2010年入社。中讃営業所、本社総務部を経て、2016年より人事労務部に在籍し、2年間採用業務に携わる。その後、労務管理を担当。2024年7月から再び採用担当として、新卒採用に注力している。
佐賀 佳美Yoshimi Saga
株式会社四電工
人事労務部
2010年入社。中讃営業所、本社総務部を経て、2016年より人事労務部に在籍し、2年間採用業務に携わる。その後、労務管理を担当。2024年7月から再び採用担当として、新卒採用に注力している。
四国各県の電気工事会社の統合・合併により、1963年に設立された株式会社四電工。四国エリアで送配電設備の設計や施工を手掛けているほか、首都圏や関西圏でも各種設備工事を担うなど、広範なエリアで事業を展開しています。首都圏や関西圏における再開発需要の高まりを受けて、より多くの優秀な人材の確保が急務となっており、技術職の採用強化を進めています。応募者との接点を強化し、ミスマッチを防ぐ四電工の採用施策について、人事労務部の佐賀様に詳しくお聞きしました。
まずは、貴社の事業内容についてご紹介いただけますか。
当社は、四国各県にあった四つの電気工事会社の統合・合併により、1963年に設立した会社です。総合設備企業として、送配電設備工事業や建築設備工事業などを展開しています。前者の送配電設備工事業では、発電所や変電所から電気を送る送電設備や、電線・電柱といった配電設備の設計・施工・メンテナンスを手掛け、四国エリアのライフラインを支えています。一方、建築設備工事業は建物内の電気・空調・給排水設備の設計・施工・メンテナンスを、四国や首都圏・関西圏などの広域で担っています。このほか、当社がこれまで培ってきた技術を活かして、CADソフトの開発・販売や太陽光発電など幅広い事業を展開しています。
四国を拠点に地域のライフラインを支えながら、首都圏や関西圏など幅広いエリアでも事業を展開されているのですね。新卒採用では、どのような人材を求めていらっしゃるのでしょうか。
「プロフェッショナルな仕事をすることに使命感と誇りを持てる」「強い意欲と行動力で挑戦することができる」の二つを、求める人物像として掲げています。送配電工事や建築設備工事を手掛ける当社では、エンジニア一人ひとりが「地域のインフラを支え、社会に貢献する」という誇りと使命を抱き、常に技術・技能を磨いて自己成長していく姿勢が求められます。同時に、チャレンジ精神を発揮し、お客様の多様なニーズに応えていく姿勢も重要です。「10年で一人前」と言われる業界ですが、だからこそ教育・研修期間を十分に取ることで、新卒社員が自ら学び、成長できる環境を用意しています。
求める人物像にマッチする人材を採用するため、どのように採用活動を行っていらっしゃいますか。
新卒採用では技術職と事務職の2職種に分けて募集しており、どちらも学部学科不問としています。募集人数は技術職が圧倒的に多く、毎年110名前後採用しています。近年は首都圏および関西圏での再開発需要が高まっており、より多くの優秀な人材を獲得することが急務です。そのため、近年は技術職向けの採用施策をさらに強化しています。
技術職向け採用施策の強化とは、具体的にどのような内容ですか?
