2011年新卒入社。百貨店およびギフト商品の企画・営業を5年間担当した後、総務人事部(現・人事部)へ異動。異動当初は総務業務を主に担っていたが、7年前より中途採用、3年前からは新卒採用業務に従事。現在は中途・新卒採用チームの統括に加え、会社説明会への登壇など、採用実務全般に携わっている。
RECRUITMENT
Published on 2025/09/19
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折原 慶太Keita Orihara
ANAフーズ株式会社
コーポレート本部 人事部 人事チーム マネージャー
2011年新卒入社。百貨店およびギフト商品の企画・営業を5年間担当した後、総務人事部(現・人事部)へ異動。異動当初は総務業務を主に担っていたが、7年前より中途採用、3年前からは新卒採用業務に従事。現在は中途・新卒採用チームの統括に加え、会社説明会への登壇など、採用実務全般に携わっている。
梅原 李子Riko Umehara
ANAフーズ株式会社
コーポレート本部 人事部 人事チーム
2024年新卒入社。学生時代、微生物学を専攻し、「食を通じて人々の健康・美容に貢献したい」と願うように。就職活動では広く食品業界を検討し、「商社機能を持ちながら、商品開発も手掛けている」「多くの商品に触れることができ、幅広いキャリアを積める」点に惹かれたことから、ANAフーズに入社。現在は初期配属先の人事部で新卒採用及び労務管理を担当している。
ANAフーズは、「安全・安心のもと感動をお届けし、食を通じてお客様の健康と笑顔に貢献する」というMissionを掲げ、食品原料の輸入・加工・商品化やギフト商品の企画・販売、さらに日本の食品の海外輸出など、多角的な事業を展開する食品専門商社です。新卒採用では人柄を重視した施策を進めており、毎年、採用方針のブラッシュアップに努めてきました。特に2026シーズンはエントリー者数が大幅に増加するなど、顕著な成果を挙げています。採用担当の折原様、梅原様に、母集団形成を最大化させた「学生目線の採用」についてお話を伺いました。
まずは、貴社の事業内容や強みについてご紹介いただけますか。
折原:
当社は、1955年創業の食品専門商社です。機内食を扱っている会社と誤解されることも多いのですが、「生鮮食品事業」を中心に、「加工食品事業」「企画食品事業」「海外事業」の4事業を展開しています。生鮮食品事業は創業当初から続く主力分野で、海外から輸入したバナナを国内の自社加工場で加工・商品化し量販店へ販売する、一貫した流通体制を構築しています。加工食品事業ではナッツやドライフルーツなどの食品原料を輸入し、企画食品事業では大手百貨店向けのギフト商品の企画・販売を手がけています。また、海外事業では日本の旬の食材や和惣菜などを海外へ輸出しています。
学生の皆さんから「ANAグループとの連携」についてよくご質問をいただきます。全日空商事が運営する総合通販サイト「A-style」との取引もありますが、当社が展開する多くの事業はANAグループ以外の企業様との取引です。そして、食品専門商社として多岐にわたる事業展開を行っている点が大きな強みです。
食品専門商社として、食品原料の輸入から加工・商品化まで一貫して担い、さらにギフト商品の企画・販売や国内食品の輸出まで幅広く手がける貴社ですが、新卒採用において求める人材像をお聞かせください。
梅原:
当社はMissionに「安全・安心のもと、感動をお届けし、食を通じてお客様の健康と笑顔に貢献する。」、Visionに「多彩な事業展開により新たな価値を創造し、お客様に選ばれ続けるOnly Oneの食品会社になる。」を掲げています。Vision実現に向けたValue(行動指針)として「安心・安全」「お客様視点」「変化対応」「自己革新と挑戦」「信頼と誠実」「思いやりの心」を定めています。新卒採用では、当社Valueを体現できる方にご入社いただきたいと考えています。特別な人物像は設けておらず、多様な価値観・能力を持つ方々を求めています。
新卒採用で大切にされている考え方はありますか。
梅原:
応募者の「人柄」を理解することを重視しています。最近ではこの方針が浸透し、面接官からは「面接時間が短い」という意見が多く聞かれるようになりました。そのため、応募者の人柄をより深く理解するため、2026シーズンから面接時間を延長しました。
折原:
当社が人柄重視の採用を行う理由は、Value(行動指針)に「信頼と誠実」や「思いやりの心」を掲げていることにあります。さらに、組織として、相手を受容し尊重しつつ自分の意見を主張する「アサーション」というコミュニケーション手法を取り入れており、新卒採用でも独りよがりにならず、周囲と調和しながら仕事を進めていく力があるかを重視しています。
オープンカンパニー等のイベントで工夫されている点や、新たに取り組まれていることについて教えてください。
梅原:
