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Interview

直近3年間の新卒社員定着率は100%。
安田不動産が「リアル」を伝える採用施策を重視する理由

RECRUITMENT

Published on 2025/11/07

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Profile

宮本 順平Junpei Miyamoto

安田不動産株式会社
人事部 人事課

2017年、新卒入社。資産営業部に配属となり、自社オフィスビルやマンションの管理・運営、特に日本橋浜町エリアのまちづくりを担当。その後、住宅開発部門で土地の仕入れから設計・施工に至るまでを一貫して担当し、マンション建設を推進。2023年より現職。新卒・中途採用業務の他、人事制度設計にも携わっている。

小川 沙也香Sayaka Ogawa

安田不動産株式会社
人事部 人事課

2013年、新卒入社。入社後、グループ会社の安田ファシリティワークスに出向し、テナント内装工事を担当。その後、本社開発第一部に所属し、マンション・店舗・ホテルなど幅広いアセットの開発に従事。日本橋浜町の開発担当として初取得した用地では「WAVES日本橋浜町」の企画から竣工までを担当し、エリアマネジメント組織の立ち上げにも携わる。産休・育休を2回取得後、2024年より現職。新卒採用を中心に、研修や健康経営など幅広い業務を担当している。

安田不動産は、総合不動産デベロッパーとして、一つひとつの物件に心を込めて向き合い、創意工夫を凝らしながら開発に取り組んできた歴史と実績があり、新卒採用においてもこの考えに共感する学生を求めています。学生と現場社員の接点を設け、リアルな姿を伝えることでギャップのない採用を目指してきた同社は、若手社員の定着率が高く、直近3年間の新卒社員の3年以内離職率は0%です。採用担当の宮本様と小川様に「リアルを重視する安田不動産の採用施策」について詳しく伺いました。

ギャップのない採用を目指し、誠実な情報発信を心がける

まずは、貴社の事業内容や強みについてご紹介ください。

宮本:
当社は、1950年設立の総合不動産デベロッパーです。日本橋浜町や神田錦町など、旧安田財閥が所有していた土地を基盤に開発を進めてきた点に強みがあり、建物の開発・運営などのハードとイベント開催などソフトの両面からまちづくりに取り組んできました。エリア特性を活かした総合的な取り組みにより、エリアの価値を最大限に高めるよう努めています。

旧安田財閥の伝統と歴史を受け継ぎ、ハードとソフトの両面からまちづくりに尽力されてきたのですね。

小川:
当社は社員数170名規模の会社で、少数精鋭で事業に取り組んでいます。不動産開発に関しても、毎年多くの棟数を手がけるのではなく、一棟ごとに想いと工夫を込めるスタイルが特徴です。新卒採用では明確な人物基準は設けていませんが、当社の特徴や開発に対する想いに共感し、自ら考えて仕事を楽しめる方と一緒に働きたいと考えています。

新卒採用を進めるうえで、大切にしているお考えはありますか?

小川:
入社前後のギャップをなくすことを意識し、社員の雰囲気や仕事内容、職場の風通しの良さなど、当社のリアルな姿を感じてもらえる採用施策を実施しています。面接や説明会では質問内容に制限を設けず、「何でも聞いてほしい」と伝えています。社員にも同じ姿勢で接するよう周知し、誠実な情報発信を心がけています。

宮本:
平均年収や残業時間など、聞きにくい情報については採用担当である私たちから開示しています。率先して情報を伝えることで、学生も気軽に質問しやすくなり、双方のコミュニケーションがスムーズになる効果があります。

遊び心を凝らしたコンテンツを発信し、志望度向上につなげる

入社前後のギャップをなくすため、採用施策で特に工夫されていることはありますか?

宮本:
例えば、プレ期に実施する仕事体験では、グループワークと社員との懇親会をプログラムに盛り込んでいます。グループワークは「このエリアでどのような物件を作るか」をテーマに企画案を考え、実際にエリアの開発を担当する社員に向けてプレゼンを行ってもらいます。社員は現場担当の視点から学生にフィードバックを行い、仕事への向き合い方や考え方をリアルに伝えています。

2027シーズンは、仕事体験の実施時期を増やしたと伺っています。

宮本:
2026シーズンまでは夏にオープンカンパニーを、冬に仕事体験を実施していましたが、2027シーズンは仕事体験の開催時期を夏にも拡大しました。これは、就職活動の早期化が進んでいることを受けての対応です。就職への意識が高い優秀な学生に注目してもらい、当社の魅力を早い時期に理解していただけたらと考えています。

これまで実施していた冬の仕事体験と今回新たに実施する仕事体験には、どのような違いがあるのでしょうか。

宮本:
冬の仕事体験は2daysで、当社が開発した「HAMACHO HOTEL TOKYO」に宿泊してもらうほか、グループワークやまち歩き、社員との交流会などのプログラムを用意しています。今回新たに実施する夏の仕事体験は1dayのため宿泊はなく、暑さを考慮して冬の仕事体験で実施している「まち歩き」などのプログラムが省略されています。

