ベンチャー企業にてHR関連事業の立ち上げ・運営を行い、2015年にMOVER&COMPANYに事業譲渡すると同時に入社。2019年にHR関連事業をTOiRO株式会社として子会社化し、その代表に就任。2025年にMOVER&COMPANYのHR戦略本部を新設し、本部長に就任。グループ全体のさらなる拡大に向け、人材戦略全般を統率している。
眞野目 悠太Yuta Manome
株式会社MOVER&COMPANY
執行役員・HR戦略本部 本部長
ベンチャー企業にてHR関連事業の立ち上げ・運営を行い、2015年にMOVER&COMPANYに事業譲渡すると同時に入社。2019年にHR関連事業をTOiRO株式会社として子会社化し、その代表に就任。2025年にMOVER&COMPANYのHR戦略本部を新設し、本部長に就任。グループ全体のさらなる拡大に向け、人材戦略全般を統率している。
ITコンサルティング事業で急成長を遂げているMOVER&COMPANYが採用において重視しているのは、「行動的で、魅力的な人材を採用すること」です。そのため、面接では「一次・二次面接はあえて面接官の力で選考し、最終面接前に適性検査を実施する」という独自の手法をとり、応募者の人物像をより深く見極めています。また、数十名の社員が集う懇親会に候補者を招く取り組みを長年続けるなど、社員の魅力を武器とした採用も強みとしています。HR戦略本部の眞野目様に、採用の秘訣をお伺いしました
まずは改めて、貴社の事業内容を紹介していただけますか。
当社はITコンサルティングを主な事業としており、金融領域の大手企業を中心に、さまざまな業界のお客様を対象とした成長支援を行っています。また、他のコンサルティング会社にはない強みとして、当社自ら事業会社を複数立ち上げ、運営していることが挙げられます。
自ら事業会社を運営することで、経営者としての「一人称の目線」を持ち、お客様と同じ視座で対話できるため、お客様に深く寄り添った提案が可能になると考えています。また、事業運営経験を積むことで、コンサルタント自身のスキルも磨かれるというメリットがあります。当社では、こうしたキャリアプランを「スパイラルアップキャリア」と呼んでいます。
採用において大切にしていることは何でしょうか。
当社の社名にもあるとおり、「MOVER」、つまり自分で考えて動ける考動型人材を採用することです。これに加えて、「キャラ採用」という考え方を大切にしています。キャラクターは個性という事ですが、MOVERは「自ら考えて動く、個性溢れる人が集まる組織」を目指しており、固定された考えではなく、様々な視点から解決策を見出していくことができるチームになると考えているからです。
当社のコンサルティング事業部では、「300枚の資料より1枚の信頼」というモットーを掲げています。これは、「いくらたくさんのデータをそろえても、深い信頼関係がなければお客様の心は動かせない」ことを表しています。だからこそ、当社では魅力的な人間性を備えた人材が必要になります。面接では学歴にとらわれず、応募者それぞれの経験や考え方をよく聞き取り、能動的に考えて行動する力と、人間的な魅力を見出したいと考えています。
理想的な採用に向けて、選考プロセスの中でどのような工夫を実践されていますか。
当社では応募者の人となりを見極めるため、面接での対話を重視しています。一方で、限られた時間の面接だけでは判断するのが難しい思考能力や性格を確かめるために、適性検査も実施しています。ただし、適性検査を実施するタイミングは二次面接と最終面接の間であり、書類選考および一次・二次面接では、適性検査の結果を参考にすることはありません。
一般的には書類選考と同時に適性検査を実施し、その後、一次面接に進む企業が多いと思います。あえて一次・二次面接後に適性検査を実施するのはなぜでしょうか。
適性検査をスクリーニングやジャッジを目的として使用しているのではなく、あくまで応募者をより深く知るために使用しているからです。一次・二次面接の時点で適性検査を参考にしてしまうと、面接官の中に「この応募者はこういう人」というバイアスがかかってしまう可能性があります。それを防ぐため、一次・二次面接は面接官の判断に委ねています。しかし、それだけでは人間による判断ミスというリスクがあるため、最終面接前に検査を実施しているのです。
適性検査の結果は、最終面接でどのように活かされるのですか。
一次・二次面接での応募者の印象と、適性検査の結果を見比べると、一致している部分もあれば、乖離している部分もあります。最終面接では、この乖離している部分を特に重点的に確認するようにしています。
例えば、面接では非常にポジティブに振る舞っていた応募者が、適性検査ではネガティブな性格傾向を示していたとします。就職面接では、多くの人が「自分はこういう人間でありたい」という人物像をイメージして話をするため、このような乖離はさほど珍しくありません。
