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Interview

グループ合同採用を取り入れ、進化を遂げる。
富士フイルムイメージングプロテックの採用戦略

Published on 2023/02/24

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Profile

日ノ下 健Takeshi Hinoshita

富士フイルムイメージングプロテック株式会社
業務部 人事総務グループ 課長

1988年、富士フイルムイメージングプロテックの前身であるフジカラーサービス(当時)に新卒で入社。5年間生産機器の開発に携わったのち、1993年から写真製品の製造に従事。1996年、福岡に転勤し、デジカメや写真出力機のセールスエンジニアとして活動。2006年よりカラー写真ペーパーの販売デスクを、2008年より写真出力機の販売デスクを担当。2010年、富士フイルムに出向し、グループ会社に対するマネジメントシステムの推進業務に従事。2013年より現職。採用の他、人事制度の構築、労務、教育など人事全般を統括する。

富士フイルムグループにおいて長い伝統を誇るイメージング分野の事業を担う、富士フイルムイメージングプロテック。写真フィルムの現像やフォトブック等の出力・制作から、大型サインディスプレイの制作といった写真・画像に関わる事業のほか、ICカードの製造・発行や通信機器・ソフトウェアの開発など、多岐にわたる事業を展開しています。そんな同社の採用の特徴は、富士フイルムグループ各社との連携による効果的な母集団形成と、工場見学や2度の対面面接など、「リアル」にこだわった応募者コミュニケーション。人事総務グループの日ノ下様に、変革のときを迎えた採用戦略についてお話しいただきました。

受注量回復に伴い、新卒採用を強化中

富士フイルムグループは現在、医療機器や化粧品、ビジネスソリューションなど幅広い事業領域で目覚ましい発展を遂げていますが、社名が示す通り「フィルム・写真」に関わる事業は創業時から続く伝統的な事業として守り続けられています。それを担われているのが、まさに貴社という位置づけなのですね。

おっしゃる通りです。周知の通り、デジカメの登場以来フィルムの消費量は激減し、写真フィルムの製造・販売を行っている企業は、富士フイルムを含め世界的に見ても数えるほどしかありません。同時に、フィルム現像を手掛ける当社のような企業もかなり少なくなっているのが現状です。しかし、我々はたとえ最後の一社になったとしても、写真文化を守りたいと考えています。

写真文化に対する使命感と誇りを感じる言葉です。

写真というものは、人間が生活する上で必須である衣食住のうちには含まれません。しかし、写真を通して思い出を作り、受け継ぐことは、人生を豊かに彩る上で非常に大切な役割を担っています。デジタル時代の今、フィルム写真の良さを守ることは、当社に課された使命といえるでしょう。しかしその一方で、会社として成長を続けるためには、新しい事業にも挑戦しなければなりません。デジタルサイネージやICカードの製造といった、フォトイメージング以外の事業の柱を持っていることは、当社の強みだと思います。

そうした企業理念や事業戦略をもつ貴社において、採用戦略はどのように位置づけられているのでしょうか。

実は今、当社の採用戦略は大きな過渡期を迎えています。当社ではフィルム需要の低下に伴い採用人数を抑えている時期があったのですが、数年ほど前から受注量が上向きになり、採用人数を再び増やしつつあるのです。現在の社内は中堅世代がやや手薄になっており、これから新卒で入社する方は必然的に将来の幹部候補生として重要な存在になるでしょう。そのため、採用チームでは今、採用人数とマッチングを同時に向上させるため、新たな採用施策を積極的に取り入れているのです。

グループ合同で母集団を形成し、対面で丁寧にフォロー

新たに取り組んでいる採用施策とはどのようなものですか?

