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Interview

応募者主体の施策で両思いの採用を実現。
日本事務器が重視するマッチングのプロセス

RECRUITMENT

Published on 2025/02/21

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Profile

澤田 直子Naoko Sawada

日本事務器株式会社
人事部エンプロイーサクセスG

2001年、新卒入社。システムエンジニアとして5年間経験を積んだ後、人事部に異動。採用業務及び社員教育の企画・運用等を担当する。近年はオンライン学習プラットフォームの導入や人材ポートフォリオの作成に携わるなど、幅広い領域で活躍中。

1924年創業の日本事務器株式会社は、2024年2月に創業100周年を迎えました。創業当初は事務機器の提供を通じて業務効率化に貢献していた同社は、時代の変化に伴って事業を進化させ、現在では多業種のお客様にICTを用いたトータルソリューションを提供しています。求める人物像にマッチした人材を採用するため、面接で応募者の経験を深掘りしているほか、3つの「選べる選考フロー」を用意。魅力的な採用施策を用意することにより、応募者は選考の過程で日本事務器への志望度を高めています。人事部エンプロイーサクセスGの澤田様に、応募者の心を惹きつける採用施策についてお聞きしました。

変化に対応し、自分でレールを敷ける人材を求めて

まずは、貴社の事業内容についてご紹介いただけますか。

当社は、社名からもわかるように「事務機器」の提供からスタートした会社です。1924年に創業し、2024年2月に100周年を迎えました。時代の変化に伴って事業内容も進化し、現在はICTを用いたソリューションにより、お客様の経営効率化や業務効率化などの課題解決に尽力しています。ヘルスケアやサービス業、製造業、流通業、さらには大学図書館や通販業など多業種のお客様とお取引しており、コンサルテーション、企画、設計・構築、導入、その後の運用・監視やヘルプデスクなど、さまざまな職種の社員が連携を図りながらITトータルソリューション&サービスを提供しています。

また、当社は創業当初から「お客様と直接向き合うこと」を大切にしています。海外拠点のシンガポールも含め、国内外に41箇所拠点があり、それぞれの拠点で地域に根ざした営業活動を展開しています。一方、世の中の変化に迅速に対応する姿勢も根付いており、常にお客様にとって「価値ある企業」「必要な企業」であり続けるために、変われる体質であることを重視しています。

100年という長い歴史の中で、変化に対応する体制を築き上げてこられたのですね。新卒採用では、どのような人材を求めていらっしゃるのでしょうか。

「自分でレールを敷ける」「高い専門性と幅広い好奇心」「リーダーシップとチームワーク」「グローバルに通用する」を求める人物像に掲げており、これらは社員に対して求める姿勢でもあります。特に「自分でレールを敷ける」は、当社が事業を展開していくうえで非常に大切なマインドです。そのため、選考では十分な時間をかけて見極めています。

「選べる選考フロー」で、両思いの採用を実現

「自分でレールを敷ける力」を見極めるために、採用施策で工夫されていることはありますか?

新卒採用はキャリア採用とは違い、ポテンシャルを評価しています。そのため、選考時点でどのようなスキルを備えているのかを判断するのではなく、入社後に成果を発揮できる資質があるか、というコンピテンシーの視点で応募者を評価しています。具体的には、面接で応募者の経験を深掘りし、「自分で考え、周囲の人々を巻き込みながらものごとを進めていった経験」をお聞きしています。事前に適性検査を実施しており、面接では、適性検査で見えてきた行動特性をベースにして質問を投げかけています。そのため、応募者自身が「聞いてほしい」と思っている質問をピンポイントで聞くことができ、応募者からも「自分が話したいと思っていることを上手に引き出してくれた」という声をもらっています。

貴社は、複数の選考フローから応募者自身が選択できる「選べる選考フロー」を実施されています。どのような経緯で導入されたのでしょうか?

