューマネージ ベーシックパーソナリティ適性検査「B5」の定義より)

見極めのポイントは、“安定”と“ディレールメント傾向”

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パーソナリティは5つの項目の強弱であり、優劣をつけるものではありませんが、ビジネス環境が変わり、多様な人たちがともに働く状況では、「信頼される」「尊敬される」といったパーソナリティが成果創出に大きく影響します。たとえば、「こうふるまえばちゃんとした人として信頼される」と認識されているもののひとつにビジネスマナーがあります。しかしながらこれは国によって異なるため、グローバルな環境下では日本で当たり前のビジネスマナーが通用せず、うわべだけの態度は意味を成しません。ダイバーシティが拡大した多様性、異質性の高い環境では、ロールモデル通りにただふるまうことではなく、より本質的な深い人間性が、よい関係をつくり成果を生みだすカギとなるのです。

 

また、これからのビジネス環境で活躍するパーソナリティという視点では、“安定”“不安定”を見極めることも大切です。“安定”とは、そのパーソナリティの傾向が出るときにポジティブで前向きな感情が伴って出てくる場合であり、“不安定”とは、そのパーソナリティの傾向が出るときに、ネガティブな感情や強い極度のこだわりが伴っている場合です。たとえば、「誠実性」(自身の言動に責任を持ち、公平、公正であろうとする傾向)において、「そうしていると気持ちがいい」というのは安定している人物であり、「そうしていないと不安で仕方がないからそうしている」というのは不安定な人物と判断できます。

 

パーソナリティと成果の関係において、管理職やグローバルな環境になるほど、“安定”が個人や組織の成果と密接に関係してくることがわかっています。さらに、5つの項目いずれにおいても、大きく欠落したり、過剰に強すぎたりすると、成果につながらないだけではなく、組織の中で問題が起こりがちであることも判明しています。

 

したがって、一定の許容範囲を超えて偏った傾向がある、常にネガティブで不安定な反応が出やすいパーソナリティでないかどうか――成果創出を阻害する傾向(ディレールメント傾向)がないかどうかは確認しておく必要があるといえます。ディレールメント傾向がなければ、入社後のさまざまな出会いや経験を通じて、さらなる成果創出につながることが期待できるからです。

まとめ

大きく変わるビジネス環境で成果を生み出すために、パーソナリティは今後ますます重要になると考えられます。人材採用においてパーソナリティを科学的に把握する手段として「適性検査」があり、適性検査の結果をふまえて面接で裏付けとなる情報を得たり、検査結果から予測される行動を確認することも有効といえます。パーソナリティの把握には、適性検査や面接を通じて多面的に情報を得ることが大切です。


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