HR INFORMATION
新型コロナウイルス感染症の拡大が続いています。その影響は採用活動も例外ではなく、2021採用は企業側・学生側双方にとって、これまでとは異なった状況となりました。スケジュールや選考フローの変更など、採用計画の大規模な見直しが急務とされているいま、オンラインで採用活動をおこなう企業が急速に増加しています。今回は、来社をともなう従来の説明会からWeb説明会へ切り替える際、特にライブ配信をおこなう際のポイントをご紹介していきます。
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続く感染拡大で説明会のWeb化が一気に進む
2021年卒を対象とした新卒採用活動は、3月1日(採用広報開始日)より本格スタートとなりましたが、新型コロナウイルスの流行により、母集団形成やその後の計画に大きな影響を受けています。予定されていた合同企業説明会や学内説明会は軒並み中止となり、企業は学生との接点づくりの時期や方法の見直しを迫られることとなりました。コロナ前は、例年通り、学生のスタートダッシュ傾向に変化はみられないものの(→関連記事)、状況が一変し、企業を知る機会が減ってしまっていること、選考や内定出しのスケジュールが読めないことに対し、学生側も不安を抱いているようです。前回お伝えしたように、3月末時点で43%の企業が「来社を伴わない説明会へ変更」、35%の企業が「来社を伴わない面接へ変更」を検討、実施しているというデータもあり(→関連記事)、今後も各種イベントや面談など企業と学生との接点は、当面、オンライン上で実施されることとなりそうです。
目的に合った収録手法を。現状はライブ配信が盛況
リアルの会社説明会の代替手段として、ここ数年で広まっているのがWebセミナーです。Webセミナーの映像配信方式には、あらかじめ録画された映像をオンライン上のコンテンツとして掲載するオンデマンド配信型と、応募者が視聴できる日時を限定し、リアルタイムで配信するライブ配信型の2つがあります。オンデマンド配信型は、場所や時間を選ばず、応募者が都合のよいときに閲覧できることがメリットです。エントリーシート提出や面接の前などに繰り返し視聴でき、さらに企業理解、仕事理解を深めることができる点から、マイページ上などで早い時期から公開している企業も多く見受けられます。また大学側の取り組みとして、中止となった学内説明会に代わり、企業にオンデマンド動画の提供を呼びかけ、学生に情報提供している大学もあり、このような新たな活用を通じて自社の情報を広く届けることにも有効なようです。
一方、ライブ配信型は、リアルタイムで双方向のやり取りができる点がメリットです。チャット機能を利用して学生が質問を投げかけ、プレゼンターがそれに答えて質疑応答をしたり、チャットに書き込まれたコメントから参加者の反応をリアルタイムで確認しながらプレゼンを進めたりと、リアルの説明会に近い形で開催できます。また、ライブ配信のWeb説明会を録画しておき、後日オンデマンド配信方式で再配信することも可能なため、見逃した学生へのフォローもおこなうことができます。
これらのメリットから、現在はライブ配信型を取り入れている企業が多いようです。リアルな説明会の代替として、双方向性のコミュニケーションを重要視している様子がうかがえます。国内海外を問わずどこからでもリアルタイムに視聴できること、人数などのキャパシティが比較的制限されることなく閲覧してもらえることから、従来は出会いの機会を逃していた学生とのタッチポイントになっているという側面もあり、プラスαの役割を果たしているともいえます。
一連の施策を意識して実施する
Web説明会では、通常の説明会で出欠を管理するのと同様に、閲覧者を把握できることも重要です。世の中にはさまざまなWebセミナーツールが存在しますが、たとえば採用管理システムからWeb説明会を配信することで、どの学生が閲覧し、どのようなコメントを残したか、また実施後のアンケートまで一括で管理することができ、応募者の精緻な履歴管理が可能になります。またこの仕組みを活用すれば、最適なタイミングで最適なターゲット層に配信するなど、採用マーケティングにもとづく採用活動を実施することもできます。リアルの説明会でおこなってきた自社の採用の仕組みをオンラインでも機能させるために、必要なツールを選び活用することが必要といえそうです。
Web説明会を実施する企業で最も多いパターンは、「説明会+社員座談会」です。さまざまな部署の現場社員が登壇し、社員の声を届けることで、人の魅力によるアプローチが可能になります。仕事内容の違いや部署間の関わりを打ち出したいときには、違う部署ではたらく同期社員を集める、営業職や技術職など職種に特化した内容を紹介したいときには、同じ職種の先輩×後輩、上司×部下で実施するなど、はたらくイメージに加えて、社内の人間関係を感じてもらえる内容が効果的です。また、リアルな説明会同様、同じ内容のWeb説明会を複数回実施する企業も多く、グループ会社の場合は、丸一日かけて、関連会社すべてがWeb説明会を実施した例もあります。オンラインだからこそ可能な接触機会の増加を図っていくと、さらなる効果が期待できるでしょう。また先述したように、ライブ配信の説明会を録画し、オンデマンド配信としていつでも視聴できるように配信するケースが多く、約3分の1の企業がこの方法を実施しています(ヒューマネージ調べ)。その場で答えきれなかった質問は、スピーディーにWEBコンテンツとして掲載していくなど、ライブ配信の未参加者やより理解を深めたい参加者に対してもれなく、継続的にアプローチをおこなうことで、学生とのコミュニケーションを活性化させることができます。
リアルな説明会で学生に届けている自社の魅力をオンラインでも同様に伝えるために必要な施策は、企業により異なりますが、自社がいま伝えたい内容は何か、また自社に興味を持っている学生は何を知りたいと思っているのかを考えWeb説明会を企画し、Web説明会から選考へつなげていくための一連の施策を意識することがポイントと言えそうです。
まとめ
Web説明会であってもこれまでの来社をともなう説明会と同様、「社員の魅力」や「双方向のコミュニケーション」が、興味喚起や選考参加の意欲促進に重要な役割を担っています。オンライン面談やWeb上のコンテンツなど、その他の施策と組み合わせながら、自社の魅力を余すことなく伝えられるかどうかが大きなポイントといえます。大規模イベントや学内説明会など、企業を知るきっかけとなる機会が失われたことで、学生も情報を求めています。リアルの接点を持つことができないいま、オンラインの手段を活用し、自社“らしさ”を伝える工夫を重ねて、採用広報~選考~内定~入社まで、継続的な働きかけが必要と考えられます。
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