複数の企業での人事経験を活かし、2019年9月に東急ステイサービス株式会社(当時)に入社。2020年7月東急リゾーツ&ステイ株式会社の発足以降、採用の企画・運営を中心に各種人事関連業務に従事する。
Published on 2022/08/12
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大川 玲子Reiko Okawa
東急リゾーツ&ステイ株式会社
総務人事統括部
人事部 人財開発グループ 係長
複数の企業での人事経験を活かし、2019年9月に東急ステイサービス株式会社(当時)に入社。2020年7月東急リゾーツ&ステイ株式会社の発足以降、採用の企画・運営を中心に各種人事関連業務に従事する。
金子 遥Haruka Kaneko
総務人事統括部
人事部 人財開発グループ
2018年、株式会社東急リゾートサービス(当時)に新卒入社。東急ハーヴェストクラブ蓼科リゾート 兼 蓼科東急ホテルにてフロント業務を経験。2020年より現職、採用実務全般に従事する。
東急リゾーツ&ステイ株式会社は、株式会社東急リゾートサービス、東急ステイ株式会社、東急ステイサービス株式会社の統合により、2020年7月に誕生しました。統合前の各社が運営していた「会員制リゾートホテル」「都市型ホテル」「ゴルフ場・スキー場」等、多角的なサービスを展開しています。こうした特徴が経営上の強みや多彩なキャリアプランを生み出す一方、学生に会社の魅力をわかりやすく伝えるのが難しい一面も。そこで同社が注力するのが、マイページを軸にリアルな組織風土や魅力・特徴を伝える広報戦略です。圧倒的なマイページログイン率、そして内定後まで続く高ログイン率をどのように実現しているのか、新施策に挑み続ける人事部の大川様、金子様にお伺いしました。
貴社は東急不動産傘下の会社が統合して設立された新しい会社ですね。改めて事業内容や特徴についてご紹介いただけますか?
当社は東急不動産が展開するホテル・リゾート事業の強化を目的に、東急リゾートサービス、東急ステイ、東急ステイサービスが統合して 2020年7月に誕生しました。統合により、「会員制リゾートホテル」「都市型ホテル」「ゴルフ場・スキー場」等において、お客様に多彩な過ごし方や楽しみ方を提案していることが特徴です。当社の施設を利用される方は年間400万人にのぼりますが、その目的も観光・ビジネスのためのホテル宿泊からリゾートホテルでの長期滞在、レジャーなど幅広く、さまざまな領域のサービスを通してお客様に余暇を楽しんでいただけることが強みです。また、当社は「FUN MAKE SPECIALIST」というビジョンを掲げており、すべての領域に共通して「また訪れたいという想いを積み重ねていくこと」を大切にしています。
非常に多彩なサービスを展開されているのですね。そうした事業の特徴を踏まえて、貴社ではどのような採用方針をとられているのでしょうか。
金子:
事業内容が幅広いぶん、採用広報において学生に各事業の内容や、そこで働いている社員の想いといったものを正確に伝えることは簡単ではありません。ありがたいことに、当社が東急グループの一員であるということで興味を持ってくださる学生はとても多いのですが、私たちとしては当社のことを深く理解いただき、共感いただいた上で入社の意思決定をしてほしい。そのため、当社の採用においては「当社のありのままの姿を伝え、共感していただくこと」を最重要の課題として位置付けています。
大川:
事業領域が広いということは、働く人にとってもメリットがあります。特に、自分の強みがどのような仕事で発揮できるのかわからない、いろんな仕事を経験しながら自分の可能性を見つけたいという学生にとっては、入社後にさまざまな仕事にチャレンジできるチャンスに満ちた環境と言えると思います。
貴社が求める人物像はどのようなものなのでしょうか。
大川:
どの事業領域でも、仕事の基本は現場でお客様のおもてなしをすることです。マニュアル通りの接客に終わらず、お客様の想いを察して柔軟に対応し、お客様の「ありがとう」という言葉に心から喜べると、多くのやりがいを感じていただけると思います。
あわせて、世の中の環境変化に柔軟に対応し、常に進化・変革に取り組める方を当社は求めています。
金子:
東急ハーヴェストクラブは会員制のリゾートホテルなので、高級で堅苦しいイメージを持つ学生さんもいるのですが、実際には個々のスタッフが個性を発揮してサービスを提供しています。お客様から「フロントの○○さんに会いたいから、出勤日に合わせて予約したい」と指名を受けるほど信頼の厚い社員もいました。採用広報においては、そのような魅力的な社員の姿を見せ、共感いただくことを目指しています。
2023新卒採用では、コロナ禍の後を見据えて採用人数を前年と比べて増やしたそうですね。採用目標に向けて取り組まれた施策についてお聞かせください。
大川:
早い時期からの母集団形成に向け、インターンシップには特に注力しました。統合後数年しか経っていない当社はまだ学生からの認知度が高いとは言えず、まずは当社のことを広く知っていただきたい。インターンシップは会社紹介や学生の自己理解の機会と位置付け、大事にしています。
金子:
インターンシップはオンラインで実施しています。これは新型コロナウイルスの感染対策のためでもありますが、日本全国で事業を展開しているビジネスの特性上、幅広い地域にお住まいの方と接点を持ちたいという意図もあります。コンテンツの企画・制作にあたっては、多種多様な業種・職種をまんべんなく紹介すること、そしてお客様と接する現場社員の想いをリアルに伝えることを心掛けています。また、インターンシップの一環で実施している座談会では、各事業部の社員が会社や仕事のことを率直に話し合い、学生からの質疑にも応えました。
参加者からの反響はいかがですか?