昨年までは、本社がある高松市内で仕事体験を対面とWEBの双方で開催し、首都圏・関西圏向けの仕事体験をWEBでのみ実施していました。しかし2026シーズンからは、首都圏・関西圏でも対面で仕事体験を実施しています。
対面で仕事体験を実施すると、当社の魅力の1つでもある「社風」をダイレクトに感じてもらうことができます。特に社員同士の掛け合いを見てもらうことで、社員同士の仲の良さや仕事に向き合う姿勢を理解してもらえます。首都圏や関西圏の大学に在学している応募者のニーズに応えたいという思いもあり、対面での実施に至りました。
新たに実施した仕事体験では、応募者にどのような「仕事」を体験してもらうのですか。
当社が展開している送配電工事や建築設備工事は応募者の皆さんにとってイメージがしづらく、特に土木・建築系学科以外の方は「興味はあるが、自分にもできるか不安」と懸念されることがあります。そこで、首都圏および関西圏の仕事体験では、CADソフトを使って建物内に配線・配管を描く「作図体験」をしてもらいました。また、各拠点に勤務している若手社員との意見交換会もプログラムに組み込み、仕事理解や企業理解を深めてもらいました。
参加者の皆さんの反響はいかがでしたか。
当社は合同説明会や大学内の説明会などにも積極的に参加しているほか、学校訪問にも力を入れています。訪問先で先生方に「今年から首都圏や関西圏でも仕事体験を実施する」と案内を差し上げたところ、多くの学生さんに参加していただけました。実施後のアンケートでも「業界の理解が深まった」「勉強になった」などの意見が多く、大きな手応えを感じています。
佐賀様は2016・17年にも採用業務を務めた経験がおありですが、当時と現在で就職活動に対する「学生の変化」を感じられたそうですね。
2016年と現在とでは、特に情報収集の方法が大きく変化しているように思います。コロナ禍を機にオンラインの説明会が浸透しましたし、SNSを活用して企業情報を収集する学生も増えてきています。また選考の早期化に伴って、学生が就活を始める時期も早まっています。以前からインターンシップや仕事体験が就職活動時の企業研究として活用されていましたが、現在は1~2年次より参加し企業研究している学生も少なくありません。
こうした学生の変化に合わせて柔軟に対応することが、採用担当として欠かせないと感じています。実際、当初は2026年卒を対象としていた首都圏・関西圏向けの仕事体験も、訪問先の先生から「特定の学年だけに絞る必要はない」とのアドバイスを受け、対象を広げることにしました。
大学訪問先での気づきから、コンテンツの拡充にも注力されるようになったのですね。
動画コンテンツで企業研究を行う学生が増えていることを受け、採用広報の方法を大幅に見直しました。これまではマイページを持たず、就職情報サイトに当社の情報を掲載する形でしたが、現在は各部門のインタビュー動画を制作し、マイページで公開しています。ログイン者が視聴できる形式にすることで、認知度を高める狙いです。少しずつ再生数も伸びてきているため、今後は仕事紹介や若手エンジニアの座談会など、動画のバリエーションをさらに充実させる予定です。
プレ期は対面での仕事体験を拡充することで企業理解や仕事理解を促進されていますが、本選考ではどのような施策を展開されているのでしょうか。
プレ期と同様に、本選考でも応募者との接点をしっかり持って、双方の理解を深めることが何よりも大事だと考えています。当社は適性検査及び複数回の面接で選考を行っていますが、選考前に応募者が抱いている疑問や不安を解消してもらえるよう、丁寧にお話しする個別面談を設けています。
実際にお話しすることで、応募者の皆さんに「良い会社だな」と感じていただく。そのプロセスをしっかり取ることで、ミスマッチを防げると思っています。確かに手間や時間はかかりますが、マッチングの要となる部分だと考えているので、今後も個別面談を継続する方針です。
採用チームの皆さんが応募者と向き合ううえで、大切にしていることはありますか?
採用担当者としては、応募者をサポートする姿勢が大切だと思っています。仕事体験の場では1日を一緒に過ごすので、こちらからフランクな話題を投げかけることが多いですね。応募者の皆さんにとっては「選考と直接は関係ない雑談なら、気軽に話せる」という安心感があるようです。そうした場で当社のやりがいや社会的使命を率直に伝えながら、四電工に興味を持っていただくきっかけになればと願っています。
最後に、これからの採用活動についてのご展望をお聞かせください。
就職は人生の大きなターニングポイントなので、応募者とのミスマッチが起きないようにしたいと考えています。そのためにも、応募者一人ひとりの特技やニーズを確認したうえで、四電工の魅力を丁寧に伝えていくことが重要だと考えています。
動画などのコンテンツを拡充し、一人でも多くの方に当社を知っていただくこと。対面でお会いできる機会を増やし、入社の意欲を高めてもらうこと。この二つを今後も貫いていきます。特に先輩社員との対話は、応募者が「働く自分」をイメージするうえで、大きなヒントになると思います。「やりたい」と思っていることと少しでも重なる部分を当社の社員に見出していただけたら、とても嬉しいですね。
Special Feature 01
人材データを蓄積し、その後の採用可能性につなげていく「タレントプール」。
新たな採用手法の実現方法を紐解きます。
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