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Interview

業務を効率化し、学生へのフォローを最大化。
三菱マテリアルトレーディングの「コンピテンシー採用」

RECRUITMENT

Published on 2023/10/27

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Profile

島﨑 雅人Masato Shimasaki

三菱マテリアルトレーディング株式会社
総務部 人事グループ

素材を取り扱う専門商社で営業を経験したのち、2019年、人事へのキャリアチェンジを志して三菱マテリアルトレーディングへ入社。人事グループにて中途採用に従事する。現在は新卒採用、中途採用、新入社員研修、階層別研修の他、幅広い人事制度の企画運用に携わっている。

三菱マテリアルグループの中核商社として、非鉄金属や金属加工品、幅広い工業部品などを手掛ける三菱マテリアルトレーディング。商社パーソンに相応しい人材を求める同社では、応募者のコンピテンシー(成果を出す人の行動特性)を重視した面接を実施し、入社後まで見据えた手厚いフォローを行うことで、マッチングの強化と定着を実現しています。一方、少数の採用チームで業務効率を高めるため、適性検査システムや外部企業へのアウトソースなども積極的に活用。採用の質と効率を両立させる秘訣について、人事グループの島﨑様にお聞きしました。

ファクト重視のコンピテンシー面接で、求める人材を見極める

まずは改めて、貴社の事業や特徴についてご紹介いただけますか。

当社の親会社は、非鉄金属メーカーである三菱マテリアルです。当社は1947年、三菱マテリアル(当時は三菱鉱業)の資材の代理購入や損害保険代理業を行うために設立されました。現在は非鉄金属やセメントなどの素材の他、金属加工製品などの工業製品などを幅広く手掛ける商社として、幅広い産業分野に貢献しています。三菱グループならではの信頼感と、幅広い業界と取引を行うことによる経営リスクの低さが、当社の強みと言えると思います。

商社パーソンは高い行動力・思考力が求められるとも言われますが、貴社ではどのような人材を求められていますか?

一言でいうと、自分の頭で考え、自分の足で動ける人です。社内で展開しているさまざまな事業に強く興味関心を持ち、スペシャリストとして成長していただけるような方が理想ですね。選考において特に重視しているポイントはコンピテンシー(成果を生み出す人の行動特性)。大学や成績にとらわれず、学生時代において個々人が努力し、出した成果を評価するよう心がけています。

コンピテンシーの高い人材を採用するために、どのような工夫を行われているのでしょうか。

当社は例年、一次面接、二次面接、最終面接という3回の面接を行っており、一次面接は我々採用チームが面接官を務めています。企業によっては一次面接を短時間で実施したり、グループ面接で効率化を図るケースもありますが、当社はすべての面接が個人面接であり、一次面接も一人あたり30~40分かけて行います。ここで、学生時代に力を入れ、成果を出したことについて深くヒアリングし、コンピテンシーが高い人材を見極めています。コンピテンシー面接を実践するにあたっては、専門書で勉強したり、セミナーに参加するなどしてやり方を身につけました。最初は手探りの部分もありましたが、面接経験を積んだいまは、採用チームのメンバー全員が精度の高いコンピテンシー面接ができるようになったと感じます。

コンピテンシー面接を重視する理由は何でしょうか?

例えば、企業理念に対する共感や志望動機といったものを重視する面接もありますが、時間が経てば情熱的な思いが冷めていくということも考えられます。一方、これまでの人生で何をしてきたかというファクトが変わることはありませんし、そこから見出されるコンピテンシーは再現性が高い特性です。商社の仕事には困難がつきものですので、それを乗り越えて長く活躍していただくためにも、コンピテンシー面接は有効だと考えています。

採用業務を効率化することで、学生のフォローを最大限に強化

近年、採用競争が激化しています。貴社にマッチする人材を入社につなげるため、注力されていることがあれば教えてください。

学生へのフォローを可能な限り手厚くすることです。当社の一次面接はかなり合格率が低く、一言で言えば「本当に当社に入社してほしい人だけ」に次の選考へ進んでいただいています。二次面接以降に進む応募者が少なくなるため、結果的に少ない人数の採用チームでも手厚いフォローが可能となっています。ちなみに、一次面接の前には適性検査を実施しており、コンピテンシーの高い人材を優先的に選抜することができています。

学生へのフォローとは、具体的にどのようなものですか?

