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Interview

ファンを増やすためのコミュニケーション戦略
松竹が採用に見せた「エンタメ企業の心意気」

RECRUITMENT

Published on 2024/04/05

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Profile

水谷 華子Hanako Mizutani

松竹株式会社
人事部人材開発室

2016年に新卒で入社。映画グッズの流通、演劇の宣伝を経て、2020年より現職。新卒採用の全体設計および運用に従事する。

田中 瑞起Mizuki Tanaka

松竹株式会社
人事部人材開発室

2023年に新卒で入社。2カ月間の研修を経て人材開発室に配属。採用活動の補助業務全般と、応募者向けマイページの企画・制作を担当。

創業から120年以上にわたり、演劇事業と映画事業を軸とした幅広い総合エンターテイメント事業を展開している松竹。とりわけ歌舞伎の興行においては他社の追随を許さず、「日本文化の伝統を継承、発展させ、世界文化に貢献する。」というミッションを掲げています。新卒採用においても学生とのミッション共有を重視し、2023年からは採用管理システム一体型のCMSを使ってエントリー者限定のマイページコンテンツを一気に拡充。採用担当自ら精力的にサイトを制作し、公式サイトには出せない魅力的な情報を発信しています。「自社PRにとどまらず、学生を支え、松竹ファンを増やしたい」そんな採用担当者の情熱に迫りました。

ミッションへの共感を重視した採用

まずは改めて、貴社の事業内容と特徴についてご紹介いただけますか。

水谷:
当社は演劇と映画を軸としたエンターテイメント事業を手掛けています。中でも日本の伝統芸能である歌舞伎を支え続けていることは松竹の誇りであり、責任でもあると考えています。映画事業についても100年以上手掛けており、日本を代表する作品も多数生み出してきました。近年はこれに加えて不動産事業や新規事業も積極的に展開しており、行政と連携した街づくりや最先端技術を駆使した新サービスも行っています。

採用サイトにも「あなたの仕事は文化になる。」という印象的なコピーが用いられており、日本の文化を支えるというプライドや責任が感じ取れますね。

水谷:
「先人がつくりあげてきた偉大な歴史を後世につなげていく」という責任感は、全社員が持っていると思います。採用においても、当社の掲げる「日本文化の伝統を継承、発展させ、世界文化に貢献する。」「時代のニーズをとらえ、あらゆる世代に豊かで多様なコンテンツをお届けする。」というミッションに共感いただくことを非常に大切にしています。

やはり、演劇や映画が好きな人が採用されることが多いのですか?

水谷:
もちろんエンターテイメントが好きであることは大切ですが、単純に「歌舞伎ファン」や「映画ファン」を優遇しているわけではありません。普段、演劇や映画を観ない方々へアプローチするときには、むしろ「ファンではない人」の目線が役立つことがありますし、ビジネス的な感覚も欠かせません。そのため、新卒採用では画一的に人物像を固めず、多様な人材を採用するようにしています。

田中:
私と同じ2023年新卒入社の社員も、さまざまな個性を持った人が集まっています。例えば日本のアニメが大好きで、独学で日本語をマスターして来日した外国籍の人もいれば、大学で専攻していた心理学や統計学を活かして、エンタメを多くの人に届けていきたいという人もいます。私自身はフランス留学中、改めて日本の伝統文化に興味を持ったことをきっかけに松竹の歌舞伎を活用した教育事業に関心を持ち、入社を決めました。人事部に配属された現在は、採用活動を通じて学生の成長に寄与したいという想いを強く持っています。

エントリー者限定のマイページコンテンツで学生の企業研究をサポート

貴社では採用広報に注力され、特にマイページにおいて企業理念や文化が伝わるコンテンツを発信していると伺いました。マイページに注力している目的とはどのようなものでしょうか。

水谷:
ありがたいことに当社は学生からの知名度が比較的高く、マイページに登録してくださる方もたくさんいらっしゃいます。しかし、働き方や待遇に不安を感じ他社に離脱していく方も残念ながら少なくはありません。優秀な方に当社を選んでいただくためには、実際の働き方や仕事のやりがい、松竹のミッションや事業の意義をしっかり伝えていく必要があります。そこで、情報発信の重要な起点となるのがマイページ。採用サイトと違い、エントリー者のみが閲覧できるマイページコンテンツであれば、採用サイトで公開しづらい攻めた内容やリアルタイムの情報も発信することができ、当社の理解を深めていただきやすいと考えています。

いつ頃からマイページコンテンツを注力されているのですか?

水谷:
数年前からマイページコンテンツ自体はあったのですが、情報量は少なく、採用サイトのサブコンテンツという位置づけでした。当社が使用している採用管理システムには、マイページ機能と共にCMS(コンテンツマネジメントシステム)機能が搭載されており、自社で制作できる環境は整っていたのですが、採用業務が忙しくて制作にまで手が回らなかったのです。本格的に拡充したのは2023年の夏ごろから。新人の田中さんが自ら、エントリー者限定の特設サイトの企画・制作を志願してくれました。

田中:
特設サイトには、就活生時代にこんなサイトが欲しかった、という想いを詰め込んでいます。私自身、採用サイトに掲載されている情報が豊富であったり、選考情報が集約されていたりする企業は魅力的に感じていました。特に今の学生は忙しく、いわゆるタイパを重視する傾向があるので、欲しい情報が集約された特設サイトを用意したいと思っています。デザイン経験はなかったのですが、CMSを使えば直感的に制作できるので私でも作れるかな、と。

具体的には、どのような情報を公開されているのですか?

