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Interview

定着や育成を見据えた採用を。
三井住友トラスト・システム&サービス流「長く働ける」仕組みづくり

Published on 2023/02/10

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Profile

嬉内 順介Junsuke Ureshinai

三井住友トラスト・システム&サービス株式会社
人事総務部 マネージャー

独立系システム企業にてシステム開発を経験したのち、2006年11月に三井住友トラスト・システム&サービスにキャリア入社。SEおよびプロジェクトマネージャーとして、信託銀行の個人向け金融サービスに関する業務アプリケーションシステムの開発に従事。近年は組織のマネージャーとしても活躍する。2021年10月より現職。採用・育成チームのマネージャーを務める。

真木 彩花Ayaka Maki

三井住友トラスト・システム&サービス株式会社
人事総務部 新卒採用担当

2016年、新卒入社。SEとして営業支援システムの開発に従事したのち、2020年10月より現職。新卒採用担当として採用企画・実施に携わる。

信託銀行業界において国内最大、アジアでもトップクラスの規模を誇る三井住友信託銀行。この三井住友信託銀行を中心とした三井住友トラストグループにおける中核IT企業として、グループ各社の金融ビジネスをITから支援しているのが三井住友トラスト・システム&サービスです。同社のSEはITの知識に加えて「金融サービスの知識」や「社会貢献への想い」が重視されるため、採用においては文系・理系を問わず人物面でのマッチングを重視しているといいます。コミュニケーションの場を重視した選考から、入社後の手厚い教育と福利厚生まで、一貫して「社員が長く働ける仕組みづくり」に取り組んでいる同社の人材戦略について、人事総務部の嬉内様と真木様にお伺いしました。

採用人数が増えても「社員が辞めない採用・育成」を守る

まずは簡単に、貴社の事業についてご紹介いただけますか。

嬉内:
当社は信託銀行業界において国内最大の規模を誇る三井住友トラストグループの中核IT企業として、金融システムの企画・開発を行っています。クライアントおよびユーザーは三井住友信託銀行をはじめとするグループ各社であり、ユーザーに最も近いIT企業として活躍できることが当社の最大の強みです。当社のSEは十分な金融知識を持って要望のヒアリングや提案を行い、グループが提供する金融サービスにとって本当に必要なシステムを提供しています。

貴社のSEはITの知識だけでなく、金融の知識もかなり高いレベルで要求されるのですね。一般的なSIerとは少し業務への姿勢が違うようにも見えます。

嬉内:
はい、その通りです。独立系のIT企業の場合、システムを作ること自体が主な役割となるケースが多くなりますが、当社のようなユーザー系のIT企業は「作ったシステムを長期にわたり、適切に使ってもらうこと」までがミッションとなります。大規模な金融サービスを支えるITシステムは社会インフラであると言っても過言ではなく、社会貢献への意識も欠かせません。

「金融×IT」のフィールドで国内最大級のサービスを支えるという貴社の事業を推進する上で、採用戦略においてはどのような課題を感じられていますか?

嬉内:
長寿化や脱炭素化といった社会的な環境変化を信託の力で支える当グループでは、三井住友信託銀行をはじめ堅調に事業が拡大しています。これらの事業を構成する金融サービスにはITシステムが必須であり、当社に寄せられるシステム開発・保守のニーズも年々高まっており、人員の増強が喫緊の経営課題となっているのです。実際、新卒採用の人数はこの数年、毎年1割ずつほど増え続けています。

ということは、採用人数の拡大が貴社の人材戦略にとって最大の目標であるということでしょうか。

嬉内:
採用人数は確かに重要ですが、この指標だけを重視しているわけではありません。仮に人数だけを考えれば年間100人でも採用したいところなのですが、それでは当社の人材戦略の特長である「人材育成」「ワークライフバランス」が不十分になってしまいます。当社の採用では入社時点のITスキルより、金融×ITとの当社の特徴を学生自身のやりがいと捉えられるマインドを重視しています。文系が占める割合は50%を超えますが、その分入社後の教育にしっかり時間をかけており、SEとしての専門性を身に付けられる育成環境があります。また、ワークライフバランスや福利厚生制度を充実させることで長く働ける環境を用意しています。この教育と環境を維持できる範囲で採用人数を増やしていくことが、当社の人材戦略のポイントと言えるでしょう。

非常に人を大切にする採用を実施されているのですね。

嬉内:
無理して増員しても、育成に支障が出て社員が辞めてしまうのでは本末転倒ですから。おかげさまで当社はIT企業としては非常に離職率が低いのですが、それもこうした採用・育成方針が奏功しているのではないか、と思います。

オンラインと対面を組み合わせたインターンシップで理解度を向上

採用活動において、貴社が大切にされているポリシーについて教えていただけますか。

嬉内:
当社では、金融サービスをITで実現していく仕事に対してやりがいを感じてくれる学生を採用し、長く働いていただくことを目指しています。そのためにも、採用活動においては金融系・ユーザー系IT企業としての仕事のやりがいや面白さをしっかり伝え、興味を持っていただくことが最も重要なミッションであると考えています。

