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Interview

目の前の学生と、全力で向き合う。
第一三共が切り拓く、「職種別採用」の最前線

RECRUITMENT

Published on 2024/10/11

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Profile

辻 貴司Takashi Tsuji

第一三共株式会社
人事部 人材採用グループ

2003年、三共株式会社(当時)に研究職として入社。約20年にわたり、低分子創薬を中心とした業務に携わる。2023年、社内公募制度に応募し、人事部に異動。現在は新卒採用のチームリーダー・担当者として、学生に研究職、データサイエンスの魅力を伝えることに注力している。

井上 洋大Yodai Inoue

第一三共株式会社
人事部 人材採用グループ

2013年に新卒入社。MRとして開業医、基幹病院、大学病院などを幅広く担当したのち、2022年4月より現職。長年にわたるMR経験を活かし、採用チームの中でもMRとコーポレートスタッフを担当している。

第一三共は、日本でも屈指の研究開発力を誇る先進的グローバル創薬企業です。同社の採用における最大の特長は、各職種を志望する学生への手厚い配慮。研究職、データサイエンス、開発職、ファーマコビジランス職、MR、コーポレートスタッフなど、細分化された職種別採用でありながら、各職種の魅力を丁寧に伝え、学生の想いを受け止める丁寧なコミュニケーションをとっています。世界レベルのサイエンス&テクノロジーを支える人材戦略は、いかにして実現されているのか。研究職・データサイエンス担当の辻様とMR・コーポレートスタッフ担当の井上様にお話を伺いました。

一次面接では、1時間かけて研究について議論

まずは改めて、貴社の事業についてご紹介いただけますか。

辻:
当社は「世界中の人々の健康で豊かな生活に貢献する」というパーパス(存在意義)を掲げ、新薬創出を主事業として展開する製薬会社です。サイエンス&テクノロジーを強みとしており、研究開発力では国内屈指を自負しています。一般の方には「ルル」などのOTC医薬品でなじみがあるかもしれませんが、こちらは売上の数パーセントにすぎません。医療用医薬品、特にがん領域で当社の医薬品は高い評価を得ています。

貴社の採用ポリシーや、求める人物像について教えてください。

井上:
職種を問わず、患者さんの生命や健康を守るために医薬品を届けたい、という情熱や挑戦心を最も重視しています。人物像として掲げているのは「全体最適の視点をもったプロフェッショナル人材」というものです。学生時代に培った専門性や成果を重視すると同時に、自発的なチャレンジに取り組めるポテンシャルも大切に見極めたいと考えています。

貴社の職種別採用には、どのようなコースがあるのですか?

井上:
毎年、若干の募集職種の変更はありますが、現在は研究職、データサイエンス、開発職、ファーマコビジランス職、MR、コーポレートスタッフの職種です。割合としては研究職が最も多く、およそ半分を占めています。MR出身の私はMRとコーポレートスタッフ、研究職出身の辻は研究職とデータサイエンスをメインに担当しています。

細分化された職種別採用ですね。仕事内容や求められる資質、さらには惹きつけのポイントもそれぞれ異なると思いますが、採用においてはどのような工夫をされていますか?

辻:
職種別に最適なコミュニケーションを模索し、学生ファーストの対応を目指しています。まず、私が担当している研究職とデータサイエンスの採用では、一次面接が充実したものになるよう尽力しています。具体的には、学生の専門に近い知識を持つ面接官が学生の研究発表を聞き、深い議論を交わすというものです。一人あたり、45分から1時間程度の時間をかけて行います。

一次面接としては異例の長さと充実度ですね。どのような狙いがあるのですか?

辻:
サイエンス&テクノロジーを強みとする第一三共にとって、研究職の採用は最重要課題の一つです。高い研究遂行能力を持つ人材を見極めるためには、大学でどのような研究を行っているのか、細かく聞き取ることが欠かせません。生物学、ワクチン開発、蛋白質工学など、学生の専門領域に可能な限り近い面接官が担当することで、学生の研究スキルや情熱を判断できると考えています。また、研究職志望の学生も、自分の研究について理解してほしいという熱意をもっているものです。専門が近い社員が彼らの想いを受け止め、さらに彼らの研究に対してアドバイスも行う。学生にとっても得るものがある面接を目指しています。

まさに第一三共らしさの表れた一次面接ですね。応募者の志望動機も高まるのではないでしょうか。

辻:
内定者向けのアンケートでは、当社が第一志望になったきっかけとして、この一次面接を挙げてくれる方が非常に多いですね。「面接で研究に関する議論をここまで深くできた会社は他になかった」「大学での研究にも役に立つヒントがもらえた」「入社後もやりがいのある研究ができると感じた」といったポジティブな意見がたくさん寄せられています。

職種別の魅力が伝わる社員体験プログラム

MRやコーポレートスタッフの採用では、どのような工夫をされていますか?

