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関心が高い「働き方改革」を企業はどう伝えるか

シリーズ|応募者の声

Published on 2020/06/17

入社後のミスマッチを防ぎ、できるだけ長く活躍してほしいというのが、採用ご担当者の思いです。このシリーズでは、企業と学生の双方にとってより良い採用-就職を実現するために、アンケート結果など学生の最新動向を紹介します。今回は、前回に引き続きHR総研が「楽天みん就」の会員を対象に実施した「2020年卒学生 就職活動動向調査」Webアンケートの結果から、今回は“働き方改革”に関する学生の声をお届けします。

 

ほぼ9割の学生が、志望企業の働き方改革への取り組みが「気になる」

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2019年より「働き方改革関連法」が順次施行され、長時間労働是正の取り組みなどの報道を目にする機会が多くなりました。就職活動中の学生はどう感じているか、2020年卒の大学生・大学院生を対象に行った就職活動動向調査によると、志望企業の働き方改革への取り組みについて「非常に気になる」と回答したのは、文系で49%、理系で39%となり、「やや気になる」と回答した学生を含めると、文系・理系ともに9割近くの学生が関心を寄せていることがわかりました。

 

志望企業の働き方改革への取り組みについての興味関心度合い

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長時間労働の改善やワークライフバランスに対する期待が大きい

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同調査によると、7割近い学生が「働き方改革に期待している」とも回答していますが、具体的にどのような声があがっているかをみると、まず長時間労働やサービス残業の改善に対しては、「サービス残業が消えて欲しい」、「有休が取得しやすい社会になれば良いと思う」、「残業すること自体は仕方がない面もあるが、積極的残業が良いという習慣はおかしいと思う」といった意見が寄せられました。

 

次にワークライフバランスへの期待としては、「プライベートの充実は仕事へのモチベーションにつながると思う」、「ワークライフバランスの向上や健康への配慮などが進めばと期待している」、「仕事とプライベートの時間のバランスを取りたい」など、さらに女性の労働環境改善への期待としては、「女性がさらに働きやすい環境になって欲しい」、「女性も子育てしながら働きやすい環境が整って欲しい」などの声があがっています。自分のキャリアを大切にしながら、仕事と育児・家事を両立したいという声が目立ちました。

 

さて、“働き方改革”とは、厚生労働省の定義によれば、「働く方の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現し、働く方一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすることを目指し」たものですが、背景には「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」「育児や介護との両立など、働く方のニーズの多様化」という日本が直面している課題があり、“働き方改革”を通じて、生産性向上を図り、多様な人材が働くことを可能にして日本経済を発展させたいという目的があります。各社が取り組んでいる“働き方改革”、ワークライフバランス向上の施策も、それ自体が目的ではなく、企業の持続的な成長のためにおこなわれています。

 

他方、まだ社会に出ていない学生が認識している“働き方改革”は、ネットニュース等の報道を元にした、非常に一面的なものになりがちです。いわゆるブラック企業を回避したいという不安な思いが、長時間労働の是正やワークライフバランスといったわかりやすい項目に結びつき、「はじめに勤務時間、有休取得率、ワークライフバランスを支援する制度の有無を確認しておこう」となるケースも多く見られます。また、単に「ブラック企業を回避したい」という気持ちなのか、平均よりもライフに重きを置きたいのかも、個人によってさまざまです。そういった前提をふまえて、自社の取り組みを目的とともに伝え、本人の「はたらくイメージ」を醸成していく必要があるといえます。

注目度の高まる“健康経営®”の取り組み

“健康経営”とは、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。“働き方改革”を成功させるためには“健康経営”の推進は欠かせず、また、“健康経営”を進めるうえでも“働き方改革”が欠かせない、セットで取り組むべきテーマとして注目を集めています。経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人認定制度」の申請企業は急速に増加しており、2019年度は大規模法人部門:2,328件、中小規模法人部門:6,095件の申請があったそうです。

健康経営優良法人(大規模法人部門)認定法人のなかで上位500社をあらわす「ホワイト500」に認定されたある企業では、複数の内定者から「(サイトに掲載されているホワイト500のロゴをみて)大丈夫な会社なんだなと思いました」「家族から『すごいね、いい会社だね』と言われました」といった反応があったとのこと。第三者機関から認定されていることが、信頼感・安心感につながっていることがわかります。健康経営の推進部署と連携して、積極的に情報発信をしていくことも効果的といえそうです。

まとめ

“働き方改革”に対しどのような取り組みをおこなうか?も、その企業“らしさ”が出る重要なポイントです。「長時間労働の是正」「テレワークの導入」といった同じ事柄でも、目的を果たすために、何を重視し、どのような工夫をしているかは、各社で異なります。取り組みをおこなっていることを、過不足なく積極的に伝えるのはもちろん、背景や想いをしっかりと伝えることで、会社の価値観が伝わります。注目度の高いトピックだからこそ、伝え方の工夫により、広く自社“らしさ”が伝わる機会として活用できるのではないでしょうか。

参考

HR総研が「楽天みん就」の会員を対象に実施した「2020年卒学生 就職活動動向調査」
調査対象:2020年卒の大学生・大学院生
調査方法:webアンケート
調査期間:2019年6月12日~6月25日
有効回答:1,750名(文系:1,098名,理系:652名)


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