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Interview

透明性の高い情報交換で実現する「採用のあり姿」。
三井物産が実践する3つの取り組み

Published on 2023/10/06

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Profile

村田 祥太郎Shotaro Murata

三井物産株式会社
人事総務部 採用企画室 マネージャー

2009年、三井物産に新卒入社。金属資源本部にてトレーディング・事業投資業務に従事。2017年から3年間はアフリカ・モザンビークに駐在し、現地の鉱山会社に出向。現在は人事総務部にて新卒採用の企画・運営を担当。

「世界中の未来をつくる」をミッションに掲げ、新たな事業や価値創出に取り組んできた三井物産は、「人の三井」と称されることからもわかるように個を重んじ、人の魅力を生かした事業経営を展開していることで知られています。新卒採用においても学生との対話を重視し、多様な採用施策を通じて学生との相互理解を深めながらマッチングを行っています。そこで人事総務部 採用企画室の村田祥太郎様に、三井物産が考える「採用のあり姿」や具体的な取り組み、未来への思いについて、お聞かせいただきました。

多様な強い「個」を求め、3つの取り組みに注力

まず、新卒採用における貴社の求める人材について、お考えをお聞かせください。

当社には、全社員に受け継がれている「挑戦と創造」という組織文化があります。「挑戦と創造」は、当社が経済や人々の暮らしの中に潜在するニーズのなかから課題を発見し、創意工夫に満ちた仕組みを考案することで新たな価値を生み出していくための姿勢そのものであり、自立した社員一人ひとりが、個々の責任を全うし、チームワークを発揮し続けていくことで実現します。そして、社員一人ひとりの「挑戦と創造」を支えているのが、個の質を向上させる「人材主義」と、「自由闊達」の風土です。新卒採用においては「個」を重視しており、それは特定のカテゴリーに集約できるものではありません。つまり、「多様な強い『個』」を求めており、これまでの人生で身につけた「自分にしかない強さ」を生かして当社に来ていただけたらと願っています。

「個」をもつ社員一人ひとりが有機的に力を発揮しながら挑戦と創造を繰り返してきたからこそ、同じように新卒採用でも「多様な強い『個』」を求めていらっしゃるのですね。

そうですね。当社で活躍している社員に共通している要素として、「何かを成し遂げたいという志を持っている人」「物事を自分事として考え抜いて、実行できる人」「好奇心旺盛で柔軟性があって学び続ける人」「自分らしさを大切にして、他人を大切にできる人」等が挙げられるかと思います。

そのような方針に基づき、採用活動において重視していることはありますか。

私たち採用チームが目指しているのは、選考を通じて「採用活動・就職活動のあり姿」を実現することにあります。採用活動・就職活動のあり姿とは、透明性高く互いの情報を交換しながら、自分・自社にマッチする会社・候補者を互いに選んでいくことだと考えています。そのあり姿実現に向けて、「脱・内定ゴール」「マッチング強化」「キャリア観の変化に寄り添う」の3つの考え方・取り組みを重視しています。

学生と採用側の双方に大きなメリットが生まれるしくみ

1つ目の「脱・内定ゴール」は、どのような考えに基づいた取り組みなのでしょうか。

当社はかねてから、「内定獲得が目的化している採用市場」への課題感をもっていました。「何社から内定を獲得した」「内定をとりづらい企業から内定を獲得した」など、就活生のなかで内定を獲得すること自体が目的化している傾向があり、このような課題感を払拭するために掲げたのが、「脱・内定ゴール」という考えです。自分がどのような仕事に就き、どのような働き方がしたいのか。そして、どのような人生を歩んでいきたいのか。学生には自分自身をよく振り返り、深く考えたうえでマッチした会社を選んでほしいと考えています。そして、貴重な学生生活を謳歌してほしいと願っています。つまり、就職活動を頑張った人ではなく、人生を頑張ってきた人を採用したいと考えており、そのために応募書類「自分史」を導入しています。文字通り、自分の歴史について、2000字程度にまとめていただいています。

とてもユニークな試みですね。導入効果についてはいかがですか。

学生に自分史を書いた感想についてたずねると、「意外とスラスラ書けた」「自分の人生を振り返ることができた」という返答が多く、大きな手応えを感じています。振り返りを行うことで、自分がどのような考えに基づいて行動しているのか、どのようなことにやりがいやモチベーションを感じているかが見えてきた学生も多く、就職活動を始める前に自己理解を深めるよいきっかけになっているようです。また、自分史は当社にとってもメリットがあります。なぜなら、学生が自分史を書くことで、学生本来の姿を浮き彫りにでき、私たち採用側も多面的に知ることができるからです。

