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Interview

「採用戦略」と「新たな人事制度」の融合を目指して。
富士フイルムイメージングシステムズの人材論

Published on 2022/02/28

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Profile

明田 知大Chihiro Akeda

富士フイルムイメージングシステムズ株式会社
人事部長

1987年、富士写真フイルム株式会社(現・富士フイルム株式会社)に入社。大阪、福岡にて15年間カメラ・フィルム等の営業に従事。2003年、本社に異動し、写ルンです・フィルム等の販促・プロモーションを行う。2009年、化粧品事業の立ち上げに参画し、市場開拓・販促を手掛ける。2012年、富士フイルムイメージングシステムズ株式会社の設立と同時に同社営業支援部長に就く。2020年7月より現職。人事制度の構築から採用まで人事を総合的にマネジメントしている。

多岐にわたる領域でビジネスを展開する富士フイルムグループの中核として、伝統ある「イメージング分野」を担うのが富士フイルムイメージングシステムズ株式会社です。カメラ・写真にとどまらず、街の広告ディスプレイ・デジタルサイネージ、さらにはクラウドサービスまで、イメージング技術を駆使した多彩なサービスを展開する同社は今、さらなる飛躍に向い、新たなビジネスに挑戦すべき時期を迎えていると人事部長の明田様は語ります。そこで鍵を握るのは、富士フイルムグループと協働した採用戦略の強化と、新たな社内人事制度の構築という両輪による「挑戦する人材」の育成。経営改革と一体化した、人事の挑戦に迫ります。

不確実な時代を乗り越えるための、新たな人材戦略

まずは貴社の事業内容について簡単にご紹介いただけますか。

当社は富士フイルムグループの中核をなす1社として、イメージング分野の事業を担っています。B to Cとしては、インスタントカメラの『チェキ』やデジタルカメラの販売、写真プリントを展開する一方、B to Bでは都市部で展示されている大型の屋外看板の制作や、各種ID・ICカードの作成、企業のデータを安全に受け渡しするクラウドサービスなどを提供しています。

カメラや写真といったイメージング分野は、富士フイルムグループが最も古くから手掛けてきたビジネスですね。

私自身もかつては富士フイルムでカメラやフィルムの営業をしていました。当社は2012年に、富士フイルムからイメージング分野の営業部門が分社化されるかたちで設立されました。富士フイルムがメーカー、当社が販社という役割分担をしています。

事業内容やビジョンを踏まえ、どのような人材戦略・採用ポリシーを掲げられているか、教えていただけますか。

当社の事業は写真・映像・情報に関するサービスを通じてお客様の生活をより豊かに、より便利にすることであり、歴史ある富士フイルムブランドが保証する「安心・安全」は大きな強みとなっています。しかし、ここ数年で社会環境は大きく変化してきました。新型コロナウイルスや大規模自然災害、不安定な経済状況など、現代は急速に「VUCA時代」へ突入しています。企業がこうした状況で生き残るためには、安定した事業に甘んじることなく、柔軟に変化に対応することが重要です。我々も、富士フイルムグループのコア分野である写真関連事業をしっかり守りつつ、次の時代を担う新規ビジネスを起こすべきときを迎えています。

そうしたビジネス事業戦略は、人材戦略にも影響を与えているのでしょうか。

その通りです。これまで以上に変化に対して柔軟で、新しいことに対して積極的に挑戦できる人材を必要としています。これは採用における人材要件を変えるだけで実現できることではなく、人材育成や社内環境の改善も不可欠だと考えています。

富士フイルムグループのシナジーが採用活動を加速

貴社では富士フイルムグループと共同で採用活動を展開しているとお伺いしました。グループ間のシナジーは、採用においてどのような効果を生み出しているのでしょうか。

説明会などのイベントをグループと共同で行うことが多いのですが、デジタル時代を生き残った、信用信頼のある「富士フイルムブランド」のおかげで、多くの学生に興味を持っていただけていると感じます。多くの方が「富士フイルムグループ」という入り口からイベントに来て、グループ各社の特徴を知り、その中でもイメージング分野に興味を持つ方が当社を選んでくださる、という流れですね。さらにグループでのシナジー効果としては、入社後の人材交流も挙げられます。

グループ間での人材交流とはどのようなものですか?

富士フイルムグループは以前からグループ内での連携が活発で、経営・事業の強化や個人の成長を促す観点で人材交流も実施していますが、昨今この繋がりをさらに強化しようという動きがあります。例えば今年から会社の枠を超えたチャレンジ制度(公募制度)が始まります。これは、富士フイルムグループの企業が新事業の立ち上げや機能強化等で人材を必要とする際、その職務・ポジションにチャレンジしたい意欲ある人材をグループ全体から広く募るというものです。社員がこれまで培ってきた経験を、柔軟に別企業・別事業で一時的に活かすことで、グループの強みがさらに発揮されるとともに、個人の自律的な成長を促す機会としても期待しています。ビジネスにおいては、コンシューマー分野に留まらず、オフィス・ビジネスソリューション分野で、富士フイルムビジネスイノベーション(2021年4月に富士ゼロックスから社名変更)との連携もより強化され、さらなるシナジー効果が期待されます。今後は同社との人材交流や事業上のコラボレーションも増えることになるでしょう。

グループ全体の変化に伴い、新卒採用において求める人物像も変わりそうですね。

当社ではもともと「常に常識を疑い、挑戦し続ける人材」「こまやかな気配りができ、協調性がある人材」といった人物像を重視しており、それは基本的に今も変わりありません。しかし今後はグループ共同による大規模プロジェクトや、新規事業の立ち上げが増えることが見込まれるため、一層の「チャレンジ精神」と他社(者)との「協調性」が必要であると考えています。

変革期を迎える貴社の事業の魅力や人材への想いを、応募者に対してどのように伝えられているのでしょうか。

会社説明会などを通じて、企業の魅力について積極的に発信しています。特に重視しているのは、学生と双方向のコミュニケーションをとることです。Web 説明会でも一方的に情報を伝えるのではなく、先輩社員が複数名登壇してディスカッションしつつ、学生からの質問に答えるスタイルをとっています。学生からは、「説明会を通して、社員がどのような“挑戦”をしているのかがリアルに伝わった」というご意見を数多くいただいています。

イベントに登壇するのは若手社員が中心なのですか?