このような場合、私は率直に「実は適性検査で、あなたにはネガティブな傾向があるという結果が出ています。どう思いますか?」と質問します。すると、やはり検査結果どおり、その応募者には元来ネガティブな面があり、これまでの人生にも挫折が多かったという事実がわかる場合があります。しかし、だからといって必ずしも採用しないというわけではありません。
ネガティブな自分を自覚し、それを変えたくて人一倍努力をしている人なら、むしろ評価の対象になり得ます。そうした、自身の特性としっかり向き合い、努力をしている人が入社後に活躍するケースは多いですし、それを見出すためのツールとしても、適性検査は有用であると考えています。
また、適性検査の結果にかかわらず、当社の面接では応募者がこれまでに出した成果よりも、「応募者の行動の背後にどのような動機があるのか」を重視します。たとえ今まではあまり成功できていなかったとしても、それを自覚し、自分を変えようという動機や意志がある人なら、入社後に活躍するポテンシャルはあると思います。それを見極めることが、面接の目的だと考えています。
面接・適性検査以外では、マッチングに向けてどのような工夫を行われていますか。
まず基本的な方針として、なるべく早く内定を出すようにしています。採用活動の早期化が進んでいるという背景もありますが、やはりこちらから積極的に「あなたを必要としている」という意志を伝えることが大事だと思っています。
さらに重視しているのは、当社の社員と応募者の接点を増やすことです。応募者の希望に応じて最適な社員との面談をセットすることはもちろん、社員が集まる懇親会に招待し、交流を深めてもらうこともあります。
コンサルタントという職種は、自分自身が商品です。そのため、当社にとって社員一人ひとりの個性は、ビジネスにおいても採用においても最大の強みとなっています。その点で、応募者に多くの社員を見てもらうことは、当社を知ってもらい、マッチングを深めるうえで最適な方法だと考えています。
特に当社のような中小企業であれば、選考中に出会った社員と一緒に働ける可能性も高いため、いわゆる「上司ガチャ」への不安を払拭する効果もあるでしょう。
応募者・内定者を招く懇親会とは、どのようなものですか。
毎月社内で実施している全社定例会で業務に関する報告を終えた後、ちょっとしたパーティーを開いており、学生にはそこに参加してもらっています。毎回40~50人の社員が参加しているので、一度にかなり多くの社員と交流を持つことができます。この取り組みは、もう10年ほど続けています。
互いの素の姿を見る良い機会になりそうですね。効果についてはどうご覧になっていますか。
ありがたいことに、「懇親会に参加して、こんな人たちと一緒に働きたいと思い、入社を決めました」と言ってくださる内定者は非常に多いですね。当社のメンバーも、選考中の方や内定者が懇親会に来ることには慣れているので、かなりフレンドリーな交流ができています。
学生との濃密な接点づくりが、マッチングを強化していることがよくわかりました。他に注力されている施策があれば教えてください。
これも「接点づくり」の一環になりますが、リアルイベントには積極的に参加するようにしています。特に参加者が比較的少人数の合同説明会を重視しており、内定者の半数以上が、こうしたイベントでの出会いをきっかけに当社に応募してくれています。
これまでの採用活動を振り返って、どのようなことが印象に残っていますか。
採用した方が入社後に「当社に入って良かった」と言ってくれるのが嬉しいですね。例えばある社員は、入社後すぐに「MOVER&COMPANYの社員はみんな相談しやすい人ばかりで、いい意味でびっくりしています!」と話してくれました。
当社は、コンサルタントには道徳心が必要であると定義しており、困っている人を親身に助けることが文化として根付いています。こうした社風は、採用活動はもちろん、入社後の活躍を促すうえでも効果を発揮していると思います。
最後に、今後の採用活動に向けた展望をお聞かせください。
新卒も中途も、いずれは100%リファラルで採用することが理想です。理由は二つあります。一つは、それが採用コストが最も低い方法であること。そしてもう一つは、それが「MOVER&COMPANYはいい会社だ」と社員みんなが思っていなければ実現できない採用手法であることです。
実際、当社は2025年9月までは新卒一括採用をせず、ほぼリファラル採用で人員を拡大してきました。現在は急速な事業拡大に向けて新卒一括採用を行っていますが、今後、リファラル採用で現在と同様の採用数を実現できれば、コストの面でもマッチングの面でも、最適な採用戦略が完成すると考えています。

Special Feature 01
人材データを蓄積し、その後の採用可能性につなげていく「タレントプール」。
新たな採用手法の実現方法を紐解きます。
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