2つ目の「マッチング強化」についてもお聞かせください。

これは、「企業が学生を一方的に選ぶものだ」と考える学生が多いと感じている背景から、この考えを払拭するために取り組んでいるものです。企業が良い学生と出逢いたいと思っているように、学生も自分にとって良い企業と出逢うためにも、「マッチング」が非常に重要です。そこで、選考プロセスに学生が企業理解を深められるような機会を数多く設けています。その一つが、2022年卒採用から本格的に導入しているインターンシップです。2024年卒採用では財務やDXなどさまざまなテーマを設けて計13回のインターンシップを実施しました。期間は3日間で、複数名のグループに分かれてワークを実施。計100人の現場社員を導入し、アドバイザーとして学生をフォローしました。

100人規模の現場社員を動員して計13回のインターンシップを実施するとなると、かなりのご負担があったと思います。「マッチング強化」の効果はいかがでしたか。

選考プロセスにインターンシップを組み込んだことで、学生は三井物産を事業・人・企業文化、そして仕事と、あらゆる角度から深く理解し、自分に合っている企業かを判断することができます。一方、当社にとっても、学生を深く理解するのに役立っています。インターンシップの3日間、ワークに取り組む姿から、当社にマッチした人材であるかを観察・理解することができるからです。

「脱・内定ゴール」も「マッチング強化」も、高い効果が生まれているのですね。最後の「キャリア観の変化に寄り添う」についてはいかがですか。

「キャリア観の変化に寄り添う」は、2024卒採用から新たに始めた取り組みです。近年、学生のキャリア観が多様化・短期化しており、キャリアの初期に携わりたい業務を明確に描いている学生が増加している傾向にあります。採用活動においても、このキャリア観の変化に寄り添っていく必要があると考え、従来のオープン型選考に加えて、新たに分野別選考を導入しました。

従来の「オープン型選考」と2024卒採用から採り入れた「分野別選考」の違いはどこにあるのでしょうか。

オープン型選考は初期配属と紐づかない一般選考です。事業領域や専門領域を特定せずに開催するインターンシップに参加してもらい、幅広い業務・事業を経験してもらいます。一方、分野別選考は初期配属と紐づいた一般選考で、DX人材向けや法務人材向けなど、分野を絞ったインターンシップに参加してもらい、特定の業務・事業について理解を深めてもらっています。「分野別選考に人気が集まるのでは」と予測していましたが、蓋を開けてみるとそのようなことはなく、ほぼ均等の応募倍率となりました。キャリアが明確な学生は分野別選考を選び、インターンシップや配属面談を通じて配属先を考えたい学生はオープン型選考を選んでもらうなど、上手に使い分けているようで、当社にとっても、適材適所な配置を実現しやすいというメリットがあります。

「挑戦と創造」の精神で、施策を進化させる

貴社が「就職活動・採用活動のあり姿」を実現するために実践してこられた3つの取り組みは、まさに「人の三井」の呼び名にふさわしいものだと感じました。

ありがとうございます。実は、採用活動における「キャリア観の変化に寄り添う」の考えは、入社後の活躍支援にも活かしています。特に近年、「早期に成長実感を得たい」と考えている若手社員が非常に多く、この考えに寄り添って「早期に現場体験を積んでもらうこと」を重視しています。現場でさまざまな経験をし、失敗を重ねながらも成長していく。このような姿をイメージしています。

入社後の人材育成においても「キャリア観の変化に寄り添う」の考えを大切にされているのですね。若手社員が成長実感を得られるよう、どのようなフォロー体制を用意されているのですか。

成長実感を得られる取り組みとしては、「メンター制度の強化・拡充」と「自律的キャリア形成のサポート」があります。当社は、新入社員が配属先で多くのことを学びながら自身の成長に繋げていけるよう、メンター制度を導入しています。メンターが新入社員のフォローを効果的に実現できるよう、四半期に一度メンター向けの研修を行なっているほか、メンターをフォローする育成アドバイザーをつけています。一方、後者の自律的キャリア形成のサポートは、「キャリア観の変化」を前提とした取り組みです。先程、初期のキャリア観が明確な学生が増えているとお話しましたが、入社後にキャリア観が変化する社員も少なくありません。そこで、このような変化が起きたときに、社内で新しいポストを提供できるよう制度を拡充しています。

採用段階から学生のキャリア観に寄り添い、入社後も制度の拡充を進めて、自律的なキャリア形成を支援されていらっしゃるのですね。最後に、新卒採用に対する今後の展望についてお聞かせください。

今回ご紹介した自分史やインターンシップ、分野別選考などの取り組みは、学生にとっても、私どもにとってもメリットがあり、大きな手応えを感じています。一方では、これが終着点ではなく、まだまだブラッシュアップする余地があると考えています。今後も当社の組織文化である「挑戦と創造」の精神を発揮して、就職採用・採用活動のあり姿を実現していきたいですね。


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