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TOP  >  記事一覧  >  企業事例から見えてきた「オンラインインターンシップ」のコツ

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2022年卒向けのインターンシップは、新型コロナウイルスの影響下、新たな取り組みが求められています。オンライン・オフラインを横断して各社さまざまな手法を模索されているなか、少しずつ、オンラインインターンシップのコツがみえてきました。今回は、オンラインインターンシップのプログラム検討の工夫やヒントについて、事例を交えてお届けします。

学生と企業、オンラインインターンシップに対する反応

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株式会社ディスコが2022年卒の学生に対しておこなったインターンシップに関する調査結果によると、オンラインインターンシップに「積極的に参加したい」「参加してもよい」と回答した学生は合わせて9割近くに上ったとのこと。新型コロナウイルス感染リスクを避けたいという要素もあるものの、同時に、参加のしやすさ(遠方の学生に限らず)やオンラインの就職活動に慣れる目的も垣間みえます(参考記事→オンラインインターンシップにより、地方学生の動きが活発に――2022卒 就職活動生の最新動向)。

 

また、ヒューマネージが2020年8月下旬に実施した企業動向に関する調査によると、インターンシップの開催を予定している企業のうち、「オンラインのみでの開催」、「オンラインとリアル(対面)の併用」は合わせて70.9%となり、7月の同調査と比較して+7.4ptとなっていました。現在の状況が収束しないことをうけ、日々オンラインでのインターンシップ開催を実施する企業の割合が増えていることがうかがえます。

 

いずれの調査結果からも、学生・企業ともに、オンラインインターンシップに積極的な傾向がみられます。オンラインならではのメリットもあり、引き続きインターンシップのオンライン化の流れは続くと考えられます。

事例に学ぶ、オンラインインターンシップ4つのヒント

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現在おこなわれているオンラインインターンシップは、リアルで実施していたインターンシップのプログラムを移行するパターンが一般的で、その際、“オンラインではどうしても再現できない部分”への工夫が求められます。特に問題となるのは、コミュニケーションの密度をどのように高め、接点を持った応募者を選考につなげるか、という点。オンラインインターンシップをより実りあるものにするために、プログラム検討の4つのポイントを、企業事例とともにご紹介します。

 

オンラインインターンシップの懸念① 学生の集中力や緊張感が途切れやすい
→小さな工夫の積み重ねで、学生がのめり込める仕組みをつくる

 

オンラインインターンシップは、学生が自宅などから一人で参加するため、集中力や緊張感を保ちにくくなります。休憩時間をこまめに挟むことはもちろんですが、特にセミナー型や座学型のプログラムを実施している際は、学生がどのような姿勢で臨んでいるかを把握し、フォローするのが難しいといえるでしょう。

 

グループディスカッションを組み込んだプログラムを実施したA社。グループディスカッション前のイントロダクションパートで、業界や事業内容に関するクイズを随所にちりばめ、参加者一人ひとりの発言を促しました。“参加型”の雰囲気を醸成するとともに、そのあとのグループディスカッションではクイズで得た知識を使ったやり取りが活発におこなわれ、質の高いアウトプットにもつながったとのこと。また、従来の対面型のインターンシップに比べてテーマや課題の難易度をやや低く設定し、フォローのしづらさをカバーする、実施後のフィードバックに多く時間を費やすなど、応募者の満足度や体験価値を高める工夫も凝らしていました。

 

オンラインインターンシップの懸念② 多数のインターンシップがあるなかで、学生の目をどう引くか
→「参加すると何を得られるのか」を明確にしたプログラムを検討する

 

学生のインターンシップにおけるモチベーションやそのレベル、求めていることは、学生や時期によってさまざまです。「このインターンシップに参加してよかった」と感じてもらい、自社を印象付けるためには、インターンシップを通じて得られるものを、伝えるべき応募者に正しく伝えることが有効です。

 

