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Interview

ジャパネットグループが実践するエンゲージメント。
「挑戦」の社風が導く、社員がワクワクする仕事とは

Published on 2022/02/15

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Profile

井上 章Akira Inoue

株式会社ジャパネットホールディングス
エグゼクティブエキスパート
人事・コンプライアンス担当

長崎市出身。慶應義塾大学工学部卒。大手電機メーカーにて半導体生産技術に従事した後、人事部にて人材開発等を担当。2013年よりエスプリングHDを経て2015年ジャパネットHDの人事・コンプライアンス担当執行役員就任。2017年JリーグサッカーチームV・ファーレン長崎の監査役兼任。2019年より現職(写真はV・ファーレン長崎のマスコットキャラクター・ヴィヴィくんと)。

メディアを自在に駆使した通信販売事業で、急速な成長を続けているジャパネットグループ。2019年からは、通信販売事業に並ぶ2つ目の事業の柱としてスポーツ・地域創生事業を掲げています。そんな同グループの役員の大半は30代・40代であり、女性管理職の比率は32.4%。性別を問わず若い社員が挑戦できる社風が、同社の成長を支えています。「この社風が期せずして、近年人材開発の鍵として注目される“エンゲージメント”と“ジョブ・クラフティング”につながっているのでは?」と分析するのは、ジャパネットホールディングスの井上章様。企業理念・事業戦略と緊密に結びついた人材戦略についてお話しいただきました。

長崎を元気にする「スポーツ・地域創生事業」への挑戦

近年、人材マネジメントの領域において「エンゲージメント」と「ジョブ・クラフティング」が注目されています。前者は「仕事に取り組むことに内的報酬を感じ、その仕事にのめり込んでいる状態」、後者は「仕事を手作りする力」と定義づけられる概念です。ジャパネットグループがそれらをどのように実践しているか、お伺いしたいと思います。

質問にお答えする前に一つお断りしなければならないのですが、私たちは社内でエンゲージメントやジョブ・クラフティングという用語を使用したことがありません。企業理念や事業戦略に沿って組織体制や職場環境を見直してきた結果として、エンゲージメント&ジョブ・クラフティングの概念に近い働き方が実現されていた、というのが実情ですね。こうした取り組みにおいてキーワードとなるのが、当社が近年大切にしている「挑戦」という言葉です。今日は「挑戦」を軸に、当社のエンゲージメント&ジョブ・クラフティングについてお話したいと思います。

まずは改めて、ジャパネットグループについてご紹介いただけますか?

ジャパネットグループは1986年に設立されて以来成長を続けており、2020年12月期のグループ売上は過去最高となる2405億円を達成しました。クレド(企業理念)には“「今を生きる楽しさ」を!”を掲げ、お客様の「今」を楽しくすることを目指しています。近年のトピックスとしては、2015年に高田旭人が30代の若さで社長に就任、2017年にスポーツ事業に進出、2019年に地域創生事業新会社を設立、といった出来事が挙げられます。現在は通信販売事業とスポーツ・地域創生事業の2軸で事業を行っています。

スポーツ・地域創生事業とはどのようなものですか?

スポーツ事業ではプロサッカークラブ「V・ファーレン長崎」と、プロバスケットボールクラブ「長崎ヴェルカ」を運営しています。また、これと連動する地域創生事業としては、地元・長崎で「スタジアムシティプロジェクト」を立ち上げており、サッカーとバスケットボールの会場を提供することで町全体を盛り上げていくことを目指しています。

ジャパネットといえば通信販売事業の印象が強いですが、それだけではないのですね。

よく「そんなにいろいろな方向に向けて多角経営をして大丈夫ですか?」と聞かれるのですが、実はどの事業も基本的に「見つけて、磨いて、伝える」という事業方針に沿って推進しています。通信販売事業でいえば、

(1)世の中にある本当に良いモノ(家電製品や地方の地酒など)を「見つける」

(2)それをジャパネットならではの視点でより良い商品として「磨く」

(3)それらをお客様に「伝える」

という流れでサービスを提供しています。スポーツ・地域創生事業においても同様で、

(1)各地域の秘めた高いポテンシャルを「見つける」

(2)これらの地域の魅力を引き出すため、サッカーやバスケットボールといったスポーツを通じて「磨く」

(3)これらの活動を全国に向けて「伝える」

という流れで展開しているわけです。そして、こうした事業を担う社員に十分な「挑戦の場」を用意していることが、ジャパネットの特徴となっています。

「挑戦の場」を作ることで、若手社員のエンゲージメントを向上

「挑戦の場」というのは、具体的にはどのような環境を指しているのですか?

