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Interview

情報発信+コンピテンシー面接で定着を実現。
大胆な改革で生まれ変わった「共テレ」の採用戦略

RECRUITMENT

Published on 2023/09/08

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Profile

安達 真実Mami Adachi

株式会社共同テレビジョン
総務部 人事室

2007年、新卒入社。ドラマ制作部門にて制作進行・APを経験。2009年より情報バラエティ・ドキュメンタリー制作部門に異動し、AD・ディレクター・プロデューサーを務める。育児休暇を経て、2021年より新たに設立された人事室に配属。新卒・中途採用から内定者・新入社員のフォローまで手がける。

2023年に設立65周年を迎えたテレビ制作会社・共同テレビジョン。フジサンケイグループの一社でありながら、放送局の枠を超えて数々のヒット番組を生み出し続ける映像業界のプロ集団です。同社の人材戦略が大きく変化を遂げたのは、2019年のこと。さらに質の高いコンテンツを作り続けるためには、「人」の力が重要だという考えから新たに人事室を立ち上げ、採用戦略が一新されたのです。マイページやSNSなど多彩なメディアを駆使した情報発信、職場参加型インターンシップによるマッチング強化、そして学生の深い共感を呼び起こすコンピテンシー面接……。大胆な改革を推進した人事室の安達様に、施策の意図と成果についてお伺いしました。

人事室の新設と採用戦略の刷新

まずは改めて、貴社の事業内容と特徴についてご紹介いただけますか。

当社は1958年設立のテレビ番組制作会社です。もともと共同通信社のニュース番組制作部門からスタートした会社であり、その名残で社名に「共同」が残っています。現在はフジサンケイグループの一員ですが、フジテレビ以外の民放各社やNHKとも取引があり、ドラマ、バラエティ、ドキュメンタリーなど多彩な番組を制作しています。有名なところでは、『チコちゃんに叱られる!』(NHK)や『人生最高レストラン』(TBS)、『この素晴らしき世界』(フジテレビ)など。少し変わったところでは『皇室ご一家』のようにかなり硬い番組や、NetflixやAmazonプライムなどのネット配信番組も手がけています。

誰もが知っている人気番組をつくり続けてこられたのですね。これだけ実績があれば、学生からの人気も相当高いのではないでしょうか。

応募数は決して少なくはありませんが、やはり私が入社した頃と比べると減少傾向にあります。「テレビが好きでものづくりに熱意がある人を採用したい」と考えているのは他の制作会社も同じですから、採用競争は年々激しくなる一方。しかしそのような中でも、質の高いコンテンツを作り続けるためには、やはり「人」の力が重要だという考えから、2021年に人事を専門に行う「人事室」が総務部内に設置されました。長年番組制作の現場で働いてきた私は、育児休暇からの復帰と同時に人事室に加わり、採用業務に取り組むことになったのです。

人材戦略が大きく変わるタイミングで人事に加わられたのですね。具体的には、どのような要素を変えたのですか?

採用活動においては、大きく3点を転換しました。一つ目はインターンシップを通じた仕事・会社の理解促進。二つ目は、マイページやSNSなどを活用した積極的な採用広報。そして三つ目はコンピテンシー面接の導入によるコミュニケーションと見極めの向上です。

現場参加型インターンシップと多彩な広報でリアルな情報を発信

採用広報と選考の両面を改善されたということですね。まず、インターンシップの意図と内容について教えていただけますか?

近年は、インターンシップを実施する企業がほとんどですが、当社は現場での学生の受け入れが難しいという事情もあり、長らく実施していませんでした。しかし、仕事の魅力を伝え、入社後のギャップを防ぐためには必須と考え、2020年に導入しました。3日間、9日間などコースは複数ありますが、基本的に実際の撮影現場に同行し、社員と共に仕事を体験するという内容です。スタジオでの撮影に立ち会ったり、ロケを体験したり、スポーツの試合を撮影したりと、実際の番組制作をリアルに体験できる内容で、参加者からは非常にご好評をいただいています。

テレビ番組の制作に興味を持つ学生にとっては、非常に魅力的なプログラムですね。二つ目の採用広報の改善についてはいかがですか?

私自身が新しいもの好きなので、気になった広報施策は積極的に取り入れていますが、特に重視しているのは、マイページとSNSによる広報です。まず、マイページではエントリー者向けにさまざまな情報を発信しており、これらのWebコンテンツは採用管理システム一体型のCMSを使って採用チームで制作しています。会社や仕事のことを知っていただくため、定番の人事ブログをはじめ、オリジナルの漫画や、クローズドの環境だからこそ公開できる当社の制作実績など、幅広いコンテンツをつくってきました。タイミングが合わずインターンシップに参加できなかった方にもイベントの魅力を伝えるため、インターン参加者の感想をアップしたりもしていますね。頻繁にマイページを見ていただき、当社のファンになっていただきたいので、コンテンツはこまめにアップするように心がけています。

貴社のコンテンツは質・量ともに非常に充実していますね。SNSを使った広報はどのように行われているのですか?

