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Interview

一度接点をもった応募者を選考につなげるために。
長谷川香料が実践する「志望度の高め方」

RECRUITMENT

Published on 2024/09/20

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Profile

齋藤 充史Atsufumi Saito

長谷川香料株式会社
人事部

2014年に新卒で入社。食品用フレーバーの営業として、数多くの食品メーカーを担当する。2021年7月、営業経験を活かして学生に自社の魅力を伝えたいと考え、人事部に異動。現在は新卒採用業務をメインに取り組む。

大宮 梨佳Rika Ohmiya

長谷川香料株式会社
人事部

食品スーパーでの販売および新卒採用業務を経て、2023年9月に入社。人事部で新卒採用に携わる。前職での採用経験と、食品業界に関する幅広い知識を活かし、学生に香料の魅力を伝えることを大切にしている。

長谷川香料は、食品用フレーバーや化粧品・日用品用フレグランスといった香料の総合メーカーとして、国内第2位のシェアを誇るリーディングカンパニーです。新卒採用においては応募者とのミスマッチ防止に注力し、「手書きのエントリーシート提出」や「面接前の動画視聴および座談会への参加」を必須にするなど、学生との接点を確実に重ねていく施策を実施しています。企業・応募者双方があえて時間をかけて向き合うことで丁寧に相互理解を深め、質の高い選考を実現する。効率重視の今こそ参考にしたい採用戦略について、人事部のお二人にお話を伺いました。

※所属・内容は取材当時のものです

全員参加の座談会で志望度・理解度を劇的に向上

まずは改めて、貴社の事業についてご紹介いただけますか。

大宮:
当社はさまざまな食品に使われているフレーバーや、シャンプーなどの日用品・化粧品に使われているフレグランスを開発・製造・販売している総合香料メーカーです。創業以来120年以上の歴史をもち、国内シェアは2位、世界シェアは10位に位置しています。

齋藤:
ちなみに近年は海外での売上比率が急速に高まっており、2019年9月期には34.4%だったのが、2023年9月期には46.5%にまで伸びました。

貴社のマイページでは「香りで世界を動かせ。」という採用コピーが使われていますが、まさに世界を動かすビジネスというわけですね。

齋藤:
香料とは、最終製品の中で占める割合が非常に小さい、ニッチな製品です。そんなマニアックな製品で世界を目指せる面白さを学生に伝えたいと考えていて、求める人物像の中でも、「香料に興味がある」という点を非常に大事にしています。

貴社では学生とのマッチングを重視し、自社への理解を十分に深めた上で選考に進んでもらえるよう、さまざまな工夫を凝らしていると伺いました。

大宮:
特徴的な施策としては、書類選考合格者を対象に、参加必須の座談会を行っていることが挙げられるでしょう。さらに、座談会の前には職種紹介動画を視聴していただいています。当社は長年職種別採用を実施しており、動画も座談会も職種別に用意しています。

確かに、選考が始まったばかりのタイミングで対象者も多い中、これほど時間をかけてイベントを行うケースは少ないと感じます。応募者・企業双方にとって時間や手間のかかる施策と言えますが、これをあえて実施する狙いはどこにあるのでしょうか。

大宮:
当社への疑問が残ったまま選考に進むことは、学生にとって不安なことだと思います。それをなるべく早い段階で解消し、当社への理解を深めた上で選考を受けていただきたいのです。

齋藤:
職種紹介動画は、営業、研究、製造、事務の4職種に分かれており、それぞれ40分程度の映像です。これを見れば、企業情報、香料の魅力、そして各職種の仕事内容がほぼ理解できる内容となっています。会社と仕事の基本を押さえた上でオンライン座談会にご参加いただくことで、スムーズに当社の社員と話ができるわけです。

職種別座談会を実施する上ではどのような工夫をされていますか?