2026シーズンまではオンラインイベントのみでしたが、2027シーズンは新たに対面イベントも実施予定です。オンラインイベントは、例年、会社説明会と各事業部の若手社員による座談会を行ってきました。2027シーズンから開催する対面イベントは、「対面の座談会を実施してほしい」という学生の声に応えるかたちで実現します。会社説明・事業紹介や若手社員の座談会、加工場見学も予定しています。
学生の意見も参考に、イベント内容をブラッシュアップしているのですね。
梅原:
例年実施しているオンラインイベントも随時見直しています。近年、採用施策の傾向として「ラジオ形式の会社説明会」が増加していることを受け、2026シーズンからはマイク・カメラをオフで参加できる形式へと変更し、開催時間も平日19:00から30分間に設定しました。参加した学生からは「通学時間や空き時間に参加できる」といった声が多く、参加率の向上にもつながっています。
利便性を高めたことでイベント参加率が向上したとのことですが、他にも学生目線で工夫している点はありますか。
梅原:
「学生が不安に感じる時間を短くする」ことを意識しています。例えば、面接後の結果通知まで間が空くと、学生のモチベーションが下がってしまう可能性があります。それを避けるため、迅速に選考を進め、早めに結果を通知できるスケジュールを組んでいます。実際、私自身も就職活動中に「ANAフーズは選考スピードが速い」と感じていましたし、2026シーズンの内定者からも「選考がスムーズに進むので参加しやすかった」との声がありました。
学生の人柄は、どのような観点で見極めていますか。
折原:
当社の選考フローはエントリーシート、適性検査、グループディスカッション、2回の面接を実施しています。中でもグループディスカッションは、学生が自分らしさを発揮しやすい選考ステップだと感じています。リーダーシップを発揮する学生もいれば、一歩引いて他のメンバーの考えを引き出す学生もいる。そのような「個々の強み」を、グループディスカッションで見極めさせていただいています。
梅原:
私たちは「できる限り多くの学生に会い、その方らしさを見極めたい」と考えていますが、なかにはパフォーマンスを十分発揮できない学生もいらっしゃるかもしれません。そのため、面接の前後でも私たち採用担当が積極的に声をかけるなど、「その方らしさ」を引き出すように努めています。
採用広報の方針や取り組みについて教えてください。
折原:
採用広報については、昨年よりSNS活用やマイページコンテンツの充実に注力しています。SNSでは当社の事業に関する情報を中心に発信しており、例えば昨年は新たに発売したラオス産のスーパーハイランドバナナ『あまみ』の記事をANAグループのSNSで掲載しました。
梅原:
マイページコンテンツには「新入社員ブログ」と「社員インタビュー」を新たに追加しました。特に新入社員ブログでは、写真も複数枚掲載し、仕事内容だけでなく人柄も伝わるよう内容を工夫しました。原稿が上がった際には、「この部分をもう少し詳しく」と依頼し直すこともあり、手間と時間はかかりましたが、内定者から「新入社員ブログが入社の決め手になりました」と言われ、採用担当冥利に尽きる気持ちでした。
仕事内容に加えて社員の人柄も伝えることで、人柄に共感した学生が集まったのですね。
折原:
内定者が当社に入社し、やがて経験を積んだ後、新入社員の教育担当となる――。長く採用担当をしていると、このような縦のつながりを実感することが多々あります。採用した社員が力強く成長していく姿を見るたび、喜びを感じます。
梅原:
嬉しいことに、2026シーズンのエントリー者数は総合職が前年の1.5倍、一般職が2.6倍に増加しました。これはラジオ形式イベントや新入社員ブログの掲載など、様々な取り組みが成果につながったものと実感しています。当社を知り、深く理解し、「入社したい」と思ってもらえることが、採用担当として最大の喜びです。
最後に、今後の採用活動についてご展望をお聞かせください。
梅原:
学生の皆さんがキャリアの選択肢を広げられるよう、積極的な情報発信をしていきたいと考えています。例えば最近の学生は「できれば転勤したくない」と考える傾向がありますが、転勤があるからこそ得られる経験や学び、成長にも着目してほしい。事業や業務、働き方について多角的な情報を発信することで、「こんな働き方もあるのだ」と気づき、そこにご自身の未来を重ねていただければ幸いです。
折原:
今後も採用広報に注力し、まずは当社の認知度向上と業務理解の促進に努めていきたいと考えています。もちろん、会社説明会等のイベントでも事業内容を分かりやすく伝えることを心がけてまいります。しっかりと業務内容や商品を知っていただいた上で、「ANAフーズの一員になりたい」と志望する学生が増えてくれることを期待しています。
Special Feature 01
人材データを蓄積し、その後の採用可能性につなげていく「タレントプール」。
新たな採用手法の実現方法を紐解きます。
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