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入社前に、“ストレス耐性”を科学的に把握する方法

シリーズ|適性検査

Published on 2020/09/04

人材採用の難易度があがっているいま、さまざまな工夫と苦労を積み重ねてやっと採用した社員が、仕事のプレッシャーや人間関係が原因で、結果を出す前に辞めてしまった――新卒採用、キャリア採用を問わず、社員の早期離職は、現場にとっても採用ご担当者にとっても頭の痛い問題です。今回は「厳しい状況にあっても離職せず、仕事を続けることが出来る人材かどうか」を、“入社前に”“確実に”見極める視点についてお届けします。

人によってストレス反応が異なるのは、「コーピング」の差

はじめに、「ストレス」という言葉を整理します。一般的に「ストレス」という言葉は、ストレスの“原因”(例:あの上司がストレスだ)とストレスの“結果”(例:ストレスで胃が痛い)の両方を表す言葉として使われています。しかし、心理学においては、ストレスの“原因”は「ストレッサー」、ストレスの“結果”は「ストレス反応」と明確に区別されています。

 

さて、同じストレッサー(ストレスの元となる事象)にさらされても、その結果生じるストレス反応は人によりさまざまです。仕事に差し支えるほどネガティブなストレス反応を起こしてしまう人と、そうでない人の差はどこから生じるのか?それは、その人が有している、ストレッサーによる問題を解決しようとする努力=「コーピング」がカギを握ります。コーピングが成功すると、心理的・身体的・行動的な変化=ストレス反応はほとんどみられず、逆にコーピングに失敗すると、ストレス反応が強くあらわれ、心身の不調につながります。

 

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ストレスに強い=打たれ強い、は誤り。積極的コーピングがカギ

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コーピングは「積極的コーピング」と「消極的コーピング」の2種類に大別されます。問題解決に向けて情報収集する、似た経験を持つ人に相談する、上司のサポートを獲得するなどは「積極的コーピング」に該当し、ストレス反応が軽くなる要素となります。一方、直面する問題について考えるのをやめる、その状況を諦めて受け入れるなどは「消極的コーピング」に該当し、ストレス反応が重くなる要素となります。

 

従来、“ストレス耐性”という言葉は、打たれ強さや忍耐力と同じ意味で使われることが多くありましたが、ストレッサーへの対処方略であるコーピングの視点では、そのような打たれ強さや忍耐力は、消極的コーピングに該当します。たとえ我慢強い人であっても、ただただ我慢するというのは、その人の限界を超えてしまえば心身の不調に繋がるからです。

 

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積極的コーピングというと、「その取り組みによりストレッサーがゼロになる」イメージを持つ人もいますが、そうではなく、軽減して通常のレベル(問題のないレベル)になれば十分に効果があります。また、ひとつの取り組みだけで解消するものでもなく、いくつかの取り組みを組み合わせて徐々に軽減していく方法もあります。さらに、どう頑張っても積極的コーピングでは解決できない状況や、時間がたてば状況が変わることがわかっているケースもあります。その場合は、消極的コーピングも戦略的に併用しながら、ストレッサーに対処していくことが大切です。

コーピングで、入社後の“ストレス耐性”を予測する

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コーピングは、ストレスの元となる事象の特徴に応じてある程度変化しますが、多くは習慣化され、その人独自の行動特性になっています。習慣化された行動特性=コーピングは、アセスメントツールによって科学的に測定することが可能です。その人のもつコーピングの特性をアセスメントツールによって事前に把握し、仕事をおこなううえでどのような行動をとるかを予測し、これまでの経験等を面接で確認することで、「その人がその職場で活躍できるか」「その仕事にマッチしているか」をより精緻に確認することができます。事実、入社前のコーピング適性検査の結果と早期離職率において高い相関があるという分析結果もあり、よりよいマッチングを実現するためには重要な視点といえます。

 

さらに、コーピングは生来生まれ持った性格的なものではなく、あくまで行動特性であり、スキルとして習得が可能です。厳しさを増すビジネス環境で成果を出すために、今後の人材開発において重要な視点のひとつと考えられます。

まとめ

これからの社会で成果を生みだすために必要な“ストレス耐性”は、従前の打たれ強さや忍耐力ではなく、ストレスの元となるストレッサーに、自ら積極的・戦略的に対処する力=コーピングといえます。持続的に成長する組織づくりのためには、まず、入社前に、その人のもつコーピングの特性と自社のマッチングを確認すること、さらに入社後、コーピングを開発できる環境を整えていくことが有効といえそうです。


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