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Interview

「答えはつくろう。」
人材戦略から始まる、新時代への挑戦

Published on 2021/05/28

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Profile

佐伯 若奈Wakana Saiki

キヤノンマーケティングジャパン株式会社
総務・人事本部 グループ人材開発センター
部長

キヤノン販売株式会社(現:キヤノンマーケティングジャパン株式会社)に新卒で入社。ITインストラクターとしてキャリアをスタートし、ショールーム勤務、マーケティング業務などを経て、IT本部にてCRMサービス「Salesforce」関連事業に従事。2017年に総務・人事本部に異動し、課長として人材育成に携わる。2019年からはグループ人材開発センターの部長として、人材育成および採用の指揮を執る。

天本 義也Yoshiya Amamoto

キヤノンマーケティングジャパン株式会社
総務・人事本部 グループ人材開発センター
採用課 課長

2004年にキヤノン販売株式会社(現:キヤノンマーケティングジャパン株式会社)に新卒で入社。人事部に配属後、2009年より約3年間中国に駐在。その後も国内のグループ会社にて社内人事、労務、人事制度改革など多彩な業務を経験する。2020年より本社勤務となり、現在は人材採用を専任で行う。

キヤノンマーケティングジャパン株式会社は、キヤノンの営業部門を母体に誕生した会社です。キヤノンブランド製品を核に、強固な顧客基盤と販売ネットワークを構築してきた同社ですが、近年特に注力しているのは「イメージング&ITソリューション」の提供。世界的メーカーとして培ってきた高度な光学技術とシステム開発力や数理技術など時代に先んじる独自のITで、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX:デジタル技術による業務・ビジネスの変革)を支援するというビジネスモデルを急速に発展しつつあるのです。そんな事業変革期を象徴するように、同社は「答えはつくろう。」という力強いブランドメッセージを掲げて採用活動を展開。新時代に相応しい人材獲得に向けた想いを、グループ人材開発センターの佐伯若奈様、天本義也様のお二人にお伺いしました。

事業変革期に相応しい人材を求めて

貴社のブランドサイトおよび採用サイトのトップに、「答えはつくろう。――まだ出ていない答えにITソリューションで挑む。」というキャッチコピーがあります。ラグビー日本代表選手を起用したデザインも相まって、非常にインパクトのあるメッセージでした。

佐伯:
ありがとうございます。あのキャッチコピーには、当社が製品という「モノ」を売ることに加えて、ITソリューションという「コト」を売る会社にシフトしつつあるのだというメッセージが込められています。

キヤノン=カメラやプリンターというイメージが強いですが、それだけではない、と。

天本:
もちろん、先進イメージング技術に特化したキヤノン製品は現在も当社の重要な強みです。しかしそれだけで終わるのではなく、これらとITを組み合わせることによって、当社にしかできないソリューションを提供しようというのが現在掲げているビジョンです。さらに現代はお客様企業のビジネスや働き方も大きく変化していますよね。デジタルトランスフォーメーション(DX:デジタル技術による業務・ビジネスの変革)による新たな価値、この世にまだない「答えをつくる」ことが、当社の使命であると考えています。

そうした事業方針は、求める人物像や採用ポリシーにどのように反映されているのでしょうか。

佐伯:
キヤノンマーケティングジャパングループ全体としてIT分野を強化すべく、近年はIT分野のプロフェッショナルを中途採用するケースも増えてきました。とはいえ、採用のメインとなるのは新卒採用です。求める人物像としては、やはり「新しいITソリューションに挑戦するキヤノン」に惹かれて飛び込んできてくれる人を採用したい。そうした意図で、採用メッセージにも「答えはつくろう。」を用いました。

そうしたチャレンジングな採用に向けて、採用チームでどのような取り組みをされていますか?

佐伯:
実は2020年1月に、採用チームを大幅にメンバーチェンジしました。「採用活動をしたい」という熱意を持つ社員を公募制度で集めたのです。会社が新しく生まれ変わろうとしている今だからこそ、採用チームも熱い想いを持った人たちで再構成し、今までにない斬新なアイディアを出して頑張ろうと考えました。

学生の心に寄り添う採用を目指す

2020年は奇しくも新型コロナウイルスの流行期と重なりましたが、特にどのようなことを大切にして採用活動を行われましたか?

天本:
最も重視したのは「人の魅力を伝えること」です。例年、当社の内定者のほとんどが、入社の決め手について「懇談会などで社員と会って、こういう人たちと一緒に働きたいと思ったから」と話してくれています。とはいえ、2020年は直接学生と会うのが難しい状況となりました。いかにオンラインで当社の人の良さや温かい雰囲気を伝えられるか、チームメンバーと共に知恵を絞りましたね。

どのような施策によって人の魅力を伝えられたのですか?

天本:
たとえば2020年3月に実施したライブセミナーはかなりうまくいったと思います。予定されていた本社での説明会を急遽オンラインに切り替えたのですが、とにかく学生に楽しんでもらおうという一心で企画を出し合いました。チャットで参加した学生の反応も非常に良くて、それに応えているうちに私たちの方もどんどん楽しくなってしまうほどの盛り上がりでした。

佐伯:
もともと天本は出演する予定ではなかったのですが、海外勤務の話題になったときに突然画面外から乱入して、中国勤務時代の話を披露したりしましたね(笑)。

天本:
つい盛り上がってしまって……。でも、おかげで学生の皆さんが私のことを覚えていてくれて嬉しかったです。

2021年卒採用に限らず、貴社ではもともとインターンシップやセミナーなど、選考前の学生との接点づくりにかなり力を入れていますね。

佐伯:
おっしゃる通りです。特にインターンシップは例年かなり大規模に実施しており、回数も参加者数も相当数に上ります。というのも、当社のインターンシップはなるべく希望者全員に参加してもらう方針で行っているからです。

学生にとっては嬉しい方針ですが、運営側としてはかなり負荷がかかるのでは?

