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Interview

広告的手法で「YOMIKOファン」を作れ!
揺るぎなき「Team YOMIKO」への挑戦

Published on 2021/01/18

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Profile

五十嵐 和明Kazuaki Ikarashi

株式会社読売広告社
人事局 人事部
部長

1988年、読売広告社に入社し、営業職として活躍。1999年から2004年まで札幌支社で勤務。2005年より本社に戻り、2012年から営業部長に就任。2016年から人事局能力開発部長として、新人研修・社員育成に携わる。2018年より人事部に映り、人材採用および組織人事全般のマネジメントおよび実務を遂行している。

1929年創業の読売広告社は、91年の歴史がある広告会社。社名の由来は創業当時に展開していた新聞の求人広告にありますが、現在は博報堂DYグループの総合広告会社として、新聞、テレビ、雑誌、ラジオ、インターネットなど幅広いメディアを活用したプランニングや広告制作、イベント企画などを展開しています。そんな同社がここ数年、新卒採用のキャッチコピーとして掲げているのが「ONE TEAM」という言葉。そして今年からは「Team YOMIKO」をキャッチコピーに、さらに高いチーム力を目指しています。「大きな会社でないからこそ、全社員がひとつのチームとして切磋琢磨できる。それが当社の魅力だと思います」と語るのは、人事部長の五十嵐和明様。広告手法を駆使しつつ丁寧に学生の心に寄り添う、独自の採用戦略についてお伺いしました。

「Team YOMIKO」を合言葉に、「人」と向き合う

貴社の新卒採用サイトでは、数年前から一貫して「ONE TEAM」というキャッチコピーが用いられていますね。このコピーにはどのような思いが込められているのですか?

当社の従業員は約700名と、決して大きな会社ではありません。よって、直接仕事で接する機会がない社員同士もお互いの顔と名前がだいたい一致しますし、どういう仕事をしているかといったことも見える範囲です。心が通い合う社員が一つのチームを組み、いい仕事をやろう、より大きな競合他社と勝負しようという思いで仕事に打ち込むのが、当社の社風です。我々と「ONE TEAM」で仕事に取り組んでくれる学生を採用したい、という気持ちが、このコピーには込められていますが、今年からは「Team YOMIKO」に変更し、さらにチーム力を高めていこうという想いを込めました。

「人とのつながりを大切にする」というテーマは、採用サイトでも強調されていると感じました。これはやはり、広告事業という貴社のビジネスとも関連しているのでしょうか。

その通りです。私も長年営業として経験を積む中で実感してきたのですが、広告会社の仕事というのは常に人と向き合う仕事です。お客様、チームメンバー、そして協力会社やパートナーの方々など、たくさんの人との協力なしに仕事を進めることはできません。「Team YOMIKO」という言葉が示す通り、当社は特にこの点を大切にしている広告会社だと思います。新卒採用においても、学生の、人と向き合う中でどのように自分を表現できるか、といった対人スキルを重視しています。

五十嵐様ご自身は、採用活動においてどのような点を最も大切にされていますか?

「YOMIKOのファンを作る」ということですね。新卒採用において、私たちも学生から選んでもらう立場です。広告業界における競合はもちろん、今では異業界の採用競合もたくさんあります。そんな中で当社を選んでもらうためには、当社がどんな会社であるか、ポジもネガも正直に開示しなければならない。その上で、心から当社に共感してくれる人に入社してほしいですし、お互いにミスマッチは最も避けなければならないことだと考えています。そのためにも、学生との接点を増やし、より深いコミュニケーションをとることを心がけています。

インターンシップから内定者フォローに至る、緻密な「接点」づくり

学生との接点を増やすために、具体的にはどのような施策を実施されていますか?

例年、インターンシップにはかなり力を入れています。大学3年生の早い段階で、3日間のインターンシップを開催し、広告会社の仕事を学んでいただくと共に、多くの社員と接点を持つことで当社のことを深く理解してもらう内容です。

しっかり時間をかけて学生に寄り添われているのですね。

時間もそうですが、一つ一つの貴重な接点を大切にしたいと考えています。たとえば1回の面接は20分程度しかなく、学生と話せる時間はごく短いもの。しかし本当は、前日までにメールのやりとりをしたり、面接当日の受付や待合室での会話、そして面接後にお礼のメールを送るなど……そのすべてが学生との「接点」であり、おろそかにすべきではありません。面接結果が不採用だった人に送るメールについても、テンプレートをそのまま使うのではなく、心を込めた文章を送るようにしています。面接自体も、来てくれた学生の就活にプラスになるよう、「今の答えは良かったですよ」といったフィードバックを伝えることもあります。

すべての工程において非常に丁寧な採用活動ですね。インターンシップなども含めた長期的な採用計画は、どのように立てられているのですか?

採用計画はかなり時間をかけ、緻密に作成しています。大学3年生向けに開催する夏のインターンシップが採用活動のスタートだとすると、その半年から9ヶ月前には計画を立てるというイメージですね。大学4年生向けの最終面接の時期から逆算しながら、その年ごとの学生の状況を踏まえ、どの時期にどんなイベントを開くかを決めていきます。

相当早い時期から計画を立てられているのですね。

当社の採用チームは人数が少ないうえ、イベントが多いので、必然的に緻密なスケジューリングが必要になるのだと考えています。ちなみにこの採用計画には、採用活動が終了した後の入社までの内定者のフォロー施策も含まれています。

内定者フォローについてはどのような方針で行われているのですか?