ジャパネットグループの従業員は平均年齢35.09歳と若く、正社員男女比は1:1と理想的なバランスがとれています。グループの役員14人のうち1人は30代、9人は40代が占めており、女性役員も多くいます。会社全体としても、女性管理職の割合は32.4%とかなり高水準です。性別を問わず、若い社員に大きなチャンスが与えられる環境といえると思います。

新事業であるスポーツ・地域創生事業も、若い方が中心となって挑戦しているのですか?

おっしゃる通り、多くの若い役員、若い従業員が中心となって取り組んでいます。2024年開業を目指す「長崎スタジアムシティ」では、サッカースタジアム周辺にホテルやオフィス、商業施設、バスケットボールアリーナなど様々な施設を作ることで、「スタジアムを核とした新たな街づくり」に取り組んでいます。長崎の街全体を元気にするという意義ある事業に、社員は皆ワクワクしながら取り組んでいます。

エンゲージメントを高めるには「その仕事に意義を感じ、興味関心を持ってのめり込む」ことが必要といわれますが、まさにそうした環境ですね。

スポーツ・地域創生事業以外でも、2022年からBSチャンネルへの参入という新たな挑戦が始まります。テレビでの通信販売は今までもやってきましたが、BSチャンネルでは規定上、通販番組は3割しか放映できません。ドラマや報道など、これまで経験したことがない場組を制作することに対しても、やはり社員一同ワクワクしています。今言われた通り、意義ある仕事に挑戦できる状況が、エンゲージメントを高める場となっていると考えています。

MBOの徹底がジョブ・クラフティングを高める

人事制度の面で、エンゲージメント向上のために取り組まれていることがあれば教えてください。

業績評価にMBO(一定期間ごとに達成すべき目標を設定し、事業や組織の運営に当たるマネジメント手法。本人の自主性や自己統制に基づいて目標を達成する点に大きな特徴がある)を採用し、しっかりと運用することを大切にしています。MBOを運用する上でポイントとなるのは、社員のセルフコントロールです。社員自ら目標を定め、やり方を工夫し、上司のフォローを得て目標に向かう仕組みを整える。これにより、社員のジョブ・クラフティング(仕事を手作りする力)が高まると考えています。もちろん、目標達成状況に合わせた賞与支給も行います。

仕事に対する内的な動機付けと同時に、賞与による外的な動機付けも行われているわけですね。

MBOを確実に実践するために、全社のMBOの項目と進捗・評価を全社員がパソコンから確認できるシステムも導入しています。毎月最低1回は部内でフォローを行う機会設けています。MBOの進捗をみんなでチェックし、フォローしていく狙いです。

MBOは多くの企業で導入されていますが、ここまで徹底している例は珍しいですね。

「トップとの距離が近く、階層の隔たりがないこと」もジャパネットの特徴です。具体的には、課長代理以上の役職者が社長と直接メールでやり取りできるルール、双方向性アプリを使った社長自らの情報発信、社長が社員からのどんな質問にも答える座談会などを実践しています。ジョブ・クラフティングのなかには「上司・部下が共感をもってつながる関係を構築すること」も含まれますが、これに該当する取り組みといえるかもしれません。

社内でエンゲージメントやジョブ・クラフティングという用語を使っていなかったにもかかわらず、ここまで自然にそれを実践できたのは、なぜだと思われますか?

当社を特徴づける次の5つのポイントが、エンゲージメント&ジョブ・クラフティングの向上につながったのでは、と考えています。一つ目は「トップの強力なリーダーシップとコミットメント」。二つ目は「ストレッチな活躍の場」。三つ目は「内側から考えること」。これは各自が仕事を“我がこと”としてとらえ、自ら考えることです。四つ目は「変化の見える化」を通じてワクワク感を醸成すること。例えばスポーツ・地域創生事業でいえば、長崎に与えるインパクトの大きさをしっかり示しました。そして最後に、仕事を「楽しみながら進めること」。やっぱり、仕事は明るく、楽しみながらやるものですよね。実は毎年、年末には書道家の前田鎌利さんに当社のキーワードとなる言葉を書いていただいているのですが、2021年末の作品は「変化を受け入れて楽しむ!」でした。これからも楽しむことを忘れず、エンゲージメントの向上に努めたいと思います。

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