主にInstagramを使って、インターンシップ募集などの広報を行っています。映像制作やデザインは当社の得意分野ですので、オフィスの様子などを魅力的に映した画像・映像を有料広告も含めて広く配信し、イベント参加やエントリーにつなげています。インスタライブも積極的に活用し、社員によるトークや新人研修の様子を紹介するコンテンツなどを公開しています。Instagramがきっかけでエントリーしてくれる学生も増えており、今や採用サイトやナビサイトに匹敵する当社の「入り口」といって過言ではありません。また、少し変わったところでは、大学に設置したデジタルサイネージにも映像を配信しています。さまざまな媒体を通じて、当社のことを身近に感じてもらえればうれしいですね。

モチベーショングラフを用いたコンピテンシー面接

三つ目の改善点は、コンピテンシー面接の導入でした。導入のねらいと、実施の方法について教えていただけますか。

あらためて、コンピテンシーとは「知識やスキルといった能力を成果につなげられるか」といった視点からみる能力のことですが、企業が型通りの質問を投げかけるような従来の面接では、学生の生の声を十分に聞き取ることができないと感じていました。そこで、学生の体験や成功談、大切にしている価値観などを深掘りできるコンピテンシー面接を導入しました。導入にあたっては面接官が事前に指導を受け、コンピテンシー面接のメソッドを学びました。また、スムーズに質問ができるよう、それまで部署ごとにバラバラだったエントリーシートを統一し、その中にモチベーショングラフというものを加えました。

モチベーショングラフとはどういうものですか?

0才から現在までの人生において、どんなときにモチベーションが上がったり下がったりしたかを書いていただくというものです。ポジティブな情報だけでなくネガティブな情報も同時に知ることができるので、学生の本質に迫りやすくなりました。面接では主に大学時代にモチベーションを持って取り組んだことについて話してもらいますが、これは必ずしも華々しい「ガクチカ」でなくてもかまいません。コンピテンシー面接の技法を使えば、「どのようにしてコロナ禍を乗り越えたか」といった話題からも学生の個性や能力を引き出すことができ、面接の質が向上しました。また、学生の皆さんからも「共同テレビジョンの面接官はとてもよく自分の話を聞いてくれた」という意見を多くいただいており、信頼関係を深めることにもつながったと感じます。ちなみに直近の一次面接は、前年度よりも時間を延ばし、一人の学生に対し人事+現場担当者のペアで30分程度の面接を実施しました。面接数は減らさざるを得ませんでしたが、そのぶん密度の高い面接ができたと思います。

充実した取り組みですね。それだけマッチングに注力していれば、定着率も高まったのではないでしょうか?

うれしいことに、直近の2年間の新卒入社者は一人も辞めていません。ただしこれは採用活動だけでなく、入社後のフォローを強化したことも成果に結びついているのでは、と考えています。当社は映像制作のプロ集団という性質上、以前は個々のクリエイターが個人商店を営んでいるような雰囲気もありました。しかし現在は1 on 1やメンター制度を導入しており、会社として人を育てるしくみも体制も整いつつあります。

人事室新設からわずか4年ほどしか経っていないにもかかわらず、素晴らしい成果です。最後に、今後の採用活動や人材戦略についてお聞かせください。

大きく三つ、取り組みたい課題があります。一つ目は、内定後の離脱をなくすこと。相互理解をさらに高めるために、内定者が実際の現場でアルバイトができる機会を設けたり、人事と交換日記を行ったりと、内定後の施策に力を入れています。二つ目は、若年層へのアプローチを強化すること。これまでのインターンシップでは大学3年生を主な対象としていたのですが、インターンシップに参加した大学1、2年生の方がその後の本選考に進んでくださるケースも増えてきました。今年は東京都主催のインターンシップ支援事業「きづくインターンシップ」にも参加し、大学1、2年生へのアプローチを強化しています。そして三つ目の課題は、入社後のキャリア支援を強化すること。当社はドラマ、バラエティ、ドキュメンタリーなど多彩なジャンルの番組を制作しており、現場によって仕事内容や面白さがまったく違います。柔軟なキャリアチェンジの機会を増やし、各自が希望の仕事に携われるようになれば、定着はさらに高まるに違いありません。そのため、今後は面談や研修などを通じて社員の主体的なキャリア形成を支援する、「セルフ・キャリアドック」を実施したいと考えています。近々私もキャリアコンサルタント資格も取得し、社内のキャリア制度を見直していく予定です。


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