内定者向け研修や親睦会を開くほか、希望者を募って後輩にあたる大学3年生向けのイベントに登壇してもらっています。イベントでは、自分の就職活動の振り返りや、当社の選考に関する話などをしてもらうのですが、これは大学3年生に向けてのアピールになるだけでなく、内定者自身が当社や広告業界への理解と納得感を深め、さらに社員とのつながりを強めるのにも役立つと考えています。

これも、学生との接点の強化の一環というわけですね。

その通りです。もちろん、これはあくまで希望者のみの参加ですし、必要以上に拘束はしません。学生の本分である、学業と遊びをしっかり全うしてから社会人になってもらいたい、というのが当社の基本的なスタンスです。

学生のあらゆるニーズに合わせたイベントを開催

2021年卒採用は新型コロナウイルスの流行期と重なりました。貴社が重んじる学生との「接点」に変化はありましたか?

面接は例年通りすべて対面で行いましたので、選考フローや内容に大きな変化はなかったと感じています。

あえてオンライン面接を行わなかった理由は何でしょうか?

2020年春の時点では、オンライン面接に必要なスキルが私たちにないと判断したからです。申しあげた通り、当社は人と人とのつながりを大切にする会社です。学生と充分なコミュニケーションがとれる確信がないまま、学生にとって大切な面接を行うことはできないと考えました。もちろん、対面面接はあらゆる感染対策を万全にして実施しましたし、学生に対してもその内容を開示しました。また、東京本社だけでなく、面接の実施地域を増やすことで、学生の移動による感染リスクを極力減らす配慮もおこないました。

学生からの反応はいかがでしたか?

想像以上にポジティブなものでした。学生にとってもオンラインのみの選考は不安だったようで、当社のスタンスに共感してくれる人が大半でした。内定者アンケートを見ても、「入社の決め手は社員の魅力」と回答する人は例年以上に多いという結果でした。

採用市場全体では、例年に比べ「社員の魅力」を理由に入社を決めた学生がやや減少したというデータもありますが、貴社では社員が学生に対してきちんと想いを伝えられていたのですね。今後の採用戦略についてはどのようにお考えですか?

2022年卒採用からは、オンライン面接も導入していく予定です。オンラインでも学生の見極めができるよう、我々面接官のスキルアップもしっかり行いました。また、2020年の夏からはイベントの多様化に力を入れています。

イベントの多様化とは?

学生、特に大学3年生と対峙していると、人によって就職活動への温度感や進度が全く違うと感じます。特に2020年は新型コロナウイルスの影響もあって大学からのサポートが少ない中、意識が高く情報収集が早い学生がいる一方、まだまだこれからという構えの学生もいました。しかも今年は、大手就活サイト等主催による大型リアルイベントがほとんどありません。そこで考えたのが、「学生のニーズに合わせた自社イベントを多数企画する」ということです。

たとえばどのようなイベントを実施されたのでしょうか。

まず「これから就活を始める学生」向けに、「就活支援セミナー」を開催しました。自己分析を一緒に作り、広告業界で求められる人物像とすりあわせるという内容で、かなり好評でした。他にも、広告業界に興味を持つ学生向けには「業界研究セミナー」、そしてすでに業界理解が深い学生に対しては「職種別セミナー」など、より深掘りしたセミナーを開催しました。こうした複数のイベントを、スタンプラリーのように順に受けていただければ、業界のこと、当社のことを深く学べる。そういう仕組みを作りました。

徹底したターゲティングに基づく導線設計、イベント企画……まさに広告会社らしい採用戦略ですね。

そうかもしれませんね。長期的な採用活動の中に、こうした独自施策もさらに注力し「YOMIKOファン」を増やしていきたいと考えています。我々は業界大手ではありませんが、当社にしかない魅力はあると思いますし、「他社ではなく、読広に入りたい」と言ってくれる人を採用したい。そのような想いから、当社では、最終面接のあとに必ず「入社するかどうかを決めるのは、あなた自身です。焦らずよく考えて、入社を決めてくださいね」と学生に伝えています。

マッチングへの情熱を感じます。最後に、五十嵐様ご自身の、採用への想いをお聞かせいただけますか。

私自身、営業経験を経て実感していることですが、読売広告社は「自分で考えて、自分で決めて、自分でやりきる」というスタンスを誰もが持っている会社です。各自が目標に挑み、成長できる。そして会社はその機会を与え、支援する。――そういう当社の魅力を学生に伝える人事の仕事に、心からやりがいを感じます。さらに当社は一人ひとりの社員が会社に及ぼす影響も大きく、「人=資産」という確固たる認識を経営陣が共有しています。それだけに、会社の“未来”を作る採用という仕事に誇りを感じます。私も人事局に異動して5年が経ち、自分が育成や採用に関与した新人も中堅社員となりつつあります。彼らの成長を見ると、人事担当としての幸せと喜びを感じますね。

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