MENU

TOP  >  インタビュー  >  リアル/マイページによる関係育成。 YOMIKOのフェーズ別...

Interview

リアル/マイページによる関係育成。
YOMIKOのフェーズ別・採用マーケティング術

Published on 2022/09/16

VIEW 1828

Profile

加藤 詠子Eiko Kato

株式会社読売広告社
人事局 人事部

2006年、読売広告社に中途入社。人事局人事部にて、新卒採用をメインに各種人事部業務を担当。新卒採用では、採用戦略企画・設計やスケジューリング、選考方法の設計から運用までの一連を担当。インターンシップの設計運用や内定者に対するフォロー、研修・教育にも携わる。

1929年の創業以来、90年以上にわたって広告事業を展開してきた読売広告社。現在は博報堂DYグループの総合広告会社として、新聞、テレビ、雑誌、ラジオ、インターネットなど幅広いメディアを活用したプランニングや広告制作、イベント企画などを展開しています。そんな同社が採用において最も大切にしているのは、「顔の見える採用」。リアルな接点づくりにこだわると同時に、緻密なマーケティング戦略に基づく施策設計で学生のニーズに応え、応募者との関係育成を実現しているといいます。「採用はゴールではありません。入社した全員が幸せに活躍することが、私たちの目標です」と語る人事部・加藤様に、採用への想いと工夫について語っていただきました。

「仲間探し」だからこそ、リアルの接点にこだわる

まずは、加藤様のご経歴について教えていただけますか?

私は2006年に中途入社し、採用活動をメインに従事しながら、その他の人事業務も担当しています。採用業務としては、主に学生向けの新卒採用業務の企画から運営まで総合的に携わっており、内定者の入社までのフォローにも関わっています。私が入社した当初の採用人数は15~20名ほどでしたが、少しずつ増加し、近年は毎年25~30名ほどを採用するようになりました。採用人数の増加に伴って新たな施策も積極的に取り入れており、2009年からは会社説明会を、2016年からはインターンシップを開催するようになりました。

人材領域で長くご活躍されているのですね。貴社の採用チームが大切にされているポリシーはどのようなものですか?

「ONE TEAM」というキャッチフレーズを掲げて採用活動に取り組んでいます。一人ひとりの能力と責任のもとにチームが一丸となって、当社よりも大きな規模の会社と戦っていく。そんな想いが、この言葉には込められています。またこれは、採用チームだけでなく、読売広告社全体の社風を反映した言葉でもあります。

具体的な施策を立案・実施する際には、どのようなことを大切にしていますか?

読売広告社では採用を「仲間探し」ととらえています。大切なのは採用すること自体ではなく、入社した社員がその後長く一緒に働いていけること。そのためにも、採用活動を通して当社の社風や雰囲気、また働き方をきちんと伝えることが重要です。なるべくリアルの場で直接会って話せる場を設け、オンラインの場合にもしっかり互いの顔が見える環境づくりに取り組んでいます。

緻密なスケジューリングで、採用マーケティングを実現

貴社では年間を通じて非常に緻密な採用スケジュールを作成されていると伺いました。その理由は何でしょうか?

当社の採用チームは少人数ですし、採用以外の人事業務も兼任しているため、無理なく仕事を遂行するためには長期的な予定をしっかり立てる必要があります。また、マーケティング戦略を意識し、学生の時期ごとのニーズに応えて施策を展開していくためには、長期的なスケジューリングが欠かせません。目標は、インターンシップから内定者フォローまで、可能な限り緻密に応募者との接点を作ること。当社では常に半年ほど先までスケジュールを作成し、いつ、どのような情報を出していくかを検討しています。

長期的な予定が見えているからこそ、イレギュラーな事態に対して柔軟に対応しやすいというメリットもありますね。そのようなスケジュールの中で、まずはインターンシップ期のイベント施策についてお聞かせいただけますか。

当社では2022シーズンから、夏季インターンシップをやめ、7月~9月に就活生応援プログラム「リクヨミ」と称するセミナーを開催しています。これは就活応援セミナー、業界研究セミナー、広告スキルワークセミナー、若手社員の座談会など、広告業界を目指す学生が段階的に広告会社の働き方や当社について等の多彩な情報を蓄積できるように設計したイベントです。ありがたいことにリピーターが多く、リクヨミをきっかけに、秋季に開催のインターンシップに進む方も多くいらっしゃいました。

インターンシップについてはどのような点に注力されましたか?

