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Interview

貫いたのはきめ細やかな「お客様視点」。
学生に寄り添うサントリー流採用

Published on 2020/11/13

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Profile

杉田 幸平Kohei Sugita

サントリーホールディングス株式会社
人事部

2007年にサントリーホールディングス株式会社に入社。首都圏をはじめとする日本各地の酒類営業職に9年間従事した後、大きくキャリアチェンジをし、2016年に人事部採用担当に着任。採用戦略の企画・立案から実行まで幅広く担当するなかで、新たなキャリアへの挑戦を続けている。

サントリーホールディングス株式会社は、全世界をフィールドに国内食品メーカーで首位の売上高を誇り、酒類や飲料、健康食品等の領域において数多くのブランドを展開しています。創業121年を迎える「挑戦」と「創造」の背景には、果敢なチャレンジ精神をあらわすサントリーのDNA「やってみなはれ」の価値観や、社員の考動の在り方を定めた「サントリーグループWay」が色濃く映し出されています。新型コロナウイルス禍で採用のオンライン化を余儀なくされるなか、それらの企業理念はどのように発揮されたのか?そして、選考活動を徹底的な「お客様視点」で捉え、学生のロイヤリティを高める仕組みづくりとは?人事部の杉田様にお話を伺いました。

※本内容は2020年10月6日におこなわれた「HUMANAGE SEMINAR 2022 -VUCA時代、新卒採用の“これから”を考える」の内容を編集したものです。

「お客様視点」を採用活動にも発揮

2021年卒採用において、貴社採用チームで大切にされていたこだわりを教えてください。

「お客様視点」をキーワードに掲げ、採用活動を展開しました。当社には社員一人ひとりの考動のあり方を定めた「サントリーグループWay」があり、そのなかに「お客様視点で考える」という言葉があります。我々はメーカーとして商品を作り、最終的なお客様である消費者にお届けしていますが、どのプロセスにおいても、お客様視点で考えることを忘れてはなりません。私たち採用チームも、このポリシーを大切にしたのです。採用の場合、お客様=学生という考え方ですね。

今年は採用スケジュールを変更したと伺いました。そこにも「お客様視点」が活かされていたのでしょうか。

意思決定をする際、常に「お客様視点で考える」事を意識しました。2021年卒採用は例年よりも早い、2020年の1月末にスタートしました。各社の採用活動のスタートが早期化するなかで、「サントリーに興味を持ってくださる学生にとって“あるべき採用スケジュール”とは何だろう」と考えたとき、「スケジュールの問題で、当社へのエントリーをあきらめてほしくない」という結論に至りました。そこで当社では、A日程とB日程という二つのコースを設け、選択していただくことにしました。

A日程とB日程とはどのように違うのですか?

1月末にスタートした早期選考がA日程、例年通りの選考がB日程です。A日程は「就職活動を効率的に終わらせ、部活動や留学などの学生生活に集中したい方」を対象とした選考で、エントリーシートの内容を簡略化し、学生の負担を軽減しました。一方のB日程は「じっくり就職活動に取り組みたい学生」を対象とし、エントリーシートも毎年恒例の「白紙のシートに自由に記入する」方式を採用しました。

“学生が受検しやすい選考を用意する”という、まさに「お客様視点」の施策ですね。二つの専攻コースを用意したことで、学生からのエントリー数に変化はありましたか。

今年の採用市場では学生の一人あたりの活動量が低下していると言われるなか、前年以上のエントリーシートを提出いただくことができました。

募集が2回に分かれている場合、一般的には1回目の締め切りのほうに応募が集中しやすくなると言われますが……。

その点を考慮し、A日程、B日程それぞれの採用予定人数や選考ステップの回数、選考基準をホームページで公開しました。A日程の採用予定人数を低く設定したことで、あくまでB日程がメインで採用をおこなっていることが伝わったかと思います。また、内々定者の方々にアンケートを実施したところ、想定通りA日程には「就職活動を早く終わらせて学生生活に時間を費やしたい」という学生が応募してくれていました。

採用活動の透明化を実現する施策でもあったわけですね。その他に、「お客様視点」があらわれた施策はありますか?

インターンシップについては、現状、生産研究部門以外は実施をしていません。受け入れられる人数がそれほど多くないなかで、早期に一定の不合格を出したくないからです。キャパシティの関係で参加できなかった学生が、「インターンシップがだめだったなら内定も無理だろう」と思ってほしくない。「お客様視点」を取り入れることはもちろんですが、自社の採用課題と向き合ったときにどのような手法や施策が適しているのか、「お客様視点」を実践した先にその答えがあるといいなと思っています。

コロナ禍においても、「学生の気持ち」を最優先

2021年卒採用の期間は新型コロナウイルスの流行と重なりました。貴社ではどのような変化があったのでしょうか。

選考フローの全面的な見直しを余儀なくされましたが、具体的に大きく変化したのは、やはり選考のオンライン化です。ただし、はじめに申しあげた「お客様視点」については揺らぎませんでした。選考フローを再考するにあたって我々がまず考えたのは、「学生の皆さんは今、どういう心境にあるのか」ということ。緊急事態宣言が出ているなか、採用活動をストップするか、継続するかという大きな決断を迫られたのですが、学生の皆さんに意見を聞いたところ、「オンラインであってもいいから採用を続けてほしい。止まる方が不安です」という声が多数でした。その声を受けて、選考を全面的にオンライン化して進めようという意志決定をしました。

異例のオンライン面接に不安を覚えた学生も多かったかと思います。学生の不安を払拭するために工夫されたことはありますか?

