2017年入社。経営企画部に配属後、6年間にわたって法務に携わる。2023年、組織人事部に異動。タレントマネジメントシステムの導入に従事した後、2024年4月より採用担当を務める。
RECRUITMENT
Published on 2025/03/14
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浦山 結衣Yui Urayama
四国計測工業株式会社
経営戦略本部 組織人事部 人財開発課
2017年入社。経営企画部に配属後、6年間にわたって法務に携わる。2023年、組織人事部に異動。タレントマネジメントシステムの導入に従事した後、2024年4月より採用担当を務める。
四国電力向け基幹システムを中心に、発電所や工場向けの電気計装設備の設計・工事・保守、さらに一般産業向け製造関連装置の開発など、多岐にわたる事業を展開している四国計測工業株式会社。同社は応募者と社員が対話する機会を数多く設け、自社の魅力を発信してきました。しかし、認知度が低いため、母集団形成において採用広報施策の改善が不可欠と考え、創立70周年を迎えた2021年には全社を挙げて広報施策を展開しました。学生一人ひとりに寄り添った丁寧な採用活動と効果的な採用広報施策によって、どのような成果を挙げてきたのか。採用担当の浦山様にお話を伺いました。
まずは貴社の事業内容について教えてください。
当社は、四国電力グループにおいて「ものづくり」を担う会社です。1951年に創業し、電気使用量を計測する「電力量計」の修理・整備から事業をスタートしました。その後、事業を拡大し、現在では四国電力向けに各種計測・制御システムを開発・製造するほか、発電所や工場向け電気計装設備の設計・工事・保守といったエンジニアリング事業も手がけています。また、計測・制御を主軸としたエレクトロニクス技術を強みとし、近年では製造時の効率化や省人化を実現する「インフルエンザワクチン製造関連装置」をはじめ、一般産業向け製品の開発にも注力しています。
計測・制御を主軸としたエレクトロニクス技術を強みに、一般産業向け製品も開発されているのですね。では、新卒採用における「求める人物像」を教えてください。
新卒採用では、「探究心を持ち、柔軟な発想で課題解決や価値創造に取り組める方」を求めています。社会は目まぐるしく変化しており、どの企業も生き残りをかけてさまざまな取り組みを進めています。当社の取引先であるお客様も同様で、そのニーズに向き合いながら最適な製品を提案しています。入社される皆さんには、現状のやり方やスタイルにとらわれず、柔軟な発想で新たな挑戦をしていただきたいと考えています。
ここ数年、「離職者ゼロ」を達成されていると伺いました。「若手社員が辞めない会社」を実現するために、採用施策で工夫していることはありますか。
最近、昨年度入社のうち1名が残念ながら離職したため、「離職者ゼロ」というと嘘になるのですが…それまでの数年間は達成していました。ただ、「離職者ゼロ」を目指して採用施策を構築しているわけではありません。「結果として若手社員が退職していない」という表現が適切かもしれません。もともと当社は離職率が低く、定年まで勤め上げる社員が多いです。これまでの採用活動が貢献しているとすれば、多くの社員と応募者が直接対話する機会を設けている点でしょう。その対話によって応募者は「自分が目指す未来と当社の目指す未来が同じ方向を向いているか」をじっくりと確認できます。その結果、ミスマッチが起きにくくなっているのだと思います。
社員と話す機会として、どのような採用施策を行っていますか?
現場の若手社員の中からリクルーターを選出し、応募者の皆さんと直接会う機会を設けています。さまざまなイベントを企画・実施していますが、「社員と話す」ことに特化したイベントとしては、オンライン座談会があります。より多くの方に参加いただけるよう、2026シーズンでは「女性活躍」や「Iターン・Uターン」など、テーマを細分化しました。このほか、「仕事体験」ではリクルーターとの個別相談会も随時開催しています。
とても興味深い取り組みですね。学生の反応はいかがでしょうか?
