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応募意欲向上にとどまらない、効果的な「採用キャッチコピー」とは

シリーズ|採用×広報

Published on 2020/09/11

採用活動において、「採用キャッチコピー」を設定している企業は多くあります。以前は、採用キャッチコピー=採用サイトのトップページなどに掲げられている(広告的な)フレーズ、という認識も見られましたが、採用活動にマーケティングの視点が求められるにともない、広告としての扱いにとどまらず、採用キャッチコピー=その企業の採用活動の核を表すものとして、効果的に活用している事例も増えてきました。本記事では、あらためて、採用キャッチコピーの効果とポイントを考えます。

“社外向け”と“社内向け”。採用キャッチコピーのふたつの効果

採用キャッチコピーが果たすべき第一の効果は、「求める人材を、応募したい(+その会社で働きたい)気持ちにさせること」です。新卒採用を例にとると、選考に参加する前、企業と候補者との接点は、就職情報サイト、学内セミナー、合同企業説明会、採用サイト、インターンシップ、会社説明会……と多岐にわたります。候補者は、その一つ一つの接点の積み重ねにより、その企業に対するイメージを形成していきます。各々の接点でバラバラのメッセージが打ち出されるよりも、統一された共通認識のもとにメッセージが打ち出されているほうが、候補者に強く印象付けることができます。

 

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また広告の世界では、スリーヒッツセオリーという理論から「広告が効果を出すためには、少なくとも3回の接触が必要である」と言われており(つまり1回の接触だけでは効果が出ない)、その点からも各々の接点で統一された採用キャッチコピーを打ち出すことは有効と考えられます。

 

採用キャッチコピーのもうひとつの効果は、社内に向けたブランディング=インナーブランディング効果です。先に述べた通り、採用キャッチコピーは「求める人材を、応募したい(+その会社で働きたい)気持ちにさせる」ためにあるので、その企業の存在意義、強み、価値観が魅力的に伝わるものとなっています。また、自社のことをよく知らない候補者向けに作られているためわかりやすく、現有社員、特に年次の浅い社員にも浸透しやすいといえます。「会社は、どのような点を強みとしているか」「何を存在意義としているか」「どのような人材を求めているか」が、採用キャッチコピーにより共通認識として意識され、採用に携わる社員(面接官、採用協力社員)はその共通認識のもと、応募者に自身の言葉で語ることでいわゆる“腹落ち”、自社の価値を深く理解した状態になっていきます。

 

社員が仕事に熱中した(のめりこんだ)状態で働くためには、自身の仕事に意義を感じていることが必要で、自社の価値を深く理解していることはそのベースとなります。社外向けだけでなく、社内向けの効果も意識して、採用キャッチコピーを活用されることをおすすめします。

採用キャッチコピーを設定する方法

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採用キャッチコピーの設定には、「求める人材」と「自社の“らしさ”」を、いま一度深く考えるプロセスが必要となります。

 

①求める人材像の策定

採用キャッチコピーは、第一に「求める人材を、応募したい(+その会社で働きたい)気持ちにさせる」ためのものです。まず、どのような相手に届けたいか=求める人材像を策定する必要があります。求める人材像については、採用戦略立案の際、既に策定されているケースも多いと思いますが、採用キャッチコピーの設定の際は、「求める人材にどういう特徴があるか?」「求める人材が何を重視するか?」がカギとなります。たとえば、自社の活躍人材の特徴が「スピード感を持って物事を進めていく」A社と「じっくり考えて緻密に進めていく」B社では、打ち出すメッセージは言うまでもなく変わってきます。あるいは、仕事のやりがいや職場の人間関係など内的報酬を重視するタイプなのか、会社の知名度や待遇面など外的報酬を重視するタイプなのか、など自社の求める人材の傾向を、適性検査などのデータに基づき、明らかにします。

 

②自社の“らしさ”を抽出する

自社の存在意義、強み、価値観を洗い出していきます。まずは取捨選択せず、ありったけ出すことがポイントです。このプロセスでは、さまざまな視点から考えていくことが必要です。実践しやすいアプローチをふたつ、ご紹介します。

 

  • 自社の沿革を振り返る
    会社の沿革は、すなわち会社の生い立ちです。どのような価値を生み出すために誕生したのか、経営の岐路で何を重視して判断したのか、いまどのような未来に向かっているのか。沿革を紐解くことで、自社の根幹にある“大切にしていること”が見えてきます。
  • 社員にアンケートを実施する
    内定者だけでなく、社員へのアンケートも有効です。「何を魅力に感じて応募したのか」「選考を進もうと思ったのはなぜか」「入社しようと決断した決め手は何か」を訊くと、「最初の接点で魅力となる要素」「選考中の魅力となる要素」「最終決断の際に決め手となる要素」がわかり、採用キャッチコピーの設定に役立つのはもちろん、採用活動全体の施策に反映できます。

 

①②のプロセスを経て、「求める人材」と「自社の“らしさ”」をすり合わせて採用キャッチコピーをつくっていきます。その際、必要なのは「候補者目線」です。想いが強すぎて伝わらないものになってしまってはもったいないため、第三者であり、かつコミュニケーションのプロである外部パートナーの力を借りることも有効です。「求める人材に」「自社の“らしさ”を」「伝わる言葉で」表現した採用キャッチコピーに仕上げていきます。

まとめ

そうして導き出された採用キャッチコピーには、多くの人に届く“名作”もたくさんあります。たとえば企業キャッチコピーと統一された「地図に残る仕事。」(大成建設株式会社)は、自社の事業、携わる仕事の本質的な価値を最大の魅力として訴求するものとなっています。また、「どうなるかじゃない、どうするかだ。」(本田技研工業株式会社)は、受け身ではなく、自身で考え行動する人を良しとする価値観、企業姿勢が伝わるものとなっています。自社が大切にしているものを正しく表す採用キャッチコピー、そしてそれに基づく採用活動が展開されれば、求める人材に届く可能性が高くなり、採用成果にプラスの効果が期待できます。


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