各現場で活躍をしている営業社員をはじめ、若手だけではなく幅広い人材が採用活動に参加しています。面接では経験豊かな、中堅・ベテランの現場社員も担当します。こうした社内の協力体制こそ、当社の採用における最大の武器と言えると思います。

現場の社員の協力が手厚いのは心強いですね。しかし、現場の繁忙期と採用が重なることもあるのではないでしょうか。

当社では伝統的に、「いいサービスを提供するために、いい仲間と一緒に働きたい。そのためには採用にも協力を惜しまない」という風土があります。そのため、選考に参加する中堅・ベテラン社員の割合も高いですし、自分の部署だけではなく、他部署がどのような人材を求めているかという情報も互いに共有しています。このことが、すべての部署に「取りこぼし」のない柔軟なマッチング採用に繋がっているのだと思います。

最終的に、応募者が貴社を選ぶ「決め手」は何であると思われますか?

やはり「顧客」に最も近い場所でビジネスを仕掛け、その成果を実感できる環境に惹かれる方が多いようです。例えば「渋谷の駅前に巨大な広告看板を生み出す」といった先輩社員の経験談に感銘を受ける方は多いですね。ときには現場の知見を活かし、メーカーである富士フイルムと共に新商品・サービスを作るといったチャンスもありますし、国内で新たにリリースしたサービスが今後は海外拠点から世界中に広がっていく可能性もある。そうした「挑戦」の魅力を、経験ある社員から応募者にしっかり伝わることが大切だと思います。

人事制度の構築と連動した採用活動を目指して

貴社では今、これまで以上に挑戦的な人材を採用・育成することを目指しているというお話がありました。この目的に向けては、どのような取り組みを行われていますか?

これについては、学生に向けて単にアピールするだけでなく、社員に魅力的に思ってもらえる人事制度を実現することが大事だと考えています。具体的には「社員の挑戦や成果をしっかり観て、公平に評価する評価制度」の整備のほか、階層別教育、福利厚生のさらなる拡充を急いでいるところです。現場の声を反映した制度を作るため、若手社員を中心に多くの従業員からアンケートをとっています。さらに、社長自らが若手社員とのランチ会を催すことで、若手の意見を経営陣が直接聴き取る機会もつくっています。

社長様自ら、若手社員との交流に時間を割くというのは驚きです。

現社長はもともと若手社員の声を聴くことに積極的な人です。若手社員もそうした場を利用して本音を堂々と伝えてくれていますし、我々も彼らの声を最大限取り入れ、より良い会社づくりを目指したいと考えています。

素晴らしいですね。そのほかにも、会社と社員を繋ぐ取り組みがあれば教えてください。

事業方針については常に全社員に対してメールで発信するほか、定期的に社長や部門長から説明を行うことで浸透を図っています。さらに上司・部下間ではお互いの理解を深め、信頼関係を築く為に定期的な対話の機会を設けています。これは単なる上司面談ではなく、各自が今までの経験を振り返り今後どのように成長していきたいのか、そのためにどんな姿勢を身に着け、どんな仕事に挑戦していきたいか、大事にしていく考え方や価値観を上司に伝えると共に、上司からは会社や職場のビジョンを伝え、会社の方向性と社員の想いを擦り合わせて、社員が主体的に実行し、成長していくことを支援するものです。この取り組みは「社員が目の前の仕事に一生懸命取り組む中で、仕事を通して得た感情や経験、人との出会いを自分の力として積み重ねて、自分の物語(ストーリー)を紡いでいく。これまで歩んできたストーリーに、何を“プラス”して新たなストーリーを紡いでいくか、共に考える」という意味を込めて『+STORY(プラストーリー)』と​呼ばれています。

人材戦略における今後の展望についてお聞かせいただけますか。

採用は人事の大きな役割の一つですが、それ以上に重要なのは入社後のこと。社員がよい仕事経験を積み、それを活かして自分のしたいことに挑戦し続けられる環境をつくることが我々の使命だと考えています。そのためのルール策定・運用を引き続き推進し、より魅力的な組織を築いていくことで、採用活動にもよい効果を生み出していきたいです。

最後に、明田様の「人事」という仕事に対する想いをお聞かせください。

人事部に異動となってからまだ年数は浅いですが、採用や人事制度の奥深さを改めて実感しています。例えば営業であれば、何をどう訴求すれば顧客に響くかという理論がある程度確立していますが、人事はもっと複雑です。よい人事制度を作ってもうまく運用できるとは限らないし、採用広報をしたからといって学生に伝わるとは限りません。学生にメッセージを伝えるには、自ずと「伝わってしまう」ほどの強い想いが発信者に必要だと思います。この難しいミッションに対して、過去の営業経験を活かしながら取り組む仕事に、私は今非常に大きなやりがいを感じているところです。

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