オンライン面接ならではの不安としてまず挙げられるのは、やはり接続環境だと思います。自宅のネット環境によっては、途中で途切れてしまう可能性もある。そこで私たちは、面接の冒頭に必ず「○○分間の面接時間は絶対に確保します。接続の問題等でその時間が確保できないと判断した場合には、別の日程をご用意します」とお伝えしました。

学生が安心して面接に臨める気遣いですね。ところで、オンライン面接はカメラ越しなので、学生の雰囲気が伝わりにくいということはありませんでしたか?

確かに、部屋に入ってきた瞬間に感じる第一印象のようなものが、画面越しでは感じづらいと感じました。しかし会話を進めるなかで、どういった学生なのかはしっかり見ることができたと思います。事実、選考活動の終了後に定量的・定性的な振り返りをおこなったところ、例年と遜色のない採用成果が得られていました。

学生の本質を見極めるための「鉄板」の質問などはあるのでしょうか。

残念ながらありません。いろいろな面から学生の経験をお聞きすることを心がけています。たとえば学生時代に一番頑張ったこと(いわゆる「ガクチカ」)はもちろん聞きますが、これに加え「二番目に頑張ったこと」も聞いてみる。すると複数のエピソードに共通するコンピテンシー(行動特性)が見つかることがあります。次は「あなたがそういう人になったのはいつからなのか」を確認するために、中学、高校時代にまで遡って経験を深掘りしていきます。そのようにして話を広げ、その人の本当に良いところを引き出しています。

オンライン面接に切り替えたことで、採用担当者側に戸惑いはありませんでしたか。

回数を重ねていくうちに、学生も我々もだんだん慣れてきたという印象です。面接の開始時にはアイスブレイクとして「オンライン面接は初めてですか?」「我々も初めてで慣れていないんです」などと声をかけ、信頼関係の構築を大切にしました。

お客様視点だからこその工夫をされていたのですね。面接とは別に「メンター面談」というものを設けているとのことですが、これはどういったものですか?

例年、数回の面接の間に、選考とは別に接点の機会を設けています。一人の学生につき一人の人事担当が「メンター(助言者)」としてつき、当社の選考に関する不安事項や就職活動全般で困っていることなど、幅広い相談に乗ります。面談には人事以外の現場の社員も加わることで、当社の「素の姿」を見ていただきたいと考えています。面接ではこちらから質問をすることが多いですが、メンター面談では逆に我々の方がまず自分のキャリア観や会社への思いを伝え、それを踏まえて学生にも話していただきます。もちろん質疑応答の時間もたっぷり取ることを意識しています。

学生のロイヤリティが高まる素晴らしい施策ですね。反響はいかがですか?

内々定者アンケートでは「面談を通じてサントリーの新しい情報を得られた」「最後までメンターが“応援団”として寄り添ってくれたことが入社の決め手となった」などという回答が多数ありました。私自身も十数年前、同様にメンター担当者に支えていただき入社しましたし、未だにその方のことは鮮明に覚えています。我々も学生の皆さんにとってそういう存在になれれば嬉しいな、と思います。

オンラインによる内々定者フォロー、そして次期採用のスタート

2021年卒採用を通じて、どのような発見があったとお考えでしょうか?

オンライン面接での関係性の構築は、やはり少し難しかったと感じます。例年、メンター面談まで進んでくれた学生は辞退率が極めて低くなるのですが、今年はやや高かったというデータが出ました。直接会っていないことが、辞退への心理的なハードルを下げたのではないかと分析しています。これは来期の課題といえます。

依然として新型コロナウイルスの影響が残る状況ですが、内々定者のフォローはどのようにおこなわれていますか?

例年、東西に分かれて開いている懇親会を、今年はオンラインで実施しました。少人数のグループに分かれ、社員も加わり簡単なディスカッションをして発表をする、といったワークなどを企画しました。また当社は酒類・飲料メーカーなので、「サントリー製品で乾杯をする」という恒例の儀式があり、今年は皆さんに1,000円分好きなサントリー製品を購入してもらい、オンライン上で乾杯をしました。画面越しではありますが、最高の乾杯ができたと思っています。

2022年卒採用に向けては、どのような戦略をお考えでしょうか。

今後もコロナ禍が続くことを想定し、常に「プランB」を設計しながら採用活動を進めることが必要だと思います。2021年卒採用は変化対応力がつき、オンライン化のノウハウが蓄積されたという点で、貴重な経験ができた1年でした。この経験を活かしながら、特に、リアルで会うタイミングをいかに作るか、会ったときに何をするかを検討していきたいと考えています。

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