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2021年卒 内定者フォロー、各社の事例

シリーズ│内定者コミュニケーション

Published on 2020/12/08

選考のオンライン化が一気に進んだ2021年卒の新卒採用。企業との接点がオンライン中心になっていること、コロナ禍で経済や雇用情勢に影響が及んでいることなどから、今年の内定者は、例年とは違う不安を抱いていると思われます。内定者フォローにおいても“昨年通り”が通用しないなか、各社どのような工夫を凝らしているのか、今回は現在進行形の内定者フォローのなかから、事例をご紹介いたします。

内定承諾の決め手に変化、理系は「事業内容」がトップに

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ヒューマネージが2020年10月に実施した企業アンケート調査では、内定者フォローを「実施する/した」と回答した企業のうち、約8割が内定者懇親会を、約5割がワーク・課題を実施していました。内定者フォローの形態として、この二つが代表的であることがわかります。

 

他方、ヒューマネージが実施した2021年卒内定者アンケートによると、「内定承諾の決め手(複数選択)」について、文系学生は「社員の魅力」が例年通りトップであるものの、理系学生においては「事業内容」(41.9%)が「社風」(33.4%)、「社員の魅力」(30.9%)を上回るという、例年にない結果が得られました。これは、採用のオンライン化により社員とのリアルな接点が少なかったためと考えられ、内定者を確実に入社へつなげ、さらに入社後活躍に結びつけるためには、内定後も継続して企業理解を促す必要があるといえます。

 

入社予定先企業の内定承諾の決め手

文系 理系
1位 社員の魅力
48.2%(-0.7pt)
事業内容
41.9%(+10.0pt)
2位 社風
38.1%(-0.7pt)
社風
33.4%(+3.5pt)
3位 事業内容
30.9%(+2.2pt)
社員の魅力
30.9%(+5.6pt)

複数回答可(3つまで)。カッコ内は、20卒との比較

オンラインだからこその工夫に、その企業“らしさ”

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ここからは、多くの企業でおこなわれているそれぞれの施策について、実際の工夫をみていきましょう。

 

・オンライン懇親会

内定者懇親会をオンラインでおこなう試みは、今年、多くの企業でおこなわれています。内定者同士の懇親会だけでなく、「若手社員との懇親会」「職種別の懇親会」など、複数回にわたって定期的に開催しているケースもあり、「現場社員にリアルな懇親会に参加してもらうのは(社内調整などで)大変だけれど、オンラインだと時間や場所に融通がきくし、30分だけ顔を出してもらうこともできる」という、オンラインならではのメリットもあるとのこと。

 

また、「新商品を内定者の自宅へ届け、同じタイミングで箱をあけて、同じものを食べながらチーム対抗のゲームをおこなう(食品メーカー)」「社員が入らない、内定者のみで交流するパートを設ける(専門商社)」といった工夫も伺います。オンラインだからこそ、ただ話すだけではなく、交流が活発になるような企画を考えるケースも多いようです。

 

・オンラインワークショップ

グループワークをオンラインでおこなう企業もあります。内定者同士で協力してひとつの課題に取り組むことで、関係性を深める効果が期待できるほか、テーマによって自社らしさを演出しやすい点もポイントです。取り組みやすい例として挙げられるのが、「次年度向けの採用広報施策を考える」というテーマ。なかでも、「オンラインインターンシップのプログラムを、内定者に対して実施し、フィードバック・改善案を考えさせる」ものは、今年ならではといえるでしょう。いくつかのグループにわけ、フィードバックや改善案をプレゼンするスタイルをとることもできるうえ、その場で出てきた指摘により、「インターンシップのプログラムを細かい点までブラッシュアップできてよかった」という採用ご担当者のコメントもありました。

 

採用広報施策を考えるワークのあとには、オンラインのオープンセミナーにて内定者パネルディスカッションを実施したケースもありました。パネルディスカッションの内容には、内定者の意見を反映したそうです。

 

・マイページコンテンツ

あるメーカーでは、例年、内定者を対象に実施している工場見学をオンラインに切り替え、360°動画のコンテンツとして公開しました。機電系の内定者から「今年はみられないと思っていた工場を、臨場感ある映像でみられてワクワクしました」という感想が寄せられたそう。ほかにも、「内定者サイトのブログ機能(それぞれの内定者がマイページ内でブログを書き、公開できる機能)を活用して、リレー形式で最近の出来事や入社の抱負を書いてもらう」「2ヶ月に1回、自己紹介の質問を変えて更新してもらう」など、内定者だけが閲覧できるクローズドな空間だからこその活用をおこなっているケースもあります。「内定者サイトのアクセス状況で、内定者の状況(入社意思)がわかることもあり、今年はそういう意味でも確認しています」という声もありました。

 

・オフライン施策

オンラインでの施策が主流となるなか、「実際にオフィスを見ていない、社員にも会ったことがないまま入社するのが不安」という内定者がいるのも確かです。そのような声をうけ、一部の企業ではタイミングを見極め、感染対策を充分におこなったうえで、オフラインの施策を選択しているケースもありました。それまでオンラインの交流のみだったからこそ、オフラインの機会は“プレミアム感”があり、「オフィス見学の際、執務室にいた社員全員で拍手して歓迎する」「マイページコンテンツに登場している社員と実際に話ができる時間を設ける」「その日一日の様子を写真撮影+レポートにして、内定者サイトに掲載し、思い出せるようにする」など、オフラインの効果を最大化する工夫がみられます。

 

いずれの事例からも、これまでリアルで実施していた施策をオンラインでおこなうに際して、さまざまな工夫が可能なことがわかります。大がかりな何かに挑戦する、というよりは、一つ一つの工夫を積み重ねに、それぞれの企業の“らしさ”があらわれている印象です。

早期化にあわせ、時期別の内定者フォローを

2021年卒の新卒採用では、新型コロナウイルスの影響により、内定者が揃うのに時間を要した企業もありました。2022年卒の新卒採用では、雇用情勢が大きく変化したことへの不安から、学生の動き出しや志望業界の絞り込みのさらなる早期化が予想されます。したがって、内定式前(4~9月)の内定者フォロー施策の重要性がますます高まるものと思われます。早い時期に内々定を獲得した学生が、理解不足で判断できない、決められないといったことがないよう、時期にあわせた内定者フォローが必要です。

状況次第ではありますが、少人数だからこそ可能なリアルな交流の場を設け、選考中に聞きづらい質問を受け付ける、また、社内報とともに内定者へのメッセージを自宅へ送るなど、あえてオフラインの手法を織り交ぜることも有効です。リアルな接点が持ちづらいいまだからこそ、より効果を発揮すると考えられます。早い時期に内々定を獲得した学生には、月1回のオンライン面談(電話面談でも)を継続的におこなうことで状況(入社意思)を確認し、その後、内定者が揃い次第、懇親会やワークショップを実施していくことで、懸念や不安をクリアにできる接点を持ち続けることができます。

まとめ

採用成果実現のために、内定者フォローは欠かすことができません。内定者の声からは、あるひとつの出来事で入社を決めるケースよりも、選考中~内定後の“体験”の積み重ねにより、「その会社に入社しよう」という確信をかたちづくっていくケースが多い印象をうけます。

 

次年度のインターンシップの準備・実施と内定者フォローが重なるこの時期。さまざまな制限がある状況下でも、オンラインツールを活用し、オフラインの手法も組み合わせながら、効果的な内定者フォローに取り組むことが重要と考えられます。ご参考になれば幸いです。

 

 


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