2020年4月、株式会社メタルワンに入社。人事部人事組織ユニットに配属。現在、23年新卒採用の主担当者として採用企画、運営全般に携わる。
Published on 2022/03/11
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中島 大介Daisuke Nakajima
株式会社メタルワン
人事部 人事組織ユニット
2020年4月、株式会社メタルワンに入社。人事部人事組織ユニットに配属。現在、23年新卒採用の主担当者として採用企画、運営全般に携わる。
2003年に三菱商事株式会社と日商岩井株式会社(現双日株式会社)の鉄鋼部門が統合し、国内外で事業展開をしている株式会社メタルワン。国内屈指の鉄鋼総合商社としてグローバルナンバーワンを目指してきた同社は、2020年度からの中期経営計画で目標を「真の“グローバルNo1”」とし、従来の鉄鋼商社の枠組みを超えた新規事業の開拓に取り組んでいます。また、2021年度より人材戦略も刷新し、新卒採用においては「だから、志す」というテーマを掲げ、これまで以上に多様な人材を積極的に採用し始めているといいます。この変革期に、採用チームの中心人物として活躍するのが2020年新卒入社の中島様。「若手社員が挑戦できる社風」を自ら体現する中島様の「志」とは、どのようなものでしょうか。
まずは中島様のご経歴についてお話しいただけますか。
私は2020年4月に新卒で入社しました。入社前は自動車分野向け鋼材の営業として海外を飛び回る仕事を想像していたのですが、配属先として告げられたのは人事部でした。当初は自分の描いていたキャリアプランと違うことに、少し戸惑いも感じました。しかし、もともと私がメタルワンを志望した動機は「経営人材を目指す」というものでした。当社には職種を問わず経営的な視点と能力を持つ人材を育成・評価する社風があり、私も将来的には事業運営や会社経営に携わりたいと考えていた為、人事ほど会社全体を見渡し、経営の詳細を深く知りながら成長できる仕事はないと今は思います。
現在の主な仕事内容について教えてください。
入社以来、一貫して新卒採用に携わっています。現在の仕事内容は、企画から運営/実行まですべてで、上司や先輩社員をも巻き込みながら、優秀かつ多様な人材の獲得をめざしています。
入社2年目にして、非常に責任ある立場にあるのですね。
そうですね。しかしメタルワンには部署を問わず若手社員から挑戦できる社風がありますので、私だけが例外というわけではありません。特に採用チームは例年入社1~3年目の社員が中心となって活動する方針をとっており、2年目社員が主担当になることは珍しくないのです。
「若手が活躍できる会社であること」を、中島様ご自身が体現しているわけですね。学生に対しても説得力がありそうです。
ありがたいことにセミナーのアンケートなどでも「入社1、2年目の社員が採用活動の中心人物として活躍していることに心を惹かれた」という意見をいただけることがあります。
改めて、貴社について簡単にご紹介いただけますか。
当社は主に鉄鋼製品を取り扱う専門商社であり、国内の強力な基盤をベースにしつつ、アジアや北中南米、欧州など世界各地でビジネスを展開しています。2020年度からの中期経営計画では、「真のグローバルNo.1」を目標に掲げています。
「真のグローバルNo.1」とは、具体的にはどのようなものですか?
鉄鋼業界や商社といった業界の枠組みを超えて、No.1企業になるという意味が込められています。これまで培ってきた「鉄」に関する強みを活かしつつ、成長分野へシフトしていく取り組みや、次世代を担う事業開発を行うことが当社のビジョンです。これを実現するために、2020年には「事業開発部」、2021年には「デジタル変革推進部」を新設し、将来のメタルワンの新たな基盤となりうるビジネスモデルの構築や事業の企画立案に取り組んでいます。
事業変革期にあたって、人材戦略にも変化があるのですか?
はい、大きく変わっています。「経営人材になりうる資質を持った人材」という従来の人物像は受け継ぎつつ、今まで当社にいなかったタイプの多様な個性を積極的に採用しようという方針を立て、変化する環境の中において個性を活かしていけるような人材を当社は求めています。そうした思いを込め、採用テーマも「だから、志す」というものに変更しました。
2020年度からの中期経営計画以降、内定者の傾向に変化は表れていますか?
はい、早速表れています。具体的にいうと、それまでと比べて内定者の出身大学の幅が相当広がりました。もちろん以前も大学名にこだわって採用していたわけではないのですが、大学の偏りが生じてしまうのが実情でした。例えば2021年卒採用で入社した社員のなかには、大学院時代に特許取得経験を持つ理系人材がいるのですが、こうしたタイプは当社では珍しく、現在、新規事業開拓分野で活躍しています。
一年ですぐに結果が出るというのは驚きです。採用手法をどのように変化させたのでしょうか。
大きく変えたのは、採用広報の考え方です。採用活動を行う前提として、メタルワンは一般の大学生にとって広く知られた企業ではありません。そこで以前は、就活メディアの大規模セミナーなどに参加してたくさんの学生に知っていただくという手法をとっていたのですが、2021年卒採用からは「ピンポイントにアプローチする」手法を取り入れました。
ピンポイントなアプローチとは、具体的にどのようなものですか?