小川:
冬の仕事体験は反響が大きく、昨年は約600名の応募がありました。当社が開発したホテルに宿泊できることもあり、「安田不動産のまちづくりをリアルに感じられる」という意味でも特徴的な内容だと感じています。一方、夏の仕事体験は60名の定員に対して300名の応募がありました。新たな取り組みのため、今後も試行錯誤しながらプログラムをブラッシュアップしたいと考えています。

学生に貴社のリアルを伝えるため、採用広報施策にも注力されていると伺っています。

小川:
学生に安田不動産のリアルな魅力を知っていただくため、採用広報では遊び心を大切にしています。例えば採用ホームページをご覧いただくと、「粋な企業に野暮はナシ!『正直』に語ります!」など、特徴的なコピーを多数配置しています。当社らしさをコピーやデザインに盛り込むことで、「楽しそう」「おもしろい会社だな」と感じてもらえたらと願っています。

動画コンテンツ「安田不動産ちゃんねる」が、学生に好評だそうですね。

小川:
「安田不動産ちゃんねる」は外部業者に依頼せず、撮影も編集もすべて社員が担当しています。その分、手作り感はありますが、内製ならではの効果があります。社員が撮影することで、出演する社員も緊張せず、普段どおりの姿を見せてくれるのです。

宮本:
自主制作のため手間と時間はかかりますが、その分内容は濃いと自負しています。社員旅行やお祭りの様子、竣工物件の紹介など、会社のありのままの雰囲気を伝えています。

撮影した動画は、どのタイミングで学生に公開しているのですか?

小川:
マイページに登録してくださった学生を対象に、限定公開しています。公開時期については就活の早期化もあり悩みどころです。2026シーズンは冬の仕事体験に合わせて11月に公開しましたが、2027シーズンは新たに夏の仕事体験募集のタイミングで公開しました。学生が「安田不動産ちゃんねる」を観て「面白そうだから応募しよう」と思ってもらえることを狙っています。

宮本:
内定者に話を聞くと、全員が「安田不動産ちゃんねるが面白かった」と答えてくれます。結果論になりますが、「内定を獲得した学生は、あの動画を観て当社に魅力を感じてくれたんだ」と思うと、感慨深い気持ちになります。財閥系の歴史ある企業ということで「堅い会社」という印象を持つ学生も多いので、ホームページや動画で遊び心を示すことの重要性を感じています。

直近3年間の新卒入社3年後離職者0人。引き続きギャップのない採用を――

内定後のフォローについてもお聞かせいただけますか。

宮本:
2ヵ月に1度、内定者が集まる機会を設けています。当社が実施するイベントに参加してもらうこともあり、毎年開催している入場無料のジャズイベント『JAZZ AUDITORIA』には内定者を招き、ジャズを楽しみながら社員と交流してもらっています。

新卒採用のご担当として、やりがいや喜びを感じたエピソードをご紹介ください。

小川:
人事部に異動した当初、「入社13年目の私がどのように学生と向き合えるだろう」と考えました。そこで、仕事と子育ての両立や自分の成長、仕事の楽しさを正直に話すようにしました。その結果、学生から「小川さんと会って女性として働く目標ができました」と言ってもらえたときは嬉しかったですね。また「安田不動産の仕事体験が一番楽しかった」という声も励みになっています。

宮本:
私は人事部に異動して初めて一連の採用を担当した2025卒採用が印象深いです。最終面接で学生が私の説明した言葉で当社の魅力を語ってくれたとき、大きな喜びを感じました。この年は内定辞退者もゼロで、「ギャップのない採用活動を実現できた」と達成感を得られました。

小川:
学生との「ご縁」を感じることもあります。昨年の仕事体験に参加した学生が、最終的には他社に内定したものの、後輩に「安田不動産を受けるといいよ」「仕事体験にぜひ参加して」と紹介してくれたと聞きました。採用施策を心から楽しんでくれた学生が当社の魅力を後輩につなげてくれることが、何より嬉しいです。

お二人の言葉から、まっすぐに学生と向き合う姿勢が伝わってきました。

小川:
ありがとうございます。若手の離職率は非常に低く、直近3年間は新卒社員の3年後定着率100%です。ありのままを伝えてきた結果だと思うと感慨深いですね。

最後に、今後チャレンジしてみたい採用施策がありましたら、ぜひお聞かせください。

宮本:
現場配属型のインターンシップを実施したいと考えています。社員に同行し、工事現場訪問や打ち合わせを体験してもらうことで、学生により具体的に当社で働く姿をイメージしてもらえたら嬉しいですね。

小川:
配属型インターンシップは、学生が当社を深く理解し、入社前後のギャップを減らすうえでも最良の機会になると思います。現場社員の協力や準備の負担はありますが、実現に向けて方法を模索していきたいです。


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