いわゆるマッチングの向上に向け、具体的にどのような施策をとられているのでしょうか。

真木:
対面で話す機会を大切にするということは、当社の特長のひとつではないかと思います。コロナ禍以降、オンラインのみで採用活動を完結する企業も増えていますが、当社は疫病の流行状況に合わせながら、可能な限り対面コミュニケーションを確保しています。私たちにとっても対面で話すことは学生の人となりを理解する上で重要ですし、また学生にとっても、当社がどのような会社であり、どのような人が働いているのかを知るには、対面で話すのが一番ですよね。そこで当社が重視しているのが、オンラインと対面を組み合わせたインターンシップをはじめとする採用イベントです。

オンラインインターンシップと対面イベントはどのように組み合わせて実施されているのですか?

真木:
まず、第一弾となるオンラインインターンシップは当社に興味を持っていただく最初の場と位置付けており、応募者にとっては極力ハードルの低いイベントにしたいため、場所や人数制限の少ないオンライン開催にしています。内容は、金融系SEとはどのような職業かという初歩的な紹介です。当社はメガバンクなどと比べると知名度の高い企業ではありませんし、三井住友トラストグループの中でも唯一のIT企業という特徴を持った企業ですから、まずは当社のことを知らなかった方に興味を持っていただくことが目的となります。

まずは広く情報を伝えるわけですね。

真木:
その通りです。そして、オンラインインターンシップに参加いただいた方を対象に、第二段階として実施しているのが「インターンシップフォローアップセミナー」という対面イベントです。こちらは、東京や大阪の会場に20名ほどの応募者が来場し、当社側からは若手からベテランまで幅広い経験を持つ先輩社員が参加します。学生と社員が自由にコミュニケーションをとれる時間を設け、当社のSEの業務内容、働き方、社風といったものについてより詳しく知っていただきます。

対面イベントでは、より深い相互理解を図るということですね。対面コミュニケーションならではの価値とはどのようなものでしょうか。

嬉内:
オンラインと比べると得られる情報量が多いので、選考の質が大きく変わると思います。学生にとっても同様で、当社に対する理解度がぐっと上がるのではないでしょうか。特に文系の学生にとって、ITとの専門性はややハードルが高く見えがちなのですが、会社全体でも過半数を占める文系の社員が実際にどうやって成長したかを直接伝えることは、リアルな安心感を与えられる効果があるでしょう。

真木:
数値として見ても、インターンシップおよびインターンシップフォローアップに参加いただいた学生は内定者の50%以上を占めており、当社の魅力を伝える良いツールになっていると考えられます。

嬉内:
面接官を担う社員の間でも、対面イベントへの参加者は当社への理解度や志望度が高い方多い、と口を揃えて話していますね。対面で先輩社員と話し、仕事や社風に納得した上で選考に進んでくれている学生なので、入社後長く活躍してほしいという我々人事の願いにも合致していると思います。

充実した労働環境も高い定着率の決め手

採用後の定着に向けた人事施策としては、どのような点に注力されていますか?

嬉内:
例えば、新人研修に関して言うと、入社後4か月半ほどの集合研修を通じてITと金融の基礎知識を学び、配属後も各現場に必要な業務知識・ITスキルについてより詳細にレクチャーを受けられる制度を整えています。プログラミングを学んだことがない学生でも、無理なくSEとしてデビューできる仕組みです。その後、入社後3年間のOJTを通じて一人前の金融系SEとして成長できる環境があります。もちろんその後も長期的にキャリアプランを構築できるよう支援を続けていますし、ワークライフバランスや女性活躍支援も充実しています。さらに、人生100年時代と言われる現代のライフプランを見据え、財形貯蓄、確定拠出年金、退職金といった制度がしっかり設計されていることも、長く安心して勤められるポイントと言えるでしょう。

定着率の高さも納得の、人材育成と一体化した採用戦略と感じました。最後に、今後の採用に向けての展望についてお話しいただけますか。

真木:
オンラインと対面のそれぞれの良い点を使い分けながら、学生に魅力を伝えていきたいと思います。当社に入社していただくことはもちろん、入社後もずっと「当社を選んでよかった」と思ってもらえるように、正しい情報発信を続けていきたいですね。人事担当の中では最も学生に近い世代なので、「話しかけやすい先輩」と思ってもらえるよう、こちらから積極的に話しかけることを心がけたいです。私自身が文系出身のSEだった経験も活かし、学生の不安を払拭できればいいな、と考えています。

嬉内:
先ほど少しお話した通り、当社では現在、採用数を拡大しつづけています。その一方で採用活動に使える当社の人的・時間的リソースも有限であり、採用目標の継続的な達成に向けては体制・仕組み両面で改善し続け、学生との密な接点を保ちたいと考えています。人的・時間的リソースの拡充も一つの手段ですが、HRテックを駆使した採用業務の効率化や高精度化も検討する必要があるでしょう。長く勤められる当社の魅力をより多くの学生に伝えるため、これからも最善を尽くしたいと思います。

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