田中:
まずは、インターンシップの情報をまとめたページ、過去の会社説明会のアーカイブ動画をまとめたページといった基本的なページを制作しました。イベントへの参加をスムーズにするとともに、松竹を志望する学生に会社の理念や事業をより手軽に知ってもらうためです。以前は就職情報サイトごとに情報が分散していましたが、それを特設サイトに集約しました。また、松竹が手掛けた演劇・映画などの最新作をすべて学生自身で調べるのは大変なので、毎月のラインナップをまとめたページもつくりました。さらに、学生に安心して応募していただくため、採用担当者の名前、顔、メッセージも載せました。最近では、本選考スタートに合わせて、各部門に所属する一年目社員を集めた座談会ページや座談会動画、本選考の詳細情報を紹介するページも公開しました。

特設サイトを見るだけで企業研究が完結し、会社の雰囲気も伝わり、選考の流れもわかるという内容ですね。デザインも非常に洗練されているという印象です。

田中:
ありがとうございます。自分なりに工夫を凝らしてクオリティの高いデザインを目指しました。松竹はエンタメの会社ですので制作物の精度にはこだわりたいです。また、就活生の立場になってみると、採用サイトやマイページが整っていない会社は信頼しづらいのではないかと考えています。

わずか半年ほどでここまでのサイトを制作されたのは驚きです。企画や工数の確保はどのように行われたのでしょうか。

水谷:
特設サイトの企画も制作も、実はほとんど田中さんが担当しています。提案してもらった企画は採用チームで確認しますが、ほぼすべてゴーサインを出していますね。もちろん彼女も他の採用業務をしているので、空き時間を見つけて作業をしてもらっているのですが、ここまでのものをつくってくれるとは思わず、自社コンテンツながら毎回みんなで驚いています(笑)。

人事にもクリエイティブを追究する姿勢があるのは、いかにもエンタメ会社らしいですね。

水谷:
私たちは映画会社でもあるので、特に動画コンテンツの品質にはこだわり、見る人に楽しんでほしいという想いがあります。例えば昨年の1dayインターンシップは代官山のメタバーススタジオから配信し、バーチャルプロダクション技術を駆使した先鋭的な映像はアンケートでも大変好評でした。マイページのエントリー者数は順調に伸びていますが、まだコンテンツを発信し始めたばかりなので、どれぐらい選考や内定に効果が出るかはこれからわかってくるでしょう。松竹への共感度の高い応募者が増えることに期待しています。

松竹ファンを増やすため、丁寧なコミュニケーションを実践

マイページコンテンツ一つとっても、学生の役に立ち、楽しませたいという姿勢が強く伝わってきます。

水谷:
採用活動の目的の一つは「松竹ファン」を増やすことです。たとえご縁がなかったとしても、松竹の映画や演劇のことは愛し続けてほしいので、良い印象を持っていただけるようつねに配慮しています。例えば面接でも、しっかり対話できる雰囲気がつくれるよう、全面接官に学生の話をよく聞き対等なコミュニケーションをとるようにお願いしていますし、もともと人柄の優しい社員が多いのは松竹の特徴。うれしいことに、アンケートや口コミでも「不採用になったけれど、いい会社でした」といった声がとても多く、私たちの想いが伝わっているのかな、と思います。

田中:
少し前まで学生だったのでよくわかりますが、就活中はストレスを感じることがとても多いです。だからこそ、少しでも楽しんで企業研究をしてほしいという気持ちでサイトをつくっています。松竹の面接においては、面接官が毎回はじめに所属部署や普段の仕事などの自己紹介をしてくれたことが特に印象的でした。他社の面接では一方的に質問されることが多いなか、「この会社は学生と向き合ってくれている」と感じたのを覚えています。

最後に、今後の採用活動に向けての目標や抱負を教えてください。

水谷:
現在の当社は、オーソドックスな総合職採用を行っていますが、今後は学生のニーズに応じ、採用手法も時代に合わせて柔軟に変化していければと考えています。とはいえ、単に新しい手法を取り入れるのではなく、学生が本心から松竹に納得の上ご入社いただけるよう、松竹らしい採用のあり方を模索していきたいです。松竹は勤続25年表彰を受ける社員も多く、長く働ける魅力ある会社。新卒で採用した人たちが、25年後も同期そろって松竹で楽しく活躍してくれいてくれる。そんな採用を実現したいですね。

田中:
私は、学生が就職活動や将来のことを考えるにあたって、何かしら有益なことを得てもらえる採用活動をしていきたいです。もちろん松竹に興味を持ってもらえたら嬉しいのですが、そうでなかったとしても、進路選びの力になりたい。先日のインターンシップでは、学生と人事が1対1で30分面談する機会があり、「お話を通して自分らしさが明確になり、描きたい将来が見えてきました」といった言葉をいただきました。就活を通じて、将来どんな大人になりたいかを考えていただき、皆さんが後悔のない選択をするためのお手伝いをする。それが私の理想です。


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