天本:
確かに大変ですが、せっかく当社のインターンに申し込んでくれた学生をお断りしたくないのです。2021年卒採用では当初1日2回オンラインインターンシップを実施する予定だったのですが、応募者が多かったので急遽1日3回に増やし、日数も増やしました。9月は300人ぐらい参加いただく予定でしたが、結果的に1200人参加いただくことになりました。

採用チームの熱意が伝わってくるエピソードですね。インターンシップの内容はどのようなものだったのですか?

天本:
対面のインターンシップで行っていた内容と同様、ワークを通じて当社のB to Bソリューションビジネスを2日間の日程で疑似体験してもらいました。「答えはつくろう。」という当社のメッセージを、しっかり体感していただけたのではないかと思います。他にも、少し長めの3days・4daysインターンシップでは、最終日にインターンシップ中の様子を編集した動画にBGMをつけた「振り返りムービー」をサプライズで流し、「また会いましょう」というメッセージを伝えています。これは佐伯のアイデアです。

心に響く演出ですね!そこまで心に訴えかける就活イベントというのはなかなかないような気がします。

佐伯:
学生の心の動きは常に大切にしています。これは私がかつてデジタルマーケティングに携わっていたころ、カスタマージャーニー(顧客の感情・行動の動きを可視化したもの)を設計していた経験が活かされているのかも知れません。就職活動の各時期に学生がどんな気持ちで過ごしているのか考え、それに応える施策を心がけています。インターンシップ期は学生が「これから就活を頑張るぞ!」と前向きな気持ちを持つ時期なので、その気持ちを壊したくないのです。

学生の心に寄り添うことが、採用戦略に含まれているわけですね。

天本:
そうした「心」を重んじる姿勢は、当社の伝統でもあると思います。たとえば内定のお知らせをするときにも、原則的に直接お会いし、「なぜ内定を出したか、どのような点を評価したか」といった選考内容を丁寧にフィードバックしています。そしてもちろん、学生からも忌憚なく質問をしてもらう。それで納得して、はじめて入社を決断してもらうというプロセスをとっています。この方法は数十年前から変わりません。

その方法にはどのような意図が込められているのでしょうか。

天本:
ただ採用できれば良いというのではなく、「企業・学生間でしっかり相思相愛の状態になった上で入社を決めてほしい」と考えているからです。

「答えはつくろう。」の精神で採用に取り組む

今後の採用活動についてはいかがでしょうか?試してみたい施策や、長期的な展望についてお聞かせください。

天本:
今後は今まで以上に「ITで新しいビジネスを作りたい」というチャレンジングな思考を持った人材を採用したいと考えています。そのためには、最近の学生の指向に合わせた職種別採用も有効だと思います。世の中の流れをキャッチしながら、新たな施策を積極的に取り入れたいですね。

佐伯:
私は、「入社した方が各自の能力・意欲を思い切り活かしてチャレンジできるような、多様な採用の入り口」を作りたいと考えています。たとえばこれまでは多くの学生が「人の魅力」を入口として当社を選んでくれましたが、「新たな事業を創り出す面白さ」や「ITソリューションの可能性」に惹かれる方に向けても、さらに門戸を広げていきたいのです。

お二人は、採用という仕事に対してどのような想いで取り組まれていますか?

天本:
当社には「顧客主語」という言葉があります。お客様を主語にして物事を考えるという意味ですが、言い換えると「相手の立場になって考える」ことです。言うは易く行うは難しと感じており、できていないからこそ、いつも肝に銘じています。とりわけ採用は社外との接点が多い仕事です。応募者である学生にとって私たち採用スタッフは会社の代表であることを自覚し、一人ひとりの心境に寄り添った採用活動をこれからも展開していきたいと考えています。

佐伯:
私は天本と比べてまだ人事経験が浅いのですが、IT本部から人事に異動してきたときに最も驚いたのは、「人事の仕事には答えがない」ということでした。システム開発には常に最適解がありますが、人事の「答え」は誰も知らない。決断を下して前に進んでも、それが正解だったかどうかは非常に長い目で見なければわかりません。それは苦しいことですが、だからこそ、強い信念と意志が大切な仕事なのだと思います。とはいえ、今は人事に限らず、世の中全体が「答えのない時代」になりつつあるかもしれません。そうした意味で今の仕事は、個人的にとてもいい勉強になっていると感じますね。今後も強い意志を持ってより良い採用を続けてき、いつかこの会社を素敵な人材だらけにするのが私の夢です。

まさに「答えはつくろう。」の精神で採用をされているのですね。最後に、これから貴社へ入社される方に期待することや、メッセージをお願いします。

佐伯:
キヤノングループには創業期から受け継がれる行動指針として「三自の精神」の「自発・自治・自覚」があります。「答えはつくろう。」という新しいメッセージを実現するためにも、この三自の精神は欠かせません。新しいITビジネスを生み出すためには、当事者意識を強く持ち、自ら動く必要があります。これから入社される内定者の方、今後当社を志望してくださる学生の皆さんには、世の中に対して幅広くアンテナを張り、いろんなことに挑戦することで、答えをつくる力を培ってほしいと思います。

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