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Interview

90年の歴史を誇る独立系SI・都築電気
デジタル+アナログの融合で貫く「相思相愛」採用

Published on 2022/04/01

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Profile

大塚 貴教Takanori Otuka

都築電気株式会社
人事企画部 人事企画課

2011年、都築電気株式会社に新卒で入社し、人事部へ配属。給与・労務業務を担当し、2年目より賃金制度改定プロジェクトにも参画する。2016年より新卒採用にも従事。2021年より経営戦略に基づく要員マネジメントなどの人事企画を主業務とし、その一環として新卒採用の総指揮を執る。国家資格 キャリアコンサルタント、GCDF-Japanキャリアカウンセラーの資格保有者。

1932年に創業した都築電気株式会社は、独立系SIとして国内で長い歴史を誇る企業のひとつ。近年はDX、AIといった最先端分野も積極的に開拓し、中期経営計画「Innovation 2023」では「イノベーション・サービス・プロバイダー」を目標に掲げます。このビジョンの実現に欠かせないのが、優秀な人材の確保。激化する採用競争を勝ち抜くために同社が辿り着いたのは、応募者をとことん大切にし、盤石な「相思相愛」を築くという戦略でした。徹底した合理的思考と飽くなき情熱で学生のハートをつかむ、人事企画部 大塚貴教様の挑戦に迫ります。

採用テーマに「相思相愛」を掲げる理由

まずは貴社の事業内容と特徴について、簡単にご紹介いただけますか。

独立系SIである当社の特徴は、大きく3つあります。第一に、2022年で創業90年という長い歴史があること。太平洋戦争、オイルショック、バブル崩壊、リーマンショック、そしてコロナショックのすべてを乗り越えて生き残っており、それだけ経営的な体力と技術的な適応力に優れている、といえると思います。第二の特徴は、技術領域が広いこと。通信ネットワークと情報システムの両面からサービスを提供できることは強力な競合優位性となっています。そして第三の特徴は、お客さまの業種に偏りがなく多岐にわたること。この特徴が、強い経営基盤にもつながっていると思います。

2021年3月期には中期経営計画「Innovation2023」を発表しています。この計画は人事戦略にどのように影響しているのでしょうか。

「Innovation2023」のコアとなっているのは、SDGsを軸とした「社会貢献の推進」と「DXサービスの推進」です。とりわけ後者はSIとしての成長に不可欠な要素であり、すでに当社ではAIやデータサイエンスといった先端領域の研究開発や、サービスの開発に取り組んでいます。

こちらの本社オフィスのロビーにも、たくさんの見ごたえある展示物がありましたね。

ありがとうございます。当社の先進的な事業内容を伝えると同時に、社員がより自律的かつ自由に働ける環境をつくるため、2021年にオフィスをリニューアルしました。人事戦略においてもこれまで以上に、DXなどの先端IT領域に柔軟に対応できる優秀な人材を採用したいと考えています。もちろん入社後の育成を前提に文系・理系学生ともに採用していきますが、ITの高度化に伴い人材要件も変化しつつあると感じています。

貴社の採用ホームページでは応募者との「相思相愛」を重視していると記載されています。この方針にはどのような意図が込められているのですか?

当社の新卒採用においては、企業名の認知度が低いことが長年の課題となっていましたが、ここ数年で採用広報に注力した結果、かなり改善されました。「健康経営優良法人(ホワイト500)」に4年連続で認定を受けたことや、2020年に東証二部から一部へ指定替えしたこともプラスに働いていると思います。とはいえ、超大手SIと比べれば知名度が高いとは言えず、採用にかけられる費用にも限界があります。そこで我々が重視したのが、一人ひとりの応募者とのつながりをトコトン深める「相思相愛」の戦略です。幸い当社の採用人数は数十名であり、超大手企業ほど多くはありません。可能な限り密にコミュニケーションをとることができる仕組みをつくり、手間を惜しまず真摯に向き合うことを大切にしています。結果として、内定承諾率だけでなく、入社後の定着率の向上にも効果があると考えています。

インターンシップは「就活すべてのノウハウを体感する場」

「相思相愛」の採用を実現するために、具体的にはどのような施策を展開されているのでしょうか。

コロナ禍以前は応募者・内定者と直接会うことでコミュニケーションを深めていたのですが、コロナ禍以降はそれができなくなり、「デジタルな環境でいかにアナログな関係構築を再現するか」を追求していくことになりました。そこで当社が特に注力しているのがオンラインインターンシップです。5月頃から12月頃にかけて継続的に1dayのオンラインインターンシップを実施し続けるという施策を行っています。インターンシップ参加者のうち一定数は早期選考に進んでいただき、早い方には翌年の3月頃から内定を出すという流れです。その後に別コースとして一般選考を行っています。

効果的なインターンシップを実施するために、どのような工夫を実践されているのですか?