井上:
私が担当しているMRおよびコーポレートスタッフの採用では、インターンシップ期に実施している社員体験イベントに特に注力しています。これは、現場社員を交え、実際の業務を疑似体験できるワークに参加してもらうというもので、当社の業務や社風を知っていただくことはもちろん、学生の成長につながるよう配慮してプログラムを作成しています。特に大事にしているのは、当社がCore Behavior(核となる行動様式)として掲げている「学び、挑戦し、主体的に行動すること」。実際に参加した学生の多くから「第一三共の主体的な働き方に触れることができた」「学生の成長をしっかり考えて接してくれていると感じた」というコメントをいただいており、とても嬉しく思います。

企業全体の人材戦略と、採用施策がしっかり一致しているわけですね。

井上:
当社で現在推進しているグローバル化を体感していただくことも、コーポレートスタッフの社員体験では重視しています。例えばオンラインでグローバルメンバーとつなぎ、英語での疑似会議に参加してもらうといったものですね。オンラインイベントの特性を活かしつつ、業務の特長を感じ取ってもらえるイベントを心がけています。

辻:
研究職では社員体験の代わりに、ジョブ型研究インターンシップを実施しています。これは、政府が指針を出している大学院生の就職支援モデルに従い、博士学生を対象として、2ヶ月間実際に職場で社員と共に仕事をするというものです。インターンシップ分類の中ではタイプ4「高度専門型インターンシップ」に該当します。インターンシップ中の業務に対しては給与が支給され、学科の単位も取得できるため、学生にとってのメリットも大きい内容となっています。

先進的なインターンシップの取り組みです。成果はどのようにご覧になっていますか?

辻:
やはり通常の選考と比べて相互理解が深いと感じます。2ヶ月間一緒に働いていれば、学生の人となりや能力はよくわかりますし、学生側も当社の仕事や社風を正しく理解してくれるでしょう。また、社員からも、学生とともに働くことで成長できたというポジティブな声が聞かれました。インターン参加者から採用につながった実績もすでにあり、今後も続けたいと考えています。

それだけ理系学生に寄り添った採用をしていれば、採用ブランドの確立にもつながりそうです。

辻:
ありがたいことに、当社を第一志望に挙げてくださる研究職志望の学生は増えており、優秀な方にご入社いただいています。もっとも、これは人事の手柄ではなく、会社としてのパフォーマンスが高まっているおかげでもあるでしょう。良い人材の採用と会社の成長とが、良いスパイラルを生み出せるよう、努力しなくてはと思います。

生成AIなど、HRテクノロジーにも挑戦したい

今後の採用に向けて、目標をお話しいただけますか。

辻:
第一三共といえばサイエンス&テクノロジーの製薬会社です。そのコア部分を担う研究職とデータサイエンスの採用は今後も力を落とさず、質の高い人材を獲得し続けていきたいと考えています。そのために挑戦したいことの一つが、AIの活用です。

AIは採用市場のトレンドになりつつありますね。どのように活用していく見込みですか?

辻:
ニュースや新聞で取り上げられているところによると、今の学生の半分が生成AIを使ってエントリーシートを作成したり、面接練習をしたりしているというデータもあるそうです。そうした準備をしている学生の本質を見極めるためには、我々の側もAIを導入する必要があるでしょう。例えばAIを使って作成されたエントリーシートを適切に評価するためのシステムや、面接での評価を支援するシステム、面接官を教育するシステムなどがその一例です。時代の変化に乗り遅れないよう、導入を検討したいと考えています。

井上:
製薬会社というと理系学生、特に薬学部の学生が目指す業界として認知されているかもしれませんが、当社では文系学生も積極的に採用しています。一時期はMRも薬学生に限定していましたが、現在はまた文系採用が復活しています。今後はグローバル化が進み、多様性という観点からも、文系社員が活躍する場が広がることでしょう。「医薬品に関わる勉強はしていなかったけれど、製薬会社での仕事を通じて社会貢献を実現したい」と志す文系学生をもっと増やせるよう、文系MR経験者の一人として精進したいと思います。当社のピープルフィロソフィーの中には、「『人』を最重要な『資産』と位置づけ、患者さんや顧客のより良い明日を創造するために、社員を力強く支えます。」という一文があります。採用活動を通じて、このフィロソフィーの実現に貢献できれば嬉しく思います。


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