2014年、新卒入社。国内営業部で家電量販店やディスカウントストアを対象とした個人向け製品の営業に従事したのち、2019年に人事課へ異動。新卒・中途含む採用全般と研修の企画・運営をメインに担当する。2021年からは人事制度の改定にも取り組み、2022年度より新評価制度を運用開始。社内有志によるCSRプロジェクトにも参加し、人事の枠を超えたチャレンジにも取り組んでいる。
Published on 2023/03/17
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村松 龍治Ryuji Muramatsu
株式会社オーディオテクニカ
管理部 人事課
2014年、新卒入社。国内営業部で家電量販店やディスカウントストアを対象とした個人向け製品の営業に従事したのち、2019年に人事課へ異動。新卒・中途含む採用全般と研修の企画・運営をメインに担当する。2021年からは人事制度の改定にも取り組み、2022年度より新評価制度を運用開始。社内有志によるCSRプロジェクトにも参加し、人事の枠を超えたチャレンジにも取り組んでいる。
「音を通して心豊かな人生を」をビジョンに、音響機器の製造・販売を手掛けるオーディオテクニカ。ヘッドホン、マイクロホンなどを通じて最高水準のオーディオ・ソリューションを実現すると同時に、食品加工機器や産業用クリーナーの開発、さらにはアウトドアブランドも展開しています。2022年には創立60周年を迎え、「もっと、アナログになっていく。」という新たなブランドメッセージを発信。採用において大切にするのも「アナログ的な感性」だといいます。オンライン化が進む今だからこそあえて応募者とリアルに向き合い、一人ひとりの個性を尊重するアナログ採用戦略の真価とは。人事課の村松様に語っていただきました。
貴社は2022年に創立60周年を迎え、「もっと、アナログになっていく。」という新たなブランドメッセージを掲げられました。このメッセージにはどのような想いが込められているのでしょうか。
オーディオテクニカはもともとレコード針の開発・製造からスタートした企業です。その後ヘッドホンやマイクロホンを軸とした音響製品の開発も手掛けるようになり、今ではこれらが当社の主力商品となっています。よく意外だと言われるのですが、すしロボットなどの食品加工機器や産業用クリーナー「テクニクリーン」も、実は約40年行っている事業です。このように時代の変化に合わせて事業の幅を広げてきた当社ですが、創立60周年を機に改めて原点に立ち返ったとき、浮かび上がってきたキーワードが「アナログ」。ここにはもちろん、レコード針に象徴されるアナログオーディオ文化への想いも含まれますが、それだけではありません。私たちが創業以来大切に守り続けてきた「人間らしさ」や「感性」をさらに追い求めていきたいという想いを込めて「もっと、アナログになっていく。」というブランドメッセージが生まれました。
貴社の歴史や“らしさ”が反映された、素敵なブランドメッセージですね。採用活動においても、このメッセージは意識されているのでしょうか。
ブランドメッセージはもともと採用戦略とは別に作られたものではあったのですが、自然に人事の価値観や採用活動にも結び付いたと考えています。もともと当社は採用活動においてもアナログな感性を大切にしていたので、「もっと、アナログになっていく。」という言葉をみて「これは私たちの採用スタンスを見事に言い表している!」と腑に落ちる思いがしました。
採用における「アナログな感性」は、どのように発揮されているのでしょうか。
応募いただいた一人ひとりとしっかり向き合い、その方の個性を大切にする姿勢に、アナログな感性が現れていると思います。例えばコロナ禍以降は当社でもオンライン施策は取り入れていますが、対面でのコミュニケーションを非常に大切にしています。特にインターンシップは当社のリアルな仕事内容や社風を知っていただくため、対面での実施を重視しています。
インターンシップにおいてどのような工夫を実践されているのか、教えてください。
昨年までは「全面オンライン」か「全面オフライン」のいずれかの方式で実施していたのですが、今年からは「別日程に90分ほどのオンライン説明会を実施した後、対面インターンシップに参加してもらう」という流れに変更しました。画面越しでも情報を伝えやすい会社説明はオンラインで効率化し、実際の体験として魅力を伝えられるインターンシップは、1日しっかり時間をかけて対面で行いたいという方針です。
オンラインとリアル、それぞれの良さを発揮したインターンシップ設計ですね。対面インターンシップの内容はどのようなものですか?