「東急グループだから」「ホテル業界に興味があったから」という漠然とした動機でエントリーした方も、「インターンシップを通じて改めて事業の多彩さがわかり、興味深かった」「さまざまな“おもてなし”に触れ、今後の人生に向けて勉強になった」といった嬉しい言葉をいただけています。
インターンシップの参加から、内定につながるケースも多いのでしょうか。
大川:
もちろんそういったケースもありますが、私たちとしては、インターンシップはあくまで会社紹介・自己理解の場であり、選考に直結するものとは位置付けていません。最終的に当社とご縁がなかったとしても、当社に対して、そして東急グループに対して親しみと理解が多少なりとも深まればいいな、と考えています。東急グループは鉄道・都市開発をはじめ多様な事業を展開しており、当社の手掛けるホテル・リゾート事業もグループ各社との連携によって成り立っています。インターンシップで接点を持った学生が、将来「お客さま」としてご縁がつながってほしい、そんな期待も抱いています。
貴社ではマイページを通じた採用広報に注力されていると伺いました。具体的にどのような施策を展開していらっしゃいますか。
金子:
当社では、誰でも閲覧できる採用ホームページとは別に、登録いただいた方のみ閲覧できるマイページを設け、こちらにはホームページにない、より深い情報を掲載しています。例えばさまざまな事業、施設、職種の紹介記事や、現場で活躍している社員のインタビュー記事といったものですね。統合前に各社が持っていたものの活用しきれていなかったコンテンツも、見やすいかたちに編集して掲載しています。事業、職種の魅力や、仕事において直面する「壁」や、それを乗り越えてこそ得られるやりがいなど、リアルな情報を伝えることで、共感してもらうことを目指しています。
大川:
マイページの運用は金子がメインで担当しており、CMS(コンテンツマネジメントシステム)を使い内製で進めています。精力的に更新しているため、コンテンツはかなり充実したものになりました。さらにマイページは採用ホームページと違い、ターゲット別・フェーズ別に情報を発信するという、マーケティング視点を活かした活用を行っています。
ターゲット別・フェーズ別の情報発信は、どのように行われているのですか?
金子:
例えば学生がエントリーし始める時期には、エントリーシート提出につながるように興味喚起できる情報を発信し、面接前の時期には、あらかじめ読んでおけば安心して面接を受けられるような情報を発信しています。また、選考中の方と内定者とで表示する画面を分けています。内定者向けコンテンツでは特に入社に向けて役立つ情報を発信し、内定者フォローにつなげています。
反響はいかがですか?
金子:
分析の結果、就活メディア経由ではなく、採用サイト等から直接流入してエントリーくださる学生の比率が、他社と比べてかなり多いことがわかりました。また、マイページに一度もログインしていない、いわゆる0回ログイン者はほんの数名のみ。ありがたいことに5回以上ログインされる方も多く、中には100回、200回と繰り返しログインし、隅々まで情報を見てくださった方もいらっしゃいました。
マイページからの「ファンづくり」に成功されている証拠だと感じます。最後に、今後の採用活動に向けた展望をお聞かせいただけますか?
金子:
個人的には、まだまだ会社の魅力、特に働く社員の魅力を伝えきれていないと感じているので、マイページを中心にもっと情報を発信していきたいです。それも、美しく見せるだけではなく、リアルな社員の声を多くの学生に届けたい。採用人数を増やす上でも、入社後のマッチングを高める上でも、それが大切だと考えています。
大川:
いかに会社のファンを作っていくかが今後ますます重要になると思います。そのためには現状のインターンシップやマイページなどの施策に打ち込むだけではなく、新たなツールも積極的に導入し、採用活動の在り方そのものから改善していくことも必要でしょう。当社が求める人材と出会うためには、私たち自身も進化・変革を意識し、新技術・新施策の導入に積極的に挑戦しなければならないと考えています。
Special Feature 01
人材データを蓄積し、その後の採用可能性につなげていく「タレントプール」。
新たな採用手法の実現方法を紐解きます。
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