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Interview

飽くなきユーザーオリエンテッドの追求
「ロッテノベーション」が採用にもたらしたもの

Published on 2022/03/18

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Profile

高木 未来Miku Takagi

株式会社ロッテ
人事部 採用課

2012年、新卒で株式会社ロッテに入社。3年間、大阪にて菓子部門の営業を務めたのち、2015年4月より現職。新卒採用チームの一員として、インターンシップやオンラインセミナーの企画・運営、採用サイトの制作などを手掛ける。

名実ともに日本を代表する菓子メーカー、株式会社ロッテ。1948年の創業時は「後発ベンチャー」としてのスタートでしたが、他社に先駆けて挑戦する革新の気風が現在の地位を築きました。そして今なおそのDNAは、「ロッテノベーション(ロッテ+イノベーション)」というスローガンに継承されているといいます。「私たちが目指しているのは、採用活動を通じてユーザーオリエンテッドを実現すること。そのためにも他社の一歩先を行く“ロッテノベーション”が必要だと考えています」と語るのは、採用担当の高木未来様。同社の人材要件でもある「創造力」「情熱」「ビジョン」をフル活用した、パワフルな採用活動についてお話しいただきました。

創業精神を継承する「ロッテノベーション」

ロッテといえば言わずと知れた菓子メーカーですが、改めて事業内容について簡単にご紹介いただけますか?

おっしゃる通り、当社でコアとなる事業は菓子・アイスの製造・販売です。また、ファストフードチェーンのロッテリア、洋菓子製造・販売の銀座コージーコーナー、千葉ロッテマリーンズなども当社のグループ企業です。

メイン事業である菓子メーカーとしては、業界においてどのような位置づけにあるのですか?

当社は1948年、戦後の品不足で粗悪品が出回っていた当時、より良い製品を創りたいという想いで創業しました。そういう背景もあり、新しいことに挑戦する社風が今も「ロッテらしさ」として息づいていると思います。事業の強みとしては、創業当初から作ってきたチューインガムの分野では国内シェア60%以上を占めています。チョコレート市場では現在第2位であり、中期経営目標として1位の奪取を目指している状況です。

貴社の採用サイトでは「“ロッテノベーション”で、未来を創ろう。」というスローガンを掲げられていますね。ここにはどのような意味が込められているのですか?

ロッテノベーションとは、「ロッテ」と「イノベーション」を合わせた造語であり、いつも、時代の新たな価値を求め、ひとつ先を提案する姿勢を示しています。もともとは数年前にスローガンとして作られたのですが、現在は採用メッセージとしても用いています。

貴社の採用ポリシーについて教えてください。

ロッテはグループ全体の企業理念のひとつに「ユーザーオリエンテッド」を掲げています。常に「消費者の立場になって考える」ということですが、採用活動においてもこれは変わりません。採用活動における顧客、つまり学生の立場に立った「学生ファースト」を貫きたいと考えています。ありがたいことに、当社にはとてもたくさんの学生がエントリーしてくださいますが、内定を出せるのはそのうち数十名にすぎません。しかし、就職活動が終わってからも、当社を志望してくださった方々にはロッテのファンで居続けてほしい。そのために、可能な限り手間暇をかけて、誠意をもって応募者に対応しています。

斬新な施策で「学生ファースト」を追究

「学生ファースト」の採用に向けて、例えばどのような施策を実践されていますか?

新型コロナウイルスの流行に対応し、オンラインのライブセミナーにはかなり注力しました。昨年は10回程度実施し、リアルタイム視聴者だけでも9000人以上の方と接点を持つことができました。アーカイブ映像も後日公開したので、実際にご覧いただいた人数はさらに多いと思います。

いち早くオンライン施策を導入されたわけですね。実施してみて、手ごたえはいかがでしたか。

場所が限定されるリアルセミナーと違い、ライブセミナーでは海外在住者を含め地域を問わず多くの方にご参加いただくことができました。地方在住の内定者の多くから、「社員に会えなかったのは残念ですが、時間とお金の負担が減ったのは助かりました」という意見をいただきました。

ライブセミナーの内容としては、どのような点に注力されたのですか?

仕事をリアルに伝えることを重視しました。お菓子メーカーという特性上、「キラキラした仕事ができる」という先入観を持っている方もいるのですが、現実の仕事には厳しいこともありますし、マーケティングなどの人気のある職種に就くことは簡単ではありません。セミナーや面談で学生と会う社員には、仕事の良い面だけではなく、厳しい面も含めた現実を包み隠さず伝えてもらっています。採用サイトの社員紹介記事も、仕事の厳しさをしっかり伝える内容にしています。

入社後のギャップをあらかじめなくすという意味で、学生にとって親切な考え方ですね。他にも「学生ファースト」の施策があれば教えてください。

少し変わったところでは、インターンシップに参加できなかった方向けのライブセミナーを開催しました。

それは非常にユニークな施策ですね。どのような意図で行われたのですか?

