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Interview

学生との接点強化で内定承諾率向上。
選考早期化に対応した東洋冷蔵の採用戦略

RECRUITMENT

Published on 2025/07/25

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Profile

中坪 里砂Risa Nakatsubo

東洋冷蔵株式会社
総務人事部 人事課

2017年新卒入社。サーモンの仕入れ・販売を担当した後、2019年4月に総務人事部人事課へ異動しました。新卒採用業務を中心に、新人研修や年次研修、等級研修の企画・運営を担当しており、近年は中途採用業務にも携わっています。

東洋冷蔵株式会社は、マグロやエビ、サーモンなどを中心に、世界各国から仕入れた水産物を加工・販売している国内トップクラスの水産総合商社です。独自のバリューチェーンを構築し、いち早く刺身マグロを日本全国に広めるなど、業界をリードしてきた実績があります。採用面では、社内インタビューに基づく求める人物像の明確化や、各フェーズでの学生との接点強化など、さまざまな施策を進めています。近年の早期化が顕著な選考スケジュールの中でも、一つひとつの取り組みを丁寧に行い、学生の皆さんと真摯に向き合う東洋冷蔵の採用活動について、採用担当の中坪様にお話を伺いました。

採用の棚卸しを行い、求める人物像を言語化

まずは、貴社の事業についてご紹介いただけますか。

当社は1971年に設立した水産総合商社です。メイン商材はマグロ、エビ、サーモンで、創業当初から取り扱っているマグロは業界トップクラスのシェアを誇っています。1970年代には、物流全体を超低温でつなぐ独自のバリューチェーンを確立し、日本各地に「刺身マグロ」を普及させるなど、新しい領域への挑戦を続けてきました。商社機能とメーカー機能を兼ね備えており、仕入れ・輸入から加工・販売に至るまで一貫して担うことで、新鮮で高品質な水産物を世界中の食卓にお届けしています。

採用においては、どのような人材を求めていらっしゃるのでしょうか。

「地球・海への感謝を常に忘れず、日本の食を支える」という使命感を持った方を求めています。地球や海がもたらす恵みに対する感謝をベースに、「日本の食を支える」という強い思いを持っていること。そして、失敗や挫折を恐れず、乗り越えていく力強さと、物事を戦略的に捉えて先回りして行動するしたたかさが重要だと考えています。これらの資質を象徴するキーワードとして、「熱い」「強い」「したたか」を掲げています。

とても印象的なフレーズですね。

ありがとうございます。こちらは、2021年に採用活動の棚卸しを行った際に導き出したものです。若手から役員まで幅広い社員にインタビューを実施し、「当社で活躍している社員の特徴」を集約していった結果、3つのキーワードに落ち着きました。私自身も、この作業を通じて東洋冷蔵の仕事や事業の魅力を改めて確認できましたし、現場社員の思いをより深く理解できたと感じています。学生の皆さんに当社の魅力を伝える際に、大きな助けになっています。

採用施策の見直しも、同時に行われたのでしょうか。

はい。定期的に施策を振り返りながら、適宜ブラッシュアップを図っています。例えば2025シーズンでは、内定承諾率向上を目指した取り組みを実施しました。また、プレ期間に行う仕事体験の開催日数を増やして参加学生とのフォローを強化し、より早い段階から学生の皆さんとの関係づくりを進めています。

社員と学生の接点を強化し、内定承諾率を向上

内定承諾率向上の施策や、早期段階から学生と関係を構築する取り組みに注力されているとのことですが、その背景を教えてください。

少子高齢化が進む日本では、母集団が一気に増えることはあまり期待できません。さらに、選考の早期化で内定から入社までの期間が長くなる傾向にあります。そこで2025シーズンより、選考途中に2回ほど「先輩社員と話せるイベント」をオンラインで実施することにしました。1回目は若手社員2名がブレイクアウトルームを設け、50分の時間内で応募者の皆さんが自由に入退室して質問できる形式をとっています。2回目は中堅社員が担当し、仕事内容を具体的に紹介しながら質問にお答えしています。

最終選考合格後には個別フォローも行っていらっしゃるのですね。

はい。選考中に実施するイベントは当社の魅力を伝えることに重きを置いているのに対し、最終選考合格後の個別フォローは、応募者の疑問や不安を解消することに注力しています。人事面談では福利厚生や各種制度を改めてご説明し、先輩社員との面談では「サーモンの仕入れについて知りたい」といった学生の要望に合わせて担当社員を選ぶなど、個別対応を大切にしています。こうした取り組みによって学生の皆さんの納得感が高まり、内定受諾率の向上につながっていると感じています。

早期の段階で学生との関係性を築くために、どのような施策を行っているのでしょうか。

当社では夏(2days)・10月(1day)・2月(2days)の3期間で仕事体験を実施しています。2026シーズンからは、夏の仕事体験を従来の2回から計6回に増やしました。マグロやサーモンなど商材別にプログラムを用意し、提案型営業の体験を通じて東洋冷蔵の「商社機能とメーカー機能を併せ持つ特徴」を理解していただくことを狙いとしています。10月は夏の仕事体験参加者を対象に1dayイベントを行い、振り返りや社員との座談会を通して社風や雰囲気を感じてもらっています。2月の仕事体験では工場見学なども含め、さらに深い事業理解を得ていただける機会を提供しています。

企業理解と仕事体験の参加率を高めた大学訪問

ここまで多彩な施策を展開されているとのことですが、2026シーズンで特に注力している取り組みはありますか。

大きく2つあります。1つ目は、マイページを活用した採用広報の強化です。マイページに採用ブログを掲載し、新人研修の様子などを随時紹介しています。2つ目は大学訪問で、水産系学部の先生方にご協力いただき、授業の一コマをお借りして水産業界や働き方について直接学生の皆さんにお話ししました。その結果、「授業で東洋冷蔵を知り、興味を持って仕事体験に参加した」という声もいただき、大学訪問が大きな効果をもたらしたと感じています。

選考の早期化に伴い、プレ期間から本選考まで長期にわたって学生とコミュニケーションを図る機会が増えると思いますが、そのやりがいや魅力はどのような点にあるのでしょうか。

仕事体験に参加して内定を承諾した学生が、入社後に活躍する姿を目の当たりにしたときは、やはり格別の喜びがあります。年々頼もしく成長する若手社員を見ると、採用担当としてのやりがいやモチベーションを強く感じます。

最後に、今後の採用活動についての展望を教えてください。

今後も、学生の皆さんに企業理解や仕事理解を深めていただける施策を進め、プレ期間から本選考、そして内定後のフォローまで一つひとつ丁寧に取り組んでいきたいと思います。東洋冷蔵の魅力をしっかりとお伝えし、多くの方が当社に興味を持ってくださり、入社意欲を高めてもらえれば大変うれしいです。


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