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応募者とのタッチポイント多様化からみる、インターンシップの目的とは

シリーズ|インターンシップを考える

Published on 2019/09/11

近年、新卒採用向けのインターンシップが会社の規模を問わず多くの企業で実施されています。すでにインターンシップ情報を提供するサイトもかなり増え、大手サイトには何千件ものインターンシップ求人が掲載され「インターンは1~2年生から始める」「インターンシップで人生が変わる」など学生の向上心を刺激するコピーが並んでいます。

2021年入社の採用では経団連が就活ルールを廃止することを発表し、代わりに政府が主導することになりました。3月採用情報公開・エントリー受付スタート、6月選考開始というこれまでのルールは踏襲されるものの、2022年入社以降の新卒採用スケジュールが現時点で不透明なこともあり、採用強者と呼ばれる一部の企業を除き、多くの企業はますます採用を早期化していく可能性があります。

このような採用市場の変化にともない、学生との大きな接点であるインターンシップは、今後どのような影響力を持っていくのでしょうか? 本記事では、日本におけるインターンシップの歴史を踏まえながら、企業、学生双方から見たインターンシップの目的やメリットを紹介します。

インターンシップとは

インターンシップとは、学生が在学中に企業などの組織において無給もしくは有給で自分のキャリアに関連した就業体験を行う「職業体験制度」のことを指します。

新卒にも即戦力を求める傾向が強い欧米各国においては、インターンシップは一般的な制度であり、学生が無給で働きながらスキルを身に着け、大学側がインターンシップを単位認定することは珍しくありません。

しかし、世界でも稀な新卒一括採用の文化があり、人事制度もJOB型ではなくメンバーシップ型が多い日本では、どちらかというと若手社員の早期離職問題の解決策、あるいは早期に学生と接触できるタッチポイントを増やす手法としてインターンシップは期待されているといえるでしょう。

2021年春入社以降からは経団連が就活ルールを主導しなくなったことも影響してか、大学3年生に向けた夏以降のインターンシップの種類は実に多様になっています。企業や官公庁、研究機関が開催するインターンシップは、半日程度の企業セミナーと同程度の内容のものから、短期、中長期、プロジェクト型、スキルアップ型などさまざまあり、さらに地方や海外で行われるインターンシップも存在します。

現実には、2019年入社の新卒採用あたりから、大手企業を除く多くの企業で、3月のナビサイトオープン以前に学生との接触機会をいかに増やすか、いかに母集団形成をしておくかが採用の成否にかなり影響していた経緯もあり、各社がインターンシップの内容に相当に力を入れていることがうかがえます。

インターンシップの変遷

日本においてのインターンシップとは、新卒一括採用という欧米とは異なる雇用文化や就職協定と昔呼ばれていた独自の新卒採用に関するルールなども影響し、以下のような経緯で普及してきました。

◇1997年9月:
文部省・通商産業省(現経済産業省)・労働省(現厚生労働省)が共同で「インターンシップの推進にあたっての基本的考え方」をとりまとめ関係諸制度を整備。

◇2011年3月:
経団連が「採用選考に関する企業の倫理憲章」の添付資料(「採用選考に関する企業の倫理憲章の理解を深めるための参考資料」)にてインターンシップの日数(「5日間以上の期間」)を記載。

◇2014年4月:
文部科学省・厚生労働省・経済産業省が「インターンシップの推進にあたっての基本的考え方」を一部改正。インターンシップを通じた採用選考活動についても、実施可能な時期や事例を明確化。

◇2017年4月:
経団連が2019年入社の就活ルールからインターンシップ「5日間以上の開催」という日数規定をなくし1日だけのインターンシップ実施を可能とする。

HR総研が行った調査で2019年新卒採⽤戦略策定のための2018年新卒採⽤徹底解剖DATAによると、2019年卒の8割の学生がインターンシップに応募しており、その後文系、理系ともその約8割の学生がインターンシップに応募しています。
すでに日本でもインターンシップは強力な採用チャネルになっているといえますが、今後ますますこの傾向は強まっていくと推測できます。

インターンシップは、企業側と学生側の双方にメリットがあると認知されています。それぞれにとって具体的にどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。

<企業側のメリット>

採用広報面での効果:
・優秀な学生に早期に接触し教育することの存在をアピールすることができる
・インターン生を受け入れることで、採用する人材の層を高めることができる
・プロジェクト型インターンシップを行う企業では、商品の開発などに学生のアイデアやセンスを活かすことができる

RJP(Realistic Job Preview)に基づく効果:
・セルフスクリーニング効果:正確な情報を得ることで学生が企業との適合性を判断できるようになる
・ワクチン効果:企業や職場に対する過剰な期待を事前にクールダウンさせさせることで離職率を低下させる効果が期待できる
・コミットメント効果:ありのままの情報を開示することで組織の誠実さをアピールするし、企業への帰属意識や愛着を深めさせる


<学生側のメリット>
・基本的なビジネスマナー、就職活動の基礎知識、一般常識が学べる
・イメージで大手企業を目指すようなブランド思考から現実的思考に変わることができる
・実際に働いてみることで自分の適性を見極めたり、新たな可能性に気づいたりすることができる

まとめ

インターンシップはいまや採用活動の重要な1ステップであり、インターンシップを行うこと自体ではなく、プログラム内容の差別化が採用の成否に影響するフェーズに入っています。
通年採用というキーワードが浮上し、学生との早期の接点がカギとなる中で、採用広報やキャリア支援も意図した施策のひとつとして、インターンシップはより多様化していくと予測できます。
次回は、実際にインターンシップを行う際に、どうやって学生を集め、どのように選抜するのかその具体的な方法や、広報戦略の立案について考察していきます。


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