参加者数を少人数にして、お互いがコミュニケーションを取れる環境をつくっています。オンラインであれば理論上何百人でも同時に参加できますが、それでは双方向のコミュニケーションをとることは困難です。都築電気のオンラインインターンシップでは、当社担当者1人に対して応募者4、5人を目安に実施しています。この人数であれば、参加者全員の名前をきちんと呼び、顔を覚えることもできますよね。

参加者が貴社の社員に感じる親密度も高まりそうです。

二つ目のこだわりは、インターンシップの「リピーター」を増やすための、ストーリー性を持ったプログラムづくりです。当社のインターンシップはいわば「就活すべてのノウハウを体感する場」であり、春から冬にかけて、順に就職活動に必要な知識を学んでいただき、成長していただくことを目的としています。具体的にいうと、春は自己分析、夏は仕事体験、そして秋冬は面接体感といった内容ですね。

学生のニーズをとらえた企画ですね。

ありがとうございます。とはいえ、内容に満足いただけなければリピーターはつくれません。そこで三つ目のこだわりが、「また参加したくなる質の高いコンテンツづくり」です。例えば当社のインターンシップでは、どの回でも必ず全参加者に対し一人ずつフィードバックを伝えます。人数の多いグループワークなどの場合、参加者個々人へのフィードバックは割愛されグループごとのフィードバックが行われるケースもありますが、当社ではそれはしません。あくまで一人ひとりの学生の就活に役立つアドバイスを、丁寧に伝えます。

しっかりマンパワーをかけてこその「相思相愛」なのですね。

マンパワーをかけるという点でいえば、インターンシップの参加者を確保するための広報にも相当の力を注いでいます。

採用広報はどのように実施されているのですか?

就活を始めたばかりの学生にとって、都築電気の知名度は高くありません。まずは当社のことを知っていただくため、合同説明会にはできるだけ多く参加し、就活メディアも複数活用しています。そして初期の広報では、都築電気の魅力以上に、インターンシップの魅力を重点的に訴求します。就職活動に対する不安は文系・理系を問わず多くの学生に共通した課題ですので、それに応えられる当社のインターンシップへの期待は大きいと感じます。ありがたいことにエントリー数は毎年増加傾向にあり、コロナ禍前と比べて2倍を超える数になりました。

中期経営計画に直結した採用企画を目指して

理系学生を採用するために行われている施策があれば、お聞かせください。

理系学生に特化した就活イベントに積極的に参加し、学部生はもちろん大学院生とも接点を増やしています。当社では今、AIやDXといった先端分野の事業も展開していますので、そうした分野で活躍できることもアピールしています。社員とフラットに話せるWeb座談会も設けているので、現場のリアルな話もそこで伝えています。

お話を伺っていると、非常に緻密な採用戦略を行われていると感じます。

実は泥臭いところもたくさんあるのです(笑)。例えば面接の合格通知は必ず全員に電話でおこない、合格の理由も伝えます。メールと比べるとものすごく手間がかかるのですが、これは当社の採用チームの伝統のようなもので、私が就職活動をしたときもやはり電話での通知でした。やはり、メールよりも心がこもっているように感じて嬉しかったのを覚えています。コロナ禍前には、面接前の控室で採用担当者が学生一人ひとりの身だしなみチェックをしたり、応援やアドバイスをしていました。そういう人情に厚い社風も、都築電気の魅力の一つなのかな、と思います。

まさにデジタルとアナログを融合した採用戦略ですね。最後に、今後の採用活動に向けた長期的なビジョンや目標についてお話しください。

私は現在、全社の要員マネジメントにも取り組んでおり、その一環として新卒採用、キャリア採用を最適化していくことがミッションです。要員マネジメントにおいては、自社に必要な人材要件の策定やコストコントロールと並んで、社員が幸福に働ける環境づくりも重要です。ダイバーシティ&インクルージョンの理念に基づき、誰もが長く幸せに働ける人事制度を実現していきたいです。採用戦略について具体的な目標を一つ挙げると、中期経営計画で掲げているDXビジネス推進に向け、時代の変化に対応できる柔軟性の高い学生をさらに多く採用すること。DX領域を体験できるインターンシップなど、当社の事業の魅力をしっかり伝えられる企画を考案しているところです。

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