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Interview

“超本気”の施策でマッチングを追求。
リブ・コンサルティングの採用が学生に評価される理由

Published on 2022/10/21

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Profile

蔦澤 和也Kazuya Tsutazawa

株式会社リブ・コンサルティング
HRグループ マネージャー

2015年、新卒入社。経営コンサルタントとしてクライアント企業の経営全般を支援する。2018年から人事を兼任し、社内の採用、育成、評価、活性化に取り組む。2022年1月より現職。現在は社内人事全般のマネジメントと共に、クライアント企業の人事・組織コンサルティングも手掛ける。 

村上 友梨

株式会社リブ・コンサルティング
HRグループ シニアコンサルタント

2020年、新卒入社。経営コンサルタントとしてクライアント企業の人事・組織コンサルティングを行いながら、社内人事業務を兼任。社内人事においては、新卒の採用、育成、評価、活性化に取り組んでいる。

「100年後の世界をよくするインパクトカンパニーを増やす」――そんな理念を掲げ、経営コンサルティング事業を展開するリブ・コンサルティング。2012年設立、平均年齢は31歳と若い会社でありながら急速に成長を遂げ、すでに2か国の海外進出に成功しています。そんな同社の新卒採用の特徴は「時間を惜しまず応募者とのマッチングを徹底すること」。約半年間にわたって人事、役員、現場コンサルタントが応募者と密に向き合うことで、新入社員の定着率や入社後の活躍率が劇的に向上したといいます。この破格ともいえる社員総力型採用はいかにして生まれ、現在の完成形に至ったのか。HRグループの蔦澤様・村上様のお話から浮かび上がってきたのは、企業理念と堅く結びついた、ゆるぎない人財への想いでした。

精鋭コンサルタント育成に向けて、ミスマッチを全力で防ぐ

貴社は2012年設立とコンサルティング業界では比較的新しい会社でありながら、2か国の海外進出を果たすなど急速な拡大を遂げていますね。業界における貴社の特色はどのような点にあるのでしょうか。

蔦澤:
当社は「100年後の世界をよくするインパクトカンパニーを増やす」という理念を掲げて事業を展開しています。インパクトカンパニーとは、展開する事業やサービスによって社会に“Before”“After”が生まれる、そんなインパクトを生む中堅・ベンチャー企業のこと。例えば未来のGAFAのような企業をこの国から生み出し、世の中に貢献することを目指しています。そのため、一般的なコンサルティング会社は過去、または現在の社会をリードする大手企業を主に支援していますが、当社は将来の社会をリードするような可能性を秘めた中堅・ベンチャー企業を中心に支援しています。

村上:
コンサルティング業界には主に事業戦略の立案を行う企業が多いのですが、リブ・コンサルティングでは戦略を描くだけでなく、クライアント企業の現場を巻き込みながら、共に成果を創出することを重視しています。

そうした事業内容を踏まえ、貴社ではどのような採用ポリシーを掲げていらっしゃるのでしょうか。

蔦澤:
当社が採用において最も大切にしているのは、「ミスマッチを起こさない」ということです。リブ・コンサルティングでは通常、プロジェクトチームを数名で構成し、分析から実行まで一貫して携わります。数十人~数百人の人員が関わる大手企業向けのコンサルティングチームと違い、クライアント企業の経営者とコンサルタント一人ひとりが結ぶ信頼関係は非常に強い。メンバーがたった一人欠けたり、価値発揮できないだけでも、プロジェクトに大きな影響を及ぼしてしまうわけです。だからこそ、当社の理念や仕事内容に深く共感し、コンサルタントとして成長できる方だけを確実に採用し、離職率を限りなくゼロに近づけることを目指しています。

村上:
選考においては、スキル以上にマインドセットを重視しています。コンサルティングを通じて社会に貢献したいという想いを持ち、クライアント企業の経営者・社員に深く感情移入しつつ、本気で経営戦略に取り組めるような方。そういう方を見極め、内定まで導くことが我々のミッションです。

貴社では一般的な日本企業と比べるとかなり早い時期に採用活動を開始しています。早い学生では大学3年生の3月頃から選考に参加し、10月頃には内定が出るということですが、この早期採用は採用ポリシーとどのような関連があるのでしょうか。

蔦澤:
他社と比べて特に早い時期に採用したい、と考えているわけではなく、学生一人に対してかける時間が非常に長いので、採用期間を前倒しにスタートせざるを得ないというのが実情ですね。当社では学生一人に対し、期間としては半年ほど、実質的な時間としては少なくとも数百時間はかけて相互理解を深めています。

時間を惜しまず、マッチングを徹底

普通の会社では考えられないほどのエネルギーを採用に注がれているのですね。ミスマッチを防止するために、具体的にどのような採用施策をとられているのでしょうか。

蔦澤:
大きく3つの施策に注力しています。一つ目は長期インターンシップです。内容は、1か月間ほど実際に出社いただき、多くの社員と関わりながら実務に近いワークを体験するというもの。新型コロナ流行時にはオンラインに切り替えましたが、内容としてはほぼ同じです。

一般的には、インターンシップの期間は1日から5日間程度というケースが多いようです。なぜここまで長期間かけて実施しているのでしょうか。

蔦澤:
それぐらいの期間がなければ十分な相互理解は難しいと考えるからです。特にコンサルティング業界に対しては「何となく恰好よさそう」という憧れを持っている方も多いので、リアルな仕事を体験し、十分理解を深めていただく必要があると思いますし、それがミスマッチの防止につながると考えています。

インターンシップの原点回帰とも言える考え方ですね。二つ目の施策はどのようなものですか?