二次面接以降の当社の採用チームは、完全に学生を応援する側に回ります。例えば当社はエントリーシートを一次面接通過後に提出していただいているのですが、シートの書き方について相談に乗ったりもしますね。二次・最終面接の前には面談の時間を持ち、面接で聞かれることや、準備しておくべきことなどをアドバイスします。その他、就職活動について相談に応じることも少なくありません。私が学生と接するとき大切にしているのは、正直であること。人事というのはどうしても「自社の都合のいいことしか言わない人」と見られがちなので、こちらに都合の悪いことも隠さず話します。例えば「A社と御社のどちらに行くか迷っている」と相談されて、「もし●●の仕事をしたいというこだわりが一番強いなら、私ならA社に行くかもしれないなあ」と本音を言ったこともあります。現場社員との面談をセッティングする際にも、あえて社員と打ち合わせはしません。学生に、社員の素の姿を見てほしいからです。

手間を惜しまず、誠実なコミュニケーションをとられているのですね。学生からの反響はいかがですか?

こちらが正直になると、学生もこちらに対して率直に就活状況や想いを伝えてくれるようになりますね。人事の印象は、学生にとって身近な判断材料のひとつでもあるようで、中には「島﨑さんに騙されて入社しました(笑)」などと冗談を言う新入社員もいます。また、フォローのおかげだけではないと思いますが、新卒社員は入社後の活躍も順調で、離職者も出ていません。

素晴らしい成果です。それ以外に、採用活動において注力されている施策があれば教えてください。

当社のことを早い段階から深く知っていただく上で、インターンシップは重要な施策です。現在は1dayのオンラインインターンシップを中心に、さまざまなかたちで実施していますが、いずれも現場の社員が参加し、リアルな仕事内容を疑似体験できる内容です。ちなみに、インターンシップのプログラム開発は外部の専門企業に委託しています。これにより、学生のニーズに合わせた質の高いインターンシップを実現すると同時に、先ほど申しあげたような学生への手厚いフォローや面接の準備といった業務に集中できています。

アウトソース、適性検査、一次面接でのコンピテンシー測定など、合理的な仕組みを導入することにより、業務効率化と丁寧な応募者コミュニケーションを両立させているわけですね。

採用するだけでなく、入社後の定着も見据えて人事制度を構築

島﨑様は採用業務だけでなく、新人研修や人事制度の構築にも携わられています。新入社員の定着に向けた取り組みは行われていますか?

以前の採用チームの役割は新人研修までで、現場に配属された後は配属先に育成を任せていました。しかし、定着率の向上に向け、昨年度からは現場配属後も毎月一度は新人と面談を行う制度を設けました。新入社員が現場で困っていることなどを聞き取って、それに対するアドバイスをしたり、配属先の上司にフィードバックして部署ぐるみで問題を解決するよう働きかけたりします。

面談制度の成果はいかがですか?

非常に有意義だと感じています。これまではスルーされていた新入社員の悩みを解決することはもちろん、彼らの話を通して各現場の課題を発見し、職場を改善するきっかけにもなるからです。面談を行うようになってから、新入社員の安心感は大きく向上したと思います。

採用するだけでなく、入社後の活躍まで見据えた人材への支援を行われているのですね。最後に今後の採用活動に向けた目標を教えてください。

現在は一次面接を採用チームのみで担当していますが、ここにもぜひ現場社員に参加してほしいと考えています。現場社員が採用に関与することで、配属後のギャップをいままで以上に防ぐことができると考えているからです。参加する現場社員にとっても、採用に関わった責任を実感しながら新人を育成できるようになるなど、メリットが大きいのではないかと思っています。

学生の価値観や傾向はめまぐるしく変わり、実は私自身も、最近だんだん学生とのジェネレーションギャップを感じるようになってきました。そのような中でも、現場の若手社員や採用チームの若手メンバーとコミュニケーションをとりながら、自社にとっても学生にとってもより良い採用を目指していきたいと考えています。


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