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Interview

日本経済を支える、多様な人材を求めて。
若手人事が挑んだオンライン採用

Published on 2020/10/29

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Profile

齋藤 十和子Towako Saito

株式会社日本取引所グループ
人事部

2018年4月、株式会社日本取引所グループに新卒入社。市場管理部に配属され、デリバティブのリアルタイム監視に従事。取引上の不正やエラーを監視すると共に、相場データを分析する業務に携わる。2019年7月に人事部に異動し、2021採用では主担当者の一人として活躍。

日本取引所グループは、2013年に東京証券取引所グループと大阪証券取引所が経営統合して誕生しました。同社の役割は、文字通り「日本最大の取引所」を運営すること。上場企業に資金調達の場を提供して成長を後押しし、世界の投資家が安心して取引できる場を提供する事業は、極めて公共性の高いものといえるでしょう。それだけに「倫理性、協調性を兼ね備えた多様なプロフェッショナル」を必要とする一方、学生からの認知度は意外に低いということが、同社の新卒採用における課題だといいます。コロナ禍のなか、いかに学生との距離を縮めて採用を成功させたのか。入社2年目にして数々の新施策に取り組んだ、人事部 齋藤十和子様にお話を伺いました。

公共性の高い事業に相応しい人材を求めて

まずは、齋藤様のこれまでのキャリアについてお聞かせいただけますか。

私は2018年4月に当社へ新卒入社しました。1年目は市場管理部に配属され、デリバティブ(債券・株式などの金融商品から派生した金融取引)のリアルタイム監視や相場の分析に従事していましたが、2019年7月に人事部に異動しました。2021年卒採用では、採用企画の立案、運営、実務全般に携わりました。

貴社の事業内容について、改めてご紹介いただけますか?

当社は東京証券取引所グループと大阪証券取引所が経営統合して誕生した、日本で最も大きい証券取引所です。さらに2020年には東京商品取引所との統合による総合取引所化に伴い、証券からコモディティ(商品先物取引)までワンストップに取引できるようになりました。当社自体も「株式会社」ではありますが、「取引所運営」という公共性の高い事業内容だけに、自社の短期的な利益ではなく、日本全体の長期的な利益も見据えた経営方針をとっています。

その「公共性の高さ」は、求める人材像にも影響しているのでしょうか。

もちろんです。たとえば面談で「投資経験があること」をアピールする方がいますが、投資に関する知識や経験は、入社時には必須のものではありません。もちろん投資に興味があるのは良いことですが、私たちは「日本市場の健全化と成長を目指し、チームメンバーと共に広い視野を持って考え、業務に取り組める方」と一緒に働きたいと思っています。

一般的な金融系の会社とはかなりカラーが違うのですね。

そう思います。チームで協力し、関係者と粘り強く交渉しながら、市場活性化に向けて取引制度を改善したり、新しい金融商品を作ったりするのが主な仕事です。学生にはよく、「当社は鉄道やガス会社と同じように、社会インフラを作っている会社です」と話しています。

学部にこだわらず、多様な人材を積極的に採用

新卒採用にあたっては、どのような点を課題と捉えられていますか?

多くの学生にとっては馴染みが薄く、応募の対象となりにくい点でしょうか。特に経済系の学部以外の学生からは「高度な金融の知識がないと入社できないのではないか?」と敬遠されがちです。当社の「社会インフラ」としての意義や、金融以外のさまざまな素養を活かして活躍できる環境をいかに伝えるかが、採用におけるミッションでした。

経済学部出身者が多いイメージですが、そうではないのですね。

当社にはさまざまな部署・職種があるので、経済学部以外でも、文学部や法学部、理工学部など、いろいろな学部で学んだことを活かせるんです。たとえば当社には取引システムや株価指数などを開発する部門がありますが、そうした仕事には理系の素養が役立ちます。

そうした採用課題をクリアするために、どのような工夫をされたのか教えていただけますか?