まず多様性という観点から、マス向けのセミナーではなく、理系学生や外国籍学生/外国人留学生のみが参加するセミナーに出展しております。そのようなセミナーの多くは少数でのセミナーとなるため、より密に採用担当との双方コミュニケーションを取ることをねらいとしています。その後、社員訪問などを通して当社の雰囲気などを伝え、フォローしていきます。
オンラインイベントにはどのようなメリットがあるとお考えでしょうか。
従来型の大規模セミナーと違い、人数を絞ることで参加者と密にコミュニケーションをとることができますし、座談会などを通して学生の「素」の姿も見やすいというメリットがあります。ここで人柄に魅力を感じた学生をインターンシップへの参加を促し、さらに当社との関係を深めるというのが基本的な戦略です。ちなみに当社ではセミナーを主催する外部企業を限定せず、さまざまな外部企業のサービスを活用しながら効果を検証しています。
インターンシップについてはどのような点に注力されていますか?
インターンシップでは、主にグループワークを通じて当社のビジネスを疑似的に体験していただくプログラムを実施しています。特に大切にしているのは、入社後にギャップが生じることがないよう、仕事の厳しさや泥臭い部分をリアルに伝えることです。
仕事の厳しい面とはどのようなものでしょうか。
商社に対して華やかなイメージを持っている方もいますが、実際のビジネスはそうではありません。むしろ非常にタフさが求められる職場です。例えば仕事に必要な情報一つ手に入れるために、徒労と言いたくなるほど足しげくお客様のもとに通い、信頼関係を築く必要があります。時にはお客様から厳しい言葉を頂戴することもあります。それでも最後までやりきるためには、目標を達成し会社を成長させたいという高い志がなくてはなりません。そのような高い志や想いを持つ人材に、当社を選んでいただきたいと考えています。
そうした現場の「リアル」は、イベントのなかでどのように伝えているのですか?
インターンシップの内容そのものへ反映されているのに加え、実際に営業としてタフに活躍している社員が登壇し、直接体験談をお伝えしたり、学生と話したりしています。中には「メタルワンとは合わない」と感じる方もいるかもしれませんが、入社後にギャップを感じるよりはずっといいですし、しっかりした覚悟をもって入社してもらうことにつながると考えています。
厳しさがある一方、「志」次第で若手のうちから活躍できるところも貴社の特色かと思います。中島様は2年目にして採用主担当者を務められているわけですが、この点についてはどのように感じられますか。
想像以上に自由に仕事を任せてもらえることに驚いています。1年目から当社の代表として学生の皆さんの前でプレゼンをする機会があったことにまず驚きましたし、昨年3月には採用ホームページ刷新の主担当となりました。2年目からは採用企画について自分でアイデアを出し、実行しています。若手からも積極的に挑戦できるこうした風土のおかげで、当社の採用チームは例年、それぞれ採用主担当が自分のカラーをフルに発揮できていると感じます。
ここまで中島様が手掛けた中で、特に手応えのある施策は何でしたか?
学生に高い評価を得ている社員訪問ネットワークサービスを利用し始めたことでしょうか。まだ導入から時間が経っていないため、定量的な結果は出ていませんが、コロナ禍で対面で社員訪問を受け入れることが難しくなっている中、学生を個別にフォローする上でより役立つと考えています。
貴社ではもともと社員訪問を重視されていたのですか?
はい、コロナ禍以前は毎年多数受け入れていましたし、メタルワンの採用活動の最大の強みである「人の魅力」を伝えるのに最適な施策だと考えています。私が学生時代に社員訪問をしたときにも「メタルワンの採用担当は、私を“就活生”ではなく“中島”という一人の人間として見てくれている」と強く感じました。具体的なエピソードとして、「会社全体のことをもっと知りたい」と相談したところ、課長クラスの方と個別に話す機会を設けてもらえたことがありました。ここまでしてくれる会社は少ないと思います。今後もオンラインでの社員訪問が主とはなりますが、可能な限り学生に社員の魅力を直接伝えられる場を設けたいと考えています。
最後に、今後の活動に向けての抱負をお聞かせください。
採用チームには「優秀かつ多様な人材を採用する」というミッションがあります。この目標を達成するためにも、今までにない新しい施策を積極的に立案し、実行していく必要があると考えています。そして採用活動の成功というのは1、2年で見えるものではなく、入社した社員の10年後の活躍ぶりを見て、はじめて成否がわかるものです。10年後に当社を良い未来に導いてくれるような人材を一人でも多く見出だし、採用すること。それが私の目標です。
Special Feature 01
人材データを蓄積し、その後の採用可能性につなげていく「タレントプール」。
新たな採用手法の実現方法を紐解きます。
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