応募者は年齢の近いリクルーターを身近に感じてくれているようです。毎年、内定者や内定辞退者にアンケートを実施しており、「四国計測工業が一番多くの社員と会えた」という前向きな声を多数いただいています。リクルーターも自ら話しやすい雰囲気を作るなど、とても協力的です。中にはリクルーターを経験した後に「人事部門への異動」を希望する社員もいます。
リクルーターの皆さんの姿勢から、貴社の社風が伝わってきますね。
ありがとうございます。社員の人柄の良さは当社の大きな魅力の一つです。座談会や仕事体験に参加した方はその魅力をすぐに感じ取ってくださいます。しかしながら、当社は応募者からの認知度が低いため、採用広報施策を改善してより多くの方に注目していただく必要がありました。実際、認知度アップは採用だけでなく、会社全体の課題でもありました。
そこで、創立70周年を迎える2021年を契機に、全社を挙げて広報施策を展開しました。会社全体の広報施策としては、四国の放送局でテレビCMを放映し、SNSでの広告展開を行ったほか、私鉄にラッピング広告を掲出しました。同時に、採用広報施策の強化にも取り組みました。
貴社の採用サイトを拝見すると、仕事紹介や社員紹介などのコンテンツが非常に充実しています。創立70周年記念動画も公開されていますね。
創立70周年を機に採用サイトをリニューアルしました。また、従来型の就職情報サイトに加えて、新たにオファー型サイトを導入したほか、応募者用のマイページも開設しました。さらに、採用パンフレットも新たに制作しました。
採用サイトやパンフレットの制作に際しては、若手社員の意見を徹底的に聞き、それを反映させました。例えば、採用パンフレットのタイトルは、複数の候補から若者の視点で選んでもらいました。
若手社員の目線を活かして、採用サイトや採用パンフレットを作り込んでいったのですね。
70周年のタイミングで全社を挙げて広報活動に取り組んだことで、学生の認知度が大きく向上しました。当社のテレビCMはアニメーション形式で制作しており、学生の皆さんの心に響いているようです。「CMやCMのキャラクターをラッピング印刷した電車を見て四国計測工業を知った」という応募者も沢山います。現在では、マイページのトップ画面にもそのCMキャラクターを掲載しています。
社員と対話する機会を多く設け、採用広報施策を強化されるなど、多角的な視点で採用施策を進めていらっしゃいますが、浦山様ご自身が採用活動で大切にされていることはありますか?
当社は四国各県および東京に拠点がありますが、応募者の中には「実家から通いたいので香川県内の拠点に勤務したい」といった希望を持つ方もいらっしゃいます。そのような希望を「隣県でも通える」と乱暴に決めつけることは避けたいと思っています。場合によっては地域別採用を検討する必要があると考えています。このように、「応募者一人ひとりに寄り添うこと」を大切にしています。
学生の皆さんの未来も見据えた採用活動をされているのですね。
新卒採用は私と上司の二人で対応していますが、応募者の皆さんにお会いできることを毎回楽しみにしています。先日、早期選考の面接を実施した際、以前仕事体験に参加してくれた学生が熱心に質問に答える姿を見て、胸が熱くなりました。このように、応募者の皆さんとの接点を大切に繋いでいくことで、将来、当社の仲間になってくれるかもしれないと考えるだけで、採用担当になって本当に良かったと思えます。
また、これは私の上司の経験談ですが、昨年、10年前に採用した社員たちの同期会に招かれたそうです。当時の採用人数は8名と今より少なかったものの、一人も欠けることなく全員が勤続10年をお祝いしました。同期会では、「仲間と一緒に四国計測工業に入社し、ここまで続けてきて本当に良かった」という言葉をかけてもらい、上司は思わず涙を流したそうです。
貴社ならではの「深い絆」が伝わってきます。最後に、今後の採用活動についてご展望をお聞かせください。
今年から採用担当として各部署の社員とやりとりする中で、改めて「当社の技術職はかっこいい」と実感しました。四国エリアで電気が当たり前に使用できる環境の裏では、社員が責任と情熱をもって作り上げた数多くのシステムが24時間365日絶えず働いています。また、70年以上の歴史の中で獲得した技術が活かせるフィールドを追求し、常に変革の動きを止めない、そんな現場の“かっこよさ”をさらに発信できるよう、採用広報施策を拡充していきたいと考えています。また、採用広報だけでなく、工場見学などの魅力的なイベントも企画・実施していく予定です。これからも応募者一人ひとりに寄り添い、安心して入社日を迎えられるようなサポートを続けていきたいと思います。
Special Feature 01
人材データを蓄積し、その後の採用可能性につなげていく「タレントプール」。
新たな採用手法の実現方法を紐解きます。
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