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Interview

すべての就活生に、チャンスと成長を。
志望度を段階的に高める、ロッテの採用フロー設計

RECRUITMENT

Published on 2024/09/30

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Profile

石川 博晟Hiroaki Ishikawa

株式会社ロッテホールディングス
人事部 採用一課

2018年に新卒入社。中部統括支店にてお菓子の営業に従事したのち、健康事業部にて健康食品、健康関連商品の営業に携わる。2021年、社内公募制度で人事部に異動。「ロッテをより良くするため、自らの営業経験を活かして良い人材を採用したい」との思いに基づき、新卒採用業務に取り組む。

大手菓子メーカー・ロッテが目指す新卒採用は、「学生が就職活動を通じて自ら成長し、選考を経て自社への志望度を高める採用」というもの。あえて早期採用やインターンシップ参加者の優遇を行わず、面接前に社員面談を行うことで企業理解を深めさせるなど、丁寧なコミュニケーションを実践しています。インターンシップに応募したものの参加できなかった学生向けに限定イベントを実施し、本選考に向けたアドバイスを行うという手厚い配慮も、学生から好評です。学生の挑戦を後押しし、強力なマッチングを図る採用戦略について、人事部の石川様にお話を伺いました。

学生の成長をサポートするための採用活動

まずは改めて、貴社の事業についてご紹介いただけますか。

当社は1948年創業の総合菓子メーカーです。ガムでは「キシリトール」、チョコレートでは「ガーナ」、アイスでは「クーリッシュ」といったように幅広いジャンルでトップクラスの商品をつくっていますが、業界の他の大手企業と比べると後発企業です。そのため「他社と違うことに挑戦しよう」という精神はひときわ強く、近年は「ロッテノベーション」というキーワードを掲げて新製品の開発・製造・販売に取り組んでいます。

新卒採用におけるポリシーや、求める人物像について教えてください。

求める人物像は、「ロッテノベーション」を体現するような、自ら考え行動できる人です。採用ポリシーとしては「人物本位の採用」にこだわり、学歴よりも応募者の人となりや、学生時代に取り組んできたことなどを重視しています。

ポリシーに則った採用を実現するために、選考フローの設計において工夫されていることはありますか。

入社後のギャップが生じないよう、例年職種別採用を実施しています。また、近年は採用の早期化がトレンドとなりつつありますが、当社では早期採用やインターンシップ参加者への優遇は行っておりません。

あえて早期採用をしないことには、どのような意図があるのでしょうか。

私たちは、選考を通してロッテの魅力を知り、理解を深めながら、じっくり志望度を高めてほしいと考えています。そして、学生の皆さんには、内定獲得をゴールにするのではなく、就職活動を自らの成長の機会ととらえ、心から納得の上で会社を選んでいただきたいのです。インターンシップの参加者を優遇し、早期から内定を出すことで、その方のせっかくの成長のチャンスが失われてしまうかもしれません。参加者には、インターンシップ参加時よりもさらに成長した姿を本選考で見せてほしいですし、落選して参加できなかった方も本選考に再挑戦してほしい。そうした私たちの想いに共感して入社してくださる方こそ、私たちの「ロッテノベーション」を体現してくれると考えています。

面接前に社員面談を設け、企業理解を深める

学生の成長や、ロッテへの理解を深めるために、どのような施策を実施されていますか?

各段階の面接の前に社員面談の場を設け、知りたいことを自由に質問してもらっています。任意参加としていますが、多くの学生が参加してくださっていますね。面談には志望職種の先輩社員が参加し、仕事内容や会社の雰囲気、福利厚生のことなど、どんな質問に対しても率直に答えます。ライブセミナーなどでは時間の都合上、参加者全員の質問に答えることは難しいものですが、この面談の場では社員がひたすら学生の質問に答えることに集中するので、より多くの疑問を解消していただけます。ちなみに最終面接前には、現場社員の面談の後に私たち人事も面談を行い、福利厚生やキャリアステップ、評価制度といった制度面の情報を詳しくお伝えしています。

丁寧なフォローですね。面談は「学生の成長」につながっていると感じられますか?

面談を通じて、入社後にどのように働くのかというイメージが明確になるので、面接で話す内容もかなり深まっていると感じます。中には面接で「社員面談のときに聞いた○○の事業についてですが、私なら○○という形で貢献できると思います」といった、非常に明確なビジョンを語ってくれる学生もいます。この面接前の面談は、実は数年前からスタートしたものです。コロナ禍や就職活動の早期化に伴い、学生の就職活動の軸が定まらなくなってきた中で、ミスマッチを防ぐことを目的に始めました。

ミスマッチの防止という点では、どのような効果があると思われますか?

菓子メーカーというとどうしても華やかなイメージが先行しがちですが、実際には泥臭い仕事もたくさんあります。面談の場で社員がそういったリアルな情報を伝えることで、入社後のギャップはかなり解消できていると思います。また、最近の学生の中には全国転勤のある仕事に不安を感じる方もいますが、実際に地方に転勤して活躍している社員の姿を見て、「全国転勤も意外に楽しそうだと思いました」とポジティブに考えを改めた学生もいらっしゃいますね。

すべての学生に成長・挑戦し続けられる環境を

先ほど、インターンシップに応募して参加できなかった学生にも再挑戦してほしいというお話がありました。参加できなかった学生のフォローはどのように行っているのですか?

私たちも本当はインターンシップ希望者を全員受け入れたいのですが、定員の関係上、どうしても事前の選考で人数を絞らざるを得ません。しかし、惜しくも落選した方の中にも、本選考に合格する素質を持った学生は必ずいます。そこで、夏・冬のインターンシップ後に、それぞれ限定イベントを開催し、「面接ではこんなところに気をつけるといいですよ」といったアドバイスや、先輩社員による業務説明を行うことにしました。嬉しいことに非常にたくさんの方に参加いただいていますし、アドバイスを受けて自己分析や面接対策をやり直し、見事本選考で内定を勝ち取る方も少なくありません。

挑戦を重んじる貴社らしい施策ですね。仕事や社員の魅力を伝える施策としては、採用サイトもかなり充実していると感じます。

採用コンテンツは現在私が主に担当しており、「社員のリアルな声を届ける」ことを特に重視しています。最近の取り組みとしては、社員数名で座談会を開き、社員の生の声を通じて、実際の仕事内容やその中での厳しさ、さらにチームの雰囲気までが伝わるコンテンツを新たに作成しました。ロッテには「ワクワクするような挑戦が好き」という社員がとても多く、若手が前例のない挑戦をすることにも寛容な社風があります。採用サイトで公開されている社員インタビューや社員座談会を見て、そうした社風や職場の雰囲気に好感を持ち、当社を志望してくださる学生も多いですね。

最後に、今後の採用に向けて挑戦してみたいことについてお話しいただけますか。

実は当社では最近パーパス(企業の存在意義)を新たに作り直しました。これは経営陣が単独で考案したのではなく、若手社員から経営陣まで幅広い年次の社員が集まって議論し、作り上げたものです。これからのロッテの未来は、経営層だけが決めていくのではなく、社員がワンチームとなって切り拓いていく。そんな想いがこのパーパスには込められていますし、人事としても、実際にそのような働き方ができる仕組みをつくっていきたいと考えています。私たち採用チームにも、これまで以上の「ロッテノベーション」が求められるでしょう。内定をゴールにせず、常に向上心を持って就職活動に取り組んでいただけるような採用を実現するため、新しい施策に積極的にチャレンジしたいと思います。


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