齋藤:
当社の現場社員は3名が参加し、20名ずつのグループに分かれた学生が、それぞれの社員と20分間質問ができるというしくみです。どの社員も学生からの質問に対して非常に丁寧に対応しており、学生にとっては会社や仕事の詳細を知るだけでなく、社員の魅力を感じてもらえる機会になっているのではないか、と思いますね。もちろん、リアルな仕事の話を聞くことで、「この仕事、この社風は自分には合わない」と感じる学生もいると思いますが、それも含めて自己分析に役立てていただければいいな、と考えています。

座談会を実施することによる効果は、どのように感じていらっしゃいますか?

齋藤:
大半の学生は、座談会で社員と話して会社・職種への志望度が高まったと話していますし、当社の事業、仕事、社風について十分ご理解いただいた上で面接に臨んでくれていると感じます。また、座談会参加者には出席フォーム上でアンケートをとっており、ここに書いてもらった感想は面接官に引き継いでいます。座談会の話をきっかけに当社や職種に対する考えを質問することで、質の高い面接ができています。

母集団の数だけではなく、接点をもった学生をしっかりと次につなげていくことを大切にされているのですね。

熱量の高い学生を見極める手書きエントリーシート

手間をかけるといえば、貴社は手書きのエントリーシートを必須とされていますね。近年はWebで入力を行うエントリーシートが主流になっていますが、なぜ手書きなのでしょうか。

齋藤:
エントリーシートを手書きにするというハードルをあえて設けることで、志望度の高い学生に応募してほしいと考えています。実際、毎年たくさんのエントリーシートを読ませてもらっていますが、熱量の高さを感じるものがとても多いです。特に最終面接に進む応募者のエントリーシートは例外なく素晴らしいものばかりで、当社のことをよく調べてくれたことがわかります。手書きだからこそ伝わる熱量は、選考における重要な判断材料ですね。

Webコンテンツを通じた情報発信も積極的に行われているということですが、どのようなものですか?

大宮:
一般に公開している採用サイトとは別に、マイページ登録者のみ閲覧できるマイページでさまざまなコンテンツをアップしています。例えば香料についてわかりやすく学べる漫画コンテンツや、仕事紹介動画などです。香料というものは、一般の方にはあまりなじみがありません。実際に匂いを嗅いでいただければすぐ魅力が伝わるのですが、嗅いだことがない人に興味を持ってもらうためにはWebを通して魅力を伝えることが大事だと考えています。

マイページコンテンツの反響はいかがですか?

大宮:
多くの方にご覧いただき、当社を志望するきっかけになっているようです。例えば動画を見て香料に興味を持ち、「香料体験会」という1day仕事体験イベントに参加してくれる方もいますね。また、4職種の中でも最もイメージがつきにくい製造職の応募を増やすために、工場の環境や社員が働く姿をコンテンツにまとめたところ、製造職への応募も増えてきました。

インターンシップ等のリアルイベントもさらに強化

最後に、今後の採用に向けての目標や抱負について教えてください。

大宮:
当社はB to Bの素材メーカーなので、学生に見つけてもらうことが比較的難しい会社だと考えています。多くの学生は、食品メーカーなどを探すうちに香料の存在を知り、当社を見つけてくれますが、一発で長谷川香料にたどり着く方はなかなかいません。より多くの人に当社の、そして香料の魅力を知ってもらえるよう、もっと工夫が必要だと思います。例えば先ほどお話しした香料体験会のようなイベントはもっと増やしていきたいですね。また、一度当社を知ってくださった方の興味を持続し、選考に残ってもらう努力も引き続き欠かせません。マイページコンテンツをこれまで以上に積極的に活用し、会社の魅力を発信し続けていきたいです。

齋藤:
「香料」という強みに加えて、「社員の魅力」についても広く伝えるため、イベントを増やしていきたいと考えています。幸い現在はコロナ禍も収束し、リアルイベントも開催しやすい状況になりました。香料体験会のようなイベントやインターンシップをもっと豊富に企画し、人事部以外の多くの社員と接点が持てる機会を設けたいですね。


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