夏期インターンシップでは、商品企画を疑似的に体験するグループワークを実施します。文系・理系を適度に織り交ぜたグループで商品企画に関するディスカッションと発表をしていただくという内容ですね。冬期のインターンシップは理系学生限定で開催し、エンジニアの仕事に特化した体験をしていただいています。例えばマイクロホン開発体験であれば、無響室という音が響かない特殊な部屋でマイクの性能を測定する。レコード針開発なら、実際にレコードを再生して音質を評価するといった内容です。
実際の仕事現場でリアルな体験ができるのはインターンシップの醍醐味ですね。参加者の反応はいかがですか?
レコード針次第で音質が変化する音響機器の奥深さや、特殊な設備で実験をする面白さを知れて良かったという方が非常に多いですね。レコードを聴いたことがなかったという学生も、これを機に興味を持ってくださいます。夏期インターンシップの商品企画体験も好評です。商品企画は人気のある職種ですが、実際にどのように仕事しているかはあまり知られていません。文系・理系の学生が協力して企画をすることで、「自分とは別の価値観や知識を持った人と意見を交わしながらモノをつくる面白さに気づいた」といったポジティブな意見をたくさんいただいています。
先ほど、学生の個性を大切にしているというお話をいただきました。学生とのコミュニケーションにおいては、どのような点に注力されているのでしょうか。
コミュニケーションの基本ではありますが、話しやすい雰囲気づくりを意識しています。就活生と社会人が普通に話すと壁ができてしまいがちで、それぞれの価値観や本音を引き出すのが難しくなるもの。そこで私は学生が拍子抜けするほど軽い「学生ノリ」を心がけています。学生の本音を引き出す最も重要な場面はもちろん面接ですが、そのためには面接に至るまでのコミュニケーションがしっかりとれていなければなりません。学生と最初に出会うインターンシップは、特に学生の緊張をほぐすために軽いノリで話すようにしています。また、「対・学生」だけでなく、「社員同士」のコミュニケーションも社風を伝える上では重要です。人事である私がインターンシップに参加している社員と気軽に話すことで、「社員同士が話しやすい会社なんだな」と思っていただければと考えています。実際、当社は規模も大きくはないですし、音楽好きが多く集まっていることもあって相当フランクな社風なんです。
面接もやはり対面で行われているのですか?
コロナ禍以降は、集団面接はオンラインで、1次面接はオンライン・対面の選択制で、最終面接は対面で行っています。やはり対面で話すと、画面越しでは感じとりにくい「体全体が発する情報」が伝わってくるもの。当社と学生とが対等に選び合う関係性でいるために、対面の面接は重要な役割を担っていると思います。学生が面接の場で存分に思いの丈を話せるよう、面接前には控室で軽い雑談をし、緊張をほぐすよう心がけています。こういうことができるのも、対面ならではの魅力ではないでしょうか。
まさに「もっと、アナログになっていく。」を体現する採用ですね。今後の目標や、中長期的な展望についてお話しください。
人事としての中長期的な目標は、社員の皆さんが笑顔でいきいきと個性を活かして働ける環境をつくっていくことです。例えばキャリアコンサルティングのしくみを社内に取り入れ、ベテランも若手も自分の望むキャリアを相談し、実現できる環境を整えていきたいと考えています。
そうした施策は、今いる社員にとってメリットになることはもちろん、就活中の学生にとってもポジティブなアピールになりそうですね。
そうなればいいな、と考えています。もっとも、現在の当社もすでに、現場の社員のアイディアからアウトドアブランドがスタートするなど、個々の社員が自分のやりたいことを実現しやすい会社だと思います。私自身、人事に異動してすぐに人事制度の改定や新たな採用施策を任せていただいており、とても面白い環境だと感じていますね。これからも、デジタルツールは取り入れつつも、一人ひとりの個性に焦点を当ててしっかり向き合うアナログな採用を継続し、オーディオテクニカの魅力をしっかり伝えていきたいです。
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Special Feature 01
人材データを蓄積し、その後の採用可能性につなげていく「タレントプール」。
新たな採用手法の実現方法を紐解きます。
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