大学へのアプローチや就活イベントへの参加など、さまざまな手法にトライしていますが、最も大きな変化は富士フイルムグループ19社合同での採用活動に参画したことです。富士フイルムの名を関した企業が国内だけで100社近くある中で、学生に当社を見つけてもらうのは容易ではありません。しかし、合同採用に参加すれば、富士フイルムグループに興味をもってくださった学生に当社のことを広く知っていただけます。例えばグループ内の「製造事業」に特化したオンラインイベントに出演し、それを見て興味を持っていただけた方から個別にエントリーシートを提出していただく。その後は当社が個別に学生とコミュニケーションをとっていく、という流れです。

グループ合同で母集団形成をした上で、興味を持ってくれた学生をピンポイントでフォローする。富士フイルムブランドを活かした、非常に効果的な戦略ですね。貴社に対して個別にエントリーした学生とは、どのようにマッチングを図られているのですか?

まずはWebで会社説明会を受けていただき、当社の事業や社風について詳しい情報をお伝えします。興味を持っていただけた方には、続いて工場見学に参加していただきます。これはオンラインではなく対面です。

コロナ禍以降は選考のすべてをオンライン化する企業も増えていますが、工場見学はリアルで実施されているのですね。

もちろん感染対策は万全に行っていますし、クラスターは1回も発生させていませんので、安全性は十分に確保できると考えています。工場見学を重視する理由は、当社の事業にとって工場での製造が核であり、多くの方が工場で勤務することになるから。さらに写真が好きな方にとっては、写真製品の出力・製造を行う現場を見ることはとても面白い経験になるはずです。実際、「こんな方法で写真を作っているんですね!」と感動する学生は多いですし、そのような方はその後の面接に進むケースがほとんどです。逆に、工場の雰囲気に馴染めなかった方は離脱してしまうこともありますが、この時点でマッチングを確認できることはお互いにとって良いことだと認識しています。

製造現場を直接見せることが、貴社の魅力を訴求すると同時に、学生とのマッチングを確かめる基準にもなる、と。

さらに、工場見学は社員と学生との交流の場でもあります。工場を一通り見学した後、社員と学生が自由に話せる時間を設け、学生の質問にお答えしています。この交流を通じ、社員の雰囲気や仕事内容について直接知っていただき、共感いただけた方のみ、筆記試験・面接に進んでいただくしくみです。

面接ではどのような点に注力されていますか?

当社では面接を2回行っていますが、2回とも対面で実施しています。もとより採用人数も多くはありませんので、選考の効率よりも一人ひとりと丁寧に話すことを大切にしたいのです。面接において最も重視するポイントは、実直なコミュニケーションがとれる人柄ですね。粗削りでもいいので、しっかり人と向き合える人を採用したい。そういう雰囲気は、直接会って話すことで、感じられる部分も多いと思います。

チャンスに満ちた会社の魅力をもっと伝えたい

合同採用で母集団を確保した上で、それだけ丁寧にマッチングを図っていれば、入社後も定着する人が多そうですね。

嬉しいことに近年入社した若い社員は離職率も低く、休日に若手グループで一緒に出かけて写真撮影を楽しむなど、自分たちで親密なコミュニティを築きながら仕事を楽しんでくれています。入社後にギャップを感じることも少なかったと聞いています。

最後に、今後の採用活動における展望や、実施してみたい施策について教えてください。

当社は伝統ある事業を担う会社ですが、今後の発展に向けた新規事業の創出にも取り組んでいますし、企業規模も決して大きくありません。そのため、これから入社する若い方にとっては、いろんなチャレンジがしやすい環境です。また、富士フイルムグループ内の別企業に出向してキャリアの幅を広げるチャンスもあります。実際に私も、過去に富士フイルムに出向し、貴重な経験をさせてもらいました。我々人事としては、若い人たちがますます活躍し、成果が報われるような人事制度を拡充したいと考えていますし、そうした魅力をもっと対外的にアピールしなければなりません。たとえば近年、各社がこぞって注力しているインターンシップもその一つ。内容をもっと充実させて、より多くの学生とお会いしたいと考えています。

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