まず当社の「社会インフラとしての意義」については、説明会やWebコンテンツを通して強調しています。多様な人材が活躍していることについては、例年、最初の説明会の時期から「部署別説明会」を開き、取引所の仕事を細分化して紹介しています。さらに複数回にわたって「理系学生対象セミナー」を開催し、理系出身の社員に仕事の魅力を語ってもらいました。これは2021年卒採用で初めての試みでしたが、結果的に多くの理系学生に参加があり、内定にもつながりました。

母集団形成の段階で部署ごとの説明会まで開催する企業は珍しいですね。学生に対して非常に親切な採用という印象です。

ありがとうございます。しかし、他社と比べて仕事内容が見えづらい分、相応の努力が必要だと考えていますね。採用サイトでも、各部署の社員紹介やプロジェクトストーリーを豊富に載せるなど、ひとつずつは地道な工夫の積み重ねですが、課題に対して的確な施策を講じていくことが重要だと思っています。

人事部の若手社員が中心に、オンライン施策を成功に導く

2021年卒採用は、新型コロナウイルスの影響と時期が重なりました。貴社ではどのような影響がありましたか?

例年通りの説明会が開けなくなり、オンラインでの開催に切り替えました。判断についてはさほど迷いはなかったと思います。実際にオンライン化してみると、むしろメリットがたくさんありました。首都圏以外からの参加者が増えましたし、制作した動画コンテンツをマイページで常時公開しておくことで、多くの学生に閲覧してもらうことができました。

面談についても、緊急事態宣言発令中はすべてオンラインでおこないましたが、当社では以前からWeb面談を取り入れていたので、それほど大きな戸惑いはありませんでしたね。

マイページでは、各部署の仕事紹介や、社員同士の対談・座談会など、非常にたくさんの動画をアップされていましたね。

はい。主に私と先輩社員の二人で企画を考え、社員に協力を要請し動画を制作しました。当社では、ベースとなる採用方針は人事部全体での協議で定められますが、具体的な企画はほとんど若手の裁量で実施しているため、そのスピード感も良かったのではないかと思います。

動画制作においてはどのような点に注力されましたか?

学生が来社できない分、「会社や社員の雰囲気が伝わる動画」を心がけました。出演する社員には、あえて原稿を用意せず、自然に話してもらうようお願いしました。休憩室で若手社員同士が雑談を交えながら話している動画などは、かなり「素」の雰囲気が出ていたと思います。

動画コンテンツの効果はいかがでしたか?

こちらも多くの学生から閲覧があり、仕事内容の理解促進とともに、当社の「硬いイメージ」もある程度は払拭できたのではないかと思います。また、コンテンツをたくさん閲覧した学生ほど、学生時代に力を入れたことや自発性の面で高い評価を得た人が多い傾向があったのは非常に興味深かったですね。こうした気づきは、来期の戦略にも活かしていきたいと考えています。

2021年卒採用を踏まえ、今後の採用活動における方針や手法についてどのようにお考えか、お聞かせください。

今年はマイページを上手く活用できたこともあり、例年通りかそれ以上に実りのある採用活動ができました。今後も引き続き、コンテンツの拡充や、説明会・面談のオンライン化を前向きに検討していきたいと考えています。また、オンラインの可能性が広がったことで、採用担当も自宅から面談をおこなうなど、柔軟な働き方が可能になりました。採用選考を通じて事業内容や社員の雰囲気はもちろんのこと、働く環境などさまざまな角度からも当社の魅力をお伝えしていきたいですね。

今後についても、新しいアイディアが次々浮かんでいるのですね。最後に、齋藤様ご自身が採用業務に対してどのようなやりがいを感じられているか、教えてください。

先ほども申しあげた通り、当社の採用チームは現場の裁量が非常に大きいと感じています。毎年変化している採用のトレンドをキャッチし、セミナーなどにも参加して勉強し、それを踏まえて「今年はどういう採用企画を立てようか」と考える。その自由度の高さが楽しいと感じますね。

人事部が入社まで導いた新入社員が、現場に配属された後の各部署からの評価についてはいかがですか?

確かに、「新人の〇〇さんは面白い人だね」「△△さん、頑張ってるよ」といった声は人事部に届いてきます。しかし私個人としては、「有能な人材が採用できたか」よりも「自分が採用した人たちが充実した社会人生活を送ることができているか」の方が気になってしまいます。採用選考というのは、「出会った学生の皆さんのこれからの人生が、より豊かなものになるようにとアシストすること」でもあると思っています。それを思うと私はどうしても情が入ってしまう。「この会社に入って良かった」と彼らに言ってもらえることが、私にとっては何よりの喜びです。

 

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