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双方にとって実りのある体験に。魅力的なインターンシップとは

シリーズ|インターンシップを考える

Published on 2019/10/24

近年、新卒採用向けのインターンシップが会社の規模を問わず多くの企業で実施されています。早い時期からインターンシップ情報を提供するサイトも増え、それにともない学生の動きも早期化しています。近年はそのプログラム内容も企業によってはかなり多彩になりつつあり、企業と学生双方にとって、意義ある機会にすることが重要となっています。今回はインターンシップの実施を採用の成功に結び付けていくために、学生にとって魅力的なインターンシップとは何かを考察していきます。

 

 

インターンシップの種類

インターンシップは大きくわけると、実践型の長期インターンシップと体験型の短期インターンシップがあります。長期インターンシップは職場に実際に学生を配属して、主に1ヶ月~数ヶ月間実務に取り組んでもらうものであり、週何日以上と出勤日数が決められているケースがほとんどです。

短期の場合は大きくわけると以下の2タイプがあります。

 

 

●セミナー、見学会タイプ
職場体験や会社の見学などを1日~数日間実施します。社員との交流会などをおこなう場合もあります。

 

●ワークショップ(問題解決)タイプ
グループでひとつの課題に取り組むワークショップをおこなうタイプです。実施期間は2週間など中長期的なものも多く、評価や表彰などが実施されます。

 

 

学生の集客が難しい中小企業は短期型インターンシップが適しています。自社に必要な人物像が明確である、あるいは選考プロセスのひとつとして実施する場合は「セミナー型」だけでなく、ある程度人物を評価できる「職務実務型」や「ワークショップ型」を組み合わせるなど、採用方針にあわせてアレンジしていくと良いでしょう。

学生にとって魅力的なインターシップとは -日数-

HR総研「2020年新卒学生の就職意識調査結果」によると、実際に学生が参加しているインターンシップは最多が1日タイプで、文系理系とも7割以上が参加しています。

●参加したインターンシップのタイプ上位

1位 1日タイプ(文系の73%、理系の74%が参加)

2位 2~3日タイプ(文系の57%、理系の39%が参加)

3位 半日タイプ(文系の47%、理系の34%が参加)

学生が望ましいと思うインターンシップは「2~3日」が最多ですが、会社説明会との差異について指摘されることも多い、1⽇タイプのインターンシップ(1dayインターンシップ)も、学生には概ね好意的に捉えられているようです。一定の期間で多くの企業インターンシップを体験したい学生にとって1dayインターンシップは合理的であり、企業としても認知向上~母集団形成に有効なことから、今後も増加することが予測されます。

中長期のインターンシップを実施する企業は、2週間程度のプログラムを実施することが多いようです。しかし、アンケート結果によると2週間程度のインターンシップは学生の満足度は高いものの、実際に参加した学生から「期間が短い。社員の方と仕事内容について意見を交わせる頃に終わってしまった」「夏休みまるまる使っても良いから、成果を追及できるインターンシップの方が良い」などの声もあり、実際に実務の中から成果を出してもらいたい場合は1ヶ月未満の期間では、学生・企業ともに満足感が得にくいという傾向も出ています。一方で、参加を考えたのに応募をしなかった学生の理由は「日程が合わなかった」が多く、期間が長いプログラムは応募段階で敬遠される面もあるようです。

学生が志望業界をどのくらい絞り込んでいるかによってもインターンシップの長短に対する感覚は変わってきますが、企業としては集客を優先するならばあまりに長いプログラムは避け、長期のインターンシップを実施するとしても最初は短い日程で募集し、段階的に中長期インターンシップを組み込むなど工夫をする必要があるでしょう。

学生にとって魅力的なインターンシップとは -内容-

インターンシップの魅力は、その企業のリアルを感じられるプログラムにあります。仕事現場の生の姿を学生に見せること、実際に体験してもらうことがポイントです。3日程度の短期インターンシップであっても、講義だけでなく職場見学や就労体験をできるだけ組み込むことが望ましいといえます。2週間程度のインターンシップになると、ある程度の職務体験は可能です。ただ、実務の中でアウトプットを出すのは難しいため、部分的な業務体験やグループワークを通じたプロジェクトの実践などが適しています。

いずれにしても、学生がインターンシップに求めるのは、「業界や企業とのマッチングを確かめられたか」「自分の成長や学びにつながる経験になったか」ということです。マッチングについては、関心がある業界や企業で実際に体験する自分を通じて、雰囲気や仕事内容における相性、職種における向き不向きを判断できます。そのために、現場の社員と触れ合う機会を設定したり、実際の仕事のリアリティを感じられるプログラムを用意したりすることが重要です。

また就職活動の一環という意識のもと、社会における接点を体験することによって、学生は働くことそのものに対する考えを深め、今後の自己分析に役立てたり、自分のキャリアに対する想いを再認識したりと、新たな気づきを得るきっかけにもなります。学生に評価や表彰を与えるタイプのインターンシップにおいては、フィードバックまで実施することも一例です。学生は自分のキャリアや今後の成長に生かすことができ、本格的な就職活動に向けて自信や士気の芽生えにも繋がるでしょう。

早期接点の創出や母集団形成をベースとしながらも、これらの姿勢や考え方が、採用活動の成功、ひいては中長期的な自社のブランディングにもつながっていきます。

まとめ

今後の採用とインターンシップのあり方については、現在、「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」等で検討されています。いずれにしても、インターンシップは、企業にとって自社に適した学生と早期に接点を持つことができる有効な仕組みであることに変わりはありません。今後も学生の成長にも寄与できる、自社らしさを追及したインターンシップのプログラムを検討、さらなるアップデートを実践していくことが重要です。


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