近年はインターンシップを完全オンライン化する企業も多くいらっしゃるかと思いますが、当社ではリアル開催にこだわっています。理由は先ほどお話しした通り、読売広告社の社風や社員の雰囲気を肌で感じ、納得感をもってご入社いただきたいからです。インターンシップには相当数の社員を投入しており、応募者が社員と直接会って話すことで、実際に当社で働くことがどういうことか?という明確なイメージを持っていただけるように努めています。

社員の協力が得やすいということは、採用活動における大きな強みになると言われます。その一方で、業務で忙しい社員を動員するのがなかなか難しい、と悩む採用ご担当者も多いようですが……。

もちろん業務との両立が前提ですので、なるべく多くの社員に少しずつご協力いただくことで、一人の社員に負担が偏らないよう注意しています。当社の社員は皆、自分たちが就職活動をしたときにも多くの先輩社員と出会って読売広告社を選んだという経験があるので、学生に対しても同じことをしたいと思ってくれる人が多いのかもしれません。この企業風土はこれからも受け継いでいきたいと感じます。

多様な接点を組み合わせ、応募者との関係を育てる

貴社ではマイページを活用した応募者との関係育成にも注力されています。貴社の採用活動において、マイページはどのような位置づけにあるのでしょうか。

セミナーやインターンシップは重要なイベントではありますが、すべての学生が参加できるわけではありませんし、参加した学生に対しても、継続して魅力の伝達や志望度の醸成を行っていく必要があると考えています。ですから、参加してくれた方や参加できなかった方をしっかりフォローし、次のアクションにつなげていくことがマイページの重要な役割のひとつです。具体的には、イベント開催後にはアンケートに書かれていた質問への回答を公開し、学生の疑問解消と同時に当社の向き合い方を補足するなど、イベント後でも情報公開できる場としてマイページを活用しています。

実際にマイページを拝見すると、かなり詳しく質疑応答が紹介されていますね。

ありがとうございます。セミナー内で質疑応答をする時間は限られていますし、手を挙げて質問できる学生も多くはありません。そうした方々も、アンケートでは率直に質問を書いてくれており、そのなかにはこの時期の多くの学生に共通する不安や疑問が含まれています。そうした情報をほかの学生にも共有することで、少しでも企業研究やエントリーシート作成に役立てていただければ、と考えています。

選考期では、本選考期に応募者との関係育成に向けてどのような工夫をされていますか?

細かいことですが、選考に参加いただいた方には必ずお礼のメールをお送りし、選考結果をお知らせする日程をお伝えするようにしています。また当社の面接では、面接官が面接内容に関するフィードバックやアドバイスを学生にその場で伝えることがあります。これは特にルールとして定められているわけではなく、個々の面接官の判断なのですが、やはり学生のニーズに応え、今後の就職活動に役立ててほしいという想いの表れだと思います。応募者からも、「あの面接官にいただいたアドバイスのおかげで、その後の面接がうまくいきました」といった感謝の声が届くことがありますね。

続いて、内定後のフォローについてはどのように行われていますか?

内定者に不安なく入社していただけるよう、毎月1度は必ず課題の提出を通じてコンタクトをとっています。課題の情報やフィードバックは内定者向けマイページで伝えています。内定者同士の交流も不安を払拭する上では欠かせません。コロナ禍でも顔の見える交流ができるよう、隔月でオンライングループトークを実施し、ビジネスマナーや社会人に向けての心構えなどについて学ぶ機会を用意しました。少人数で構成されるグループのメンバーは毎回変わるので、4回ほど実施すれば内定者全員が顔合わせできる計算です。そのほか、「人事とZoom!」と題した個別の面談も行い、入社に向けて抱いている不安や疑問について率直に話し合っています。

最後に、今後の貴社の採用に向けてビジョンや抱負をお聞かせいただけますか。

具体的な施策として考えているのは、今後もリアルなセミナーの回数を減らすことなく、積極的に開催していくことです。また、当社単体のセミナーや、広告業界のセミナーだけでなく、異業種コラボセミナーにも挑戦してみたいと考えています。当社の応募者は比較的女性が多いので、男性にもバランスよく応募していただくために、広告業界という枠にこだわらず新しい接点を作りたいというねらいです。そして長期的な目標は、入社後のギャップが生じない理想的な採用を実現すること。採用すること自体をゴールにするのではなく、入社したすべての社員が幸せな人生を送れるよう、工夫を重ねたいと思います。


関連記事

Interview

インタビュー記事一覧へ

Seminar

コンテンツがありません

セミナー一覧へ