夏のインターンシップにはたくさんのエントリーシートが寄せられるのですが、ご参加いただける人数は少人数で、その倍率は本選考を上回ります。ですから、インターンシップに参加できなかったからといって落胆する必要はありませんし、実際、そのような方が本選考で内定に至るケースもあります。しかし分析によると、インターンシップに参加できなかった方が本選考にエントリーしてくださる確率は非常に低いことがわかりました。これは、せっかくインターンシップに応募してくださった意欲ある学生にとっても、当社にとってももったいないことです。そこで、彼らに向けてもう一度チャレンジしてほしいという激励の気持ちを込めて、対象者を限定したライブセミナーを開催しました。

ライブセミナーの内容はどのようなものだったのですか?

セミナーには採用課長と私の二人が登壇し、ざっくばらんに学生からの質問に答えました。課長をあえてオンラインセミナーにアサインした理由は、当社の採用のトップとして責任を持って学生に採用方針を伝え、真摯にアドバイスをするためです。おかげで、通常のライブセミナーではまず出てこないような、切実な質問が多く寄せられました。

例えばどのような質問がありましたか?

特に多かったのは「私のエントリーシートのどこが良くなかったのでしょうか。どうすればインターンシップに参加できたのでしょうか」といった相談でした。課長はそれに対して、率直なコメントを返しました。例えば「あなたはエントリーシートを作るにあたって、志望企業のことをどれだけ本気で調べましたか。ネットで少し検索しただけで満足してはいませんか」「エントリーシートの設問の趣旨とずれた回答をしてはいませんか」といった具体的な指摘です。実際、エントリーシートの中には、そうした基本的な準備が不足しているものが少なくないのです。ライブセミナーは大変盛り上がり、学生の就活力の向上と、モチベーションアップにも寄与できたかな、と思います。

採用課長と直接話せるのは、学生にとってメリットが大きそうですね。そこまでする会社はかなり少ないと思います。

当社のライブセミナーでは、採用課長に限らず、意識的に幅広い年齢、役職の社員に登壇してもらっています。例えば営業職では支店長に登壇してもらい、若手社員と対話しているところを配信したりしました。若手社員同士の雰囲気も大切ですが、学生のなかには上司との関係性を気にしている方が多いというデータもあります。視聴者からは、実際にロッテに入社したらどういう上司と働くことになるのか、映像で見ることができて安心したという感想をいただきました。

低学年向け施策など、ロッテノベーションは続く

課長や支店長といった管理職クラスの社員を動員しているところに、採用への本気度が窺えますね。

内定を辞退した学生に実施したアンケートの結果でも、ロッテの選考、とりわけ面接の印象が良かったという回答を多くいただいています。

面接に際して何か工夫されていることがありますか?

面接官向けの研修はかなり綿密に行っています。オンライン面接では、学生は対面以上に面接官から高圧的な雰囲気を感じやすいともいわれます。学生が面接時間中に十分自分をアピールできるよう、リラックスできる雰囲気を作ることは私どもの重要な役割の一つだと思います。面接官には、そうした話し方ができるまでシミュレーションを重ねた上で、本番に臨んでもらいます。

まさに学生ファーストですね。今後はどのような施策を実施していこうとお考えですか?

新型コロナウイルスの流行が落ち着いたら、リアルとオンラインのハイブリッドで採用選考を行いたいと考えています。できれば2次面接以降は対面で行いたいですね。一方、オンライン施策もさらに充実させていく考えです。例えばオンラインで職場見学や工場見学をできるWebコンテンツを作成し、エントリー前に閲覧いただける状態にすれば、ご来社いただけなくても会社の雰囲気を伝えることができるでしょう。特に理系の学生からは、研究所や工場を見たいという希望を多くいただいています。

最後に、今後の中長期的な採用活動に向けての抱負をお聞かせください。

私が個人的に注目しているのが、大学低学年向けのイベントです。現在は3年生から就職活動を始めるのが一般的ですが、わずか半年から1年の就職活動で、その後の数十年間にわたって働く会社を決めるのは難しいと思います。多くの学生がキャパオーバーになり、就職活動に対してネガティブな印象を抱くようになるのも現在のスケジュールでは無理もないでしょう。大学1年生のうちからじっくり自身のキャリアを考えるようなプログラムが浸透すれば、就職活動はよりポジティブで、充実したものになると私は考えています。とはいえ、こうしたプログラムはロッテ単体では実現できません。大学や様々な業界の企業と協力することが不可欠です。

実現に向けての見通しはいかがですか?

実はすでに、いくつかの大学から低学年向けのプログラムを実施してほしいというオファーをいただいており、試験的に実施することが決定しています。今後も少しずつ、賛同いただける大学や企業も増えてくると思います。ただし多くの企業にとっては、低学年向けイベントから本選考まで間が空いてしまうため、直接的なメリットが見えにくいことが課題となっているようです。しかし、長期的に見れば学生のキャリアへの意識が高まり、社会全体の人材の底上げにつながることは間違いありません。粘り強く、より良い就職活動・採用活動となるよう、今後も取り組んでいきたいです。

 

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