B社では、インターンシップのコースを複数設け、それぞれ「このインターンシップで何が得られるのか」を明確にすることで、インターンシップの満足度を高めることに成功しました。具体的には「○○業界についてわかる」「○○(サービスや技術など)の最新トレンドがわかる」「営業職に求められるコミュニケーションスキルが身につく」など、自社の業界や仕事の特徴、製品やサービスに紐づくテーマをいくつか設定したうえで、各コース共通となるプログラムをベースに、強弱のつけ方やコンテンツ配分、ストーリー展開を工夫することでバリエーションを増やし、学生が自ら選択できるようにしたといいます。参加者からは、「これからの就職活動に活かせる内容だった」「志望業界を考えるきっかけになった」といった感想が集まり、自社への信頼度や関係づくりにも役立ったと実感されたとのことでした。

 

また、夏季に比べ、秋季・冬季のインターンシップは、より本格的な就職活動に向けて、志望業界や企業を具体的にイメージする時期だといえます。現行のプログラムに、一歩深い情報を追加してみる。そういった視点で、プログラムを微調整することも効果があるかもしれません。

 

オンラインインターンシップの懸念③ 会社の雰囲気が伝わりづらい
→温度感を届けるコンテンツで、一連の企業体験を

 

早期の接点であるインターンシップでは、プログラムの内容はもちろん、会社や社員の雰囲気なども応募者の印象を左右します。特に実際の職場で社員と接するタイプのインターンシップは、社員を通じて社風や仕事のやりがい=自社の魅力を感じてもらうことができますが、オンラインではその温度感を伝えることに苦労することも多いようです。

 

そこでC社では、インターンシップの会社説明パートで社内の様子を撮影した動画を流し、採用担当と現場社員がそれを見ながらトークをするというコンテンツで、実際に会社に来たような雰囲気を画面越しに伝える演出をしました。さらにB社はこのやり取りを録画し、後日、マイページで配信。マイページのコンテンツのひとつとしても活用したといいます。

 

他にも、社内を360°のパノラマカメラで撮影したコンテンツや社員インタビューなど、動画コンテンツはリアルな雰囲気を伝えるために有効です。インターンシップ実施後には、マイページを通じて、社員の実際の仕事の様子を撮影した映像や、オンライン社員訪問等の機会を用意することで、企業理解をさらに深めることができます。

 

オンラインインターンシップの懸念④ インターンシップ参加数が増える分、自社との関係が薄くなる
→学生一人ひとりに対して一連のコミュニケーションを

 

オンラインインターンシップは、遠方の学生でも参加できるほか、近郊の学生であっても費用や時間が節約できるため、学生はより気軽に参加が可能です。その分、学生ひとりあたりのインターンシップ参加数を増加すると見られ、ひとつの企業との結びつきは希薄化する傾向があります。関係性の密度を上げ、選考につなげていくためには、マス向けではなく、一人ひとりの応募者の体験価値を高めるコミュニケーションが効果を発揮するといえます。

 

D社では、採用管理システムを活用して対象者を細分化し、不参加者に向けては当日のレポートページを、参加者に向けては当日のアンケートで出た質問に回答する特別ページをそれぞれ配信しました。その後も、参加者に対しては、インターンシップで登場した社員について、より詳しい仕事内容を紹介するコンテンツを配信したり、その上司×社員との対談記事を配信するなど、ことあるごとにマイページへのログインを促進し、自社を思い出す仕組みづくりに注力したといいます。選考参加、ひいては辞退の防止に向け、マイページというクローズ環境だからこそ可能なコンテンツマーケティングを実施していくことが有効といえそうです。

 

まとめ

昨年の「選考のオンライン化」を経て、2022年卒は「オンラインインターンシップ元年」といえます。オンラインインターンシップには、対面式とは異なるメリット・デメリットがあり、さまざまな企業の取り組みを通じて、いま、まさにノウハウが溜まっている最中といえます。今後も各社の事例から、オンラインインターンシップのポイントを進行形でお届けしていきます。

参考

株式会社ディスコ キャリタスリサーチ「2022 年卒学⽣の職業意識とインターンシップに関する調査


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