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人材不足を背景に採用が高難易度化し、新たな採用手法が模索されている昨今。その中で関心を集めているのが、人材データを蓄積し、その後の採用可能性につなげていく「タレントプール」です。本記事では、タレントプールを実現するための3つのステップについてご紹介します。
同シリーズの前回の記事はこちら:
タレントプールをはじめる前に――ツールの選び方
タレントプールの適切な運用には、ツールの選び方も重要です。タレントプール特化型のシステム等も登場していますが、将来の採用につなげる効果的なタレントプールを実現するには、以下のポイントが揃っていることが求められます。
・候補者データを精緻に蓄積できること
・候補者情報を最新化するための機能が備わっていること
・情報発信や接点創出のためのプラットフォームやツールが揃っていること
具体的には、候補者専用のマイページにアンケートを表示させ、回答してもらうことで情報が最新化できる機能や、属性別にコンテンツを出し分けできる機能などがこれにあたります。最近ではマイページ機能付き採用管理システムをタレントプールに活用する事例も増えており、CMS(コンテンツマネジメントシステム)で制作したコンテンツを発信しているケースもみられます。
タレントプール 3つの実現ステップ
人材獲得競争が激化する時代における新たな採用手法として注目されているタレントプールですが、他にもさまざまな背景があります。ここでは、タレントプールが注目される背景とメリットとあわせてご紹介します。
プールする対象者と項目を決める
新卒採用で接点をもった候補者と一口で言っても、内定辞退者なのか最終面接の不合格者なのか、選考応募者なのか、未応募者まで含むのかを決める必要があります。内定辞退者や後半の選考まで進んだ人のほうがマッチング度は高いかもしれませんが、新卒時よりもスキルアップしている可能性もあるほか、当時はあまり興味がなくて未応募だった候補者の中で、現在は興味をもってくれる候補者がいる可能性もあります。このような可能性を考慮したうえで、自社のニーズにあわせ、適切なラインを設けることが重要です。しかし線引きに迷ったときは広めの範囲を対象にし、アプローチや案内時にはさらに絞った対象者に行う、というやり方も可能です。
また、どのような項目をデータベースに蓄積していくか、もあわせて決定します。氏名、年齢、連絡先等の基本情報に加え、「当時の応募職種」や「選考評価」など、対象者に合わせた項目を設定します。
タレントプール(データベース)を構築する
プールする対象者と項目のデータを決めたら、ツールやシステムにデータを入れていきます。タレントプールは、求める人材や候補者層を検索・抽出できたり、ある属性に絞ってアプローチできることが必要です。ただデータを入れておくのではなく、システムの機能や仕様を理解し、使いやすい状態に整えておくことが重要と言えます。
情報発信やイベント案内の内容・頻度を決め、運用していく
タレントプールが出来上がったら、プールした人材へのアプローチを開始していきます。例えば数か月に一回などのペースで、新製品等のプレスリリースの発信やメディアに出た際のお知らせ、最新の取り組みなどを発信するケースが多いようです。また、興味・関心度が高まった状態でカジュアル面談やイベントに案内するケースもみられます。
最近では、候補者のアクションを数値化して興味・関心度合いの得点を加算していく「スコアリング機能」を搭載したツールも登場しています。候補者とゆるやかに接点をもち続けることを意識し、自社にとって最適な運用方法を見つけていきましょう。
また、候補者の情報を最新化しておくことも重要です。例えば、新卒採用の辞退者の場合は、大学のメールアドレスが連絡先に登録してあることが多いため注意が必要です。アンケート等を実施し、現在の業界・職種や興味のあるテーマ、どのような情報を知りたいか、などを把握しておくことは、その後の効果的な接点づくりにつながります。
このように、3つのステップでタレントプールをスタートし、継続的な運用を行いながら、一定期間で効果検証や振り返りを行い、運用の在り方を微調整していくことが有効といえるでしょう。
まとめ
今後のアプローチに活かせるデータを蓄積するタレントプールですが、意識したいのは、あくまで「中長期的」かつ「ゆるやかな」接点をもつためのものだということです。転職意欲や企業理解が高まっていないのにもかかわらず強いアプローチを重ねてしまうと、関係性がうまく構築されないかもしれません。情報発信やアンケート取得の際には、「いろいろな情報を発信するので、少しでも興味があれば登録してくださいね」というスタンスで接点づくりを行うこともポイントのひとつと言えそうです。
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