蔦澤:
一人の学生に対して一人の若手リクルーターがマンツーマンでフォローする、リクルーター制度を設けています。このフォローにも相当の時間を割いており、3か月間ほどかけて何度も面談を繰り返し、入社後にどのような仕事がしたいのか、今後のキャリアプランイメージについても、かなり明確に固めていきます。この期間を通じて学生は入社後、自分が当社でどのように活躍するのかを鮮明にイメージできるようになり、わたしたちとしても一人ひとりの学生にどういったキャリアパスを用意できそうかを一緒に考えることができるわけです。

リクルーター制度自体は一般的な手法ですが、入社後を見据えた密なコミュニケーションを取られているところが特徴的です。

蔦澤:
ミスマッチを防ぐ第三の施策は、適性検査です。当社では一般的な適性検査に加え、社内のハイパフォーマー群を独自に分析し、自社オリジナルの性格診断システムを導入しています。ありがたいことにこのテストはかなり高い精度を発揮し、当社とマッチする人財に会える確率が高まりました。

村上:
先ほども少しお伝えした通り、当社のコンサルティング業務はエモーショナルな要素も多分に含んでいます。コンサルティング業界ではロジカルシンキングを最重視する傾向がありますが、中堅・スタートアップ企業に深く入り込んで事業戦略を推進するリブ・コンサルティングでは、スキル以上に人格面を大切にしています。

3つの施策を通して、徹底したマッチングを図られていることがよくわかりました。これらの施策に対する学生からの反響や、実際の採用における効果はいかがですか?

蔦澤:
このようなスタイルでの採用を始める前と比べると、格段にミスマッチが減ったことを実感しています。例えば、一般的に新卒者の3年以内離職率は3割程度と言われていますが、当社の今年3年目の社員は誰も辞めていません。

コンサルティング業界としてはもちろん、一般的な日本企業と比べても低い離職率ですね。

村上:
2020年に入社した私自身の実感としても、入社後にギャップを感じることはほぼありませんでした。入社前にたくさんの社員と会って話せたおかげです。私の場合は選考中に30人近い社員と会ったのですが、その全員が「一緒に働きたい」と思える人ばかり。そういう人がもし一人か二人だったら、入社後に一緒に働けるとは限りませんが、当社の規模で30人もいれば必ず入社してすぐに一緒に働くチャンスがある。おかげで安心して入社できました。

蔦澤:
採用活動に対する学生からの評価としては、大手就職情報サイトが運営する「就活口コミアワード」ベンチャー部門でも表彰されました。これは体験談をもとに選ばれた「本当に受けてよかった」と思う企業が選ばれるものであり、「インターンシップなどを通じ、若手へのサポートに力を惜しまない社風を感じた」といった意見を多数いただき、本当にありがたく思っています。

5年間かけて構築した、「超本気」の新卒採用戦略

こうした施策を実施するには、相当の採用コストがかかるのではないでしょうか。いったいどのようにしてこのような採用戦略を構築・実現したのか、お話しいただけますか。

蔦澤:
おっしゃる通り、採用コストは非常に高いと思います。1か月間のインターンシップや3か月間にわたるリクルーター面談など、ほとんど全社員が採用に参加しているので、現場への負担も少なくはありません。実はこのような採用戦略にシフトしたのは5年ほど前、私が人事に携わり始めてからです。当時は新卒採用のコストは低く、しかし効果は伸び悩んでいる状態。いっそ中途採用をメインにしたほうが良いのでは、という話もあったのですが、その前に一度新卒採用に「超本気」で挑戦しよう、と決断しました。

かなり大変なチャレンジだったのではないでしょうか。

蔦澤:
もちろん、最初の数年は苦労しました。せっかくコストをかけて採用した人に内定辞退されることもありましたし、大学3年生時に内定を出した人が入社して活躍するまでには何年もかかります。費用対効果という点で成果が見え始めたのは、この1年ほどの話ですね。若手の定着率も高く、高い業績を残して新人賞を受賞するような人財もどんどん出てきた。おかげで今では社員全員が、採用に全力を尽くすことの意義を理解してくれるようになったと思います。

一流のコンサルタントを育てようという貴社の志を改めて理解できました。最後に、今後の採用戦略に向けて、お二人のビジョンや抱負をお聞かせください。

蔦澤:
当社の事業は順調に拡大し続けており、採用人数も増加が見込まれています。近い将来には、現在のように社員総出で採用に取り組むのは難しくなるでしょう。現在の採用チームのDNAを残しつつ、事業拡大に対応することが、今後の課題となります。また、設立10周年の節目を越えた今、リブ・コンサルティングは第二創業期を自覚的に作り出さねばなりません。さらに多様なメンバーを迎えるため、これまでと違った人財へのアプローチ手法も模索しなければ、と考えています。

村上:
設立10年を過ぎた今、当社ではますます新卒で採用した人財の比率が高まり、事業の中核を担いつつあります。だからこそ今後は、新卒者を採用するだけでなく、彼らの成長速度を高めていく取り組みがさらに重要になるでしょう。採用と育成・評価・活性化を一貫してレベルアップすることが、今後の事業拡大に向けて私たちのミッションになると考えています。

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