一般的な面接の場合、応募者が面接官の質問に対して答えることから、どうしても受け身になってしまいがちです。そのため、アピールしたいと事前に考えてきたことを伝えられないまま、面接が終了してしまうことがあるかもしれません。ならば、応募者自身がこれまで頑張ってきたことをアピールできる選考フローを設計しようと考えました。複数回の面接で選考する「通常選考コース」以外に、「これだけは負けない!」という経験や実績をアピールする「アピール選考コース」、「ITを使ってこんなことをやってみた」という経験や実績をプレゼンする「ITチャレンジ選考コース」を用意し、応募者自身が選択して選考に参加いただいています。

応募者が自分でアピールしたい内容を考え、資料にまとめて主体的にアピールする。この行動から、「自分でレールを敷ける」力が備わっているかを判断することができると考えています。つまり、選べる選考フローは、求める人物像にマッチした人材を採用するために導入した採用施策でもあります。

応募者の皆さんに非常に好評だと伺っています。

アピール選考コースやITチャレンジ選考コースでは、応募者が作成した資料をモニターに投影しながらプレゼンをするため、「アピールしたいと思っていたことを存分に伝えることができた」という達成感や充実感があるようです。そもそも、プレゼンの準備をするために多くの時間を割くのですから、準備をするプロセスで当社への理解が深まり、さらには志望度が高まる効果もあります。多数の資料を用意して、一生懸命にプレゼンをしてくれる応募者も多く、「応募者の皆さんと当社が両思いになりやすい」という意味でも良い選考フローだと感じています。

応募者の皆さんは、どのような経験をアピールしていますか。

例えば、ある応募者はアルバイト先でマーケティングを行い、店舗の売上向上に貢献したエピソードをプレゼン資料にまとめてきました。「お店に貢献したい」「お客様のために良いサービスを提供したい」という思いやそのために行動した事実がしっかりと伝わってきて、「当社に入社したら、きっとお客様に寄り添いながら課題解決に貢献してくれるだろう」とイメージできました。

SNSで日常の様子を発信し、継続的に志望度を高める

貴社の選べる選考は、「応募者の志望度を高める」という意味でも非常に有効な採用施策であることが伝わってきました。

当社はBtoBのビジネスを展開しているため、応募者の皆さんにとって理解しづらい側面があります。就職活動当初から当社を志望する応募者は少なく、だからこそ、選考のプロセスで志望度を高めてもらうことが大事だと考えています。また、先程お話したようなに、適性検査で応募者を理解したうえで面接に臨み、経験を深掘りすることで、応募者は「自分のことを理解してくれている」と好印象を抱いてくれるようになります。そして、「話したいと思っていたことをアピールできた」「選考を通じて日本事務器のことがどんどん好きになった」といった印象が積み重なっていき、内定承諾に至っているのだと思います。

面接での深掘りや選べる選考フロー以外に、貴社への志望度を高めるために行っている採用施策はありますか。

当社では、取り組みやイベント情報についてSNSを通じて積極的に発信しています。例えば、創業100周年を記念し、お客様やお取引先様をお招きした感謝会を開催するとともに、社員向けの記念行事も実施いたしました。その様子をSNSに掲載すると、応募者の皆さんが「SNS見ました」と反応してくださいます。「継続的に更新されているのを見て、信頼感のある会社だと感じました」とおっしゃる方もいて、応募者にとって身近なメディアで情報発信を行う重要性を感じています。

SNSで社員の皆さんの「日常の様子」を知ることで、応募者の皆さんは貴社への志望度をさらに高めるのではないでしょうか。

ありがとうございます。当社は新卒で入社し、定年まで勤め上げる社員が非常に多いのが特長です。社員が辞めない会社だからこそ、100年続けることができているのかもしれません。私自身も新卒で入社し、結婚・出産を経て20年以上勤務しています。OB・OG会もあるなどまるで大きな家族のようなコミュニティで、採用広報を通じてこういった当社ならではの雰囲気も伝わっているかもしれません。当社の社風は「今どき」ではないかもしれませんが、これが私たちのありのままの姿です。そういう意味でも、SNSでの情報発信は、応募者とのマッチングを高める効果があるのだと思います。

最後に、今後の採用活動に関してご展望をお聞かせください。

理想の仕事や働き方を求めている応募者と、理想の人材を求めている当社が「両思い」になることが、当社にとって理想の採用活動です。大きな母集団を形成して、そこから人数を絞り込んでいくような考え方ではなく、できることなら、マッチング度の高い30人と出会い、全員に入社してもらえるような採用活動を展開したいと思っています。そして、これからも変わらずに応募者の皆さん一人ひとりに寄り添った採用活動を行っていきたいと考えています。

もちろん、応募者とのより良い出会いを実現するには、まずは学生の皆さんに当社を知っていただき、当社に魅力を感じていただくことが大切です。「自分がやりたいと思っているキャリアや働き方を、日本事務器なら実現できる」と感じていただくために、どのような施策が効果的なのか、引き続き模索していくつもりです。


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