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応募者の「体験価値」を高める施策を。 インターンシップにおけるコミュニケーション設計事例
コロナ禍での採用活動の基盤がつくられたと言える昨シーズンまでを経て、コロナ禍3年目のインターンシップ期を迎えています。早期の接点であり、企業理解の場であるインターンシップは、採用のスタート地点としての認識が強くなりました。そのような中で、手法や集客・囲い込みのテクニックにこだわるのではなく、「働くことの体験」に価値を感じてもらうことを重視したインターンシップを設計する動きが広まっています。今回は、体験価値にフォーカスし、インターンシップを設計している企業の事例をご紹介します。
一連の流れを持ったインターンシップ設計
まずおさえておきたいのは、インターンシップを体験価値という観点でみたとき、当日の充実度やプログラムの内容はもちろんのこと、その前後のコミュニケーションにもさまざまな施策を考えてみることができるということです。夏季インターンシップではこんなことを伝え、冬季インターンシップを終えたときにはこんな気持ちになっていてほしい、そのためにそれぞれのイベントの間でどのような準備が必要か……といった、一連のコミュニケーションとしてインターンシップを活用していくことで、その価値は高まっていくと考えられます。
例えば、ある食品メーカーでは職種別にインターンシップを用意し、下記のように、職種ごとに時期にあわせたアプローチを設計することで、仕事の魅力を深めていくことをねらいとしたインターンシップを行っています。
【営業職向け】
①夏季インターンシップ前:
夏季インターンシップのプログラムへの興味促進、また企画内容の予習として、マイページ上で主力製品の紹介コンテンツを用意。加えて、その主力製品について営業職がどのような視点で製品を捉えているか、その製品の推しポイントなどの解説も掲載することで、製品と営業職の関わり方を実感してもらうこと目的としています。また、登壇する社員については、経歴や出身大学などの情報を掲載しておくことで、応募者に質問などを準備してきてもらえるようにしています。
②夏季インターンシップ:
事前に採用サイト上で紹介していた製品について、営業担当が拡販活動の経緯とともに解説。サイトを紹介しきれなかった当時の苦戦したエピソードや営業職の醍醐味を現場社員数名で座談会も実施することで、企業への興味だけでなく、実際に働く社員の姿を見て魅力を感じてほしいと考えています。簡単なケーススタディなど、参加型で取り組むコンテンツも用意し、営業職の面白さを実感できるプログラムを目指しています。
③冬季インターンシップ前:
選考参加につなげたい応募者へのアプローチとして冬季インターンシップを位置づけ、マイページ上(クローズ)のみでイベント情報を掲載。夏季インターンシップの製品紹介を受け、さらに業界について掘り下げた企画として、営業職社員が「今後のニーズ」や「10年後の市場シェア」について解説するコンテンツを用意しています。
④冬季インターンシップ:
マイページ上で公開していた業界・企業解説を踏まえ、実際に活躍している現場の営業職社員と行う課題解決型ワークショップを実施。企業や組織としての働き方を実感してもらうことで、より働くことへの具体的なイメージを持ってもらいたいと考えています。
技術職に関しても同様に、インターンシップで応募者に何を得てもらいたいかを考え、その事前の準備として採用サイトやマイページでのコンテンツを展開することで、一連の流れを汲んだインターンシップ設計にしているとのことでした。
こうした一連のフローを組み立てることで、事前に企業風土や価値観を伝えることができ、理解が進んだ状態でインターンシップに臨んでもらうことが可能になります。夏季、冬季を通じたインターンシップの内容を組み立てることが難しい場合でも、「イベントの告知とあわせて、学生の就職活動に役立つ情報や採用ご担当者の人柄が伝わるようなコンテンツを定期的に発信する」「開催前には、当日答えるための質問をマイページ上で集約する」など、一つひとつ小さな取り組みが、インターンシップを軸とした一連のコミュニケーションにつながります。開催後は、「未参加者に向けても、動画などで追体験できるコンテンツを提供する」「参加者の感想をアンケートで集約し、次回開催に向けてスピーディーに反映する」など、体験価値の提供を意識した取り組みは今後も増えていくと考えられます。
まとめ
インターンシップは自社の認知や好感度を上げるための単発のイベントではなく、応募者との日々の関係構築の中にある接点のひとつです。その接点を経てさらに自社へと惹きつけていくことが、その後の選考や内定へとつながっていくと考えられます。
体験価値の提供が重視されたインターンシップが企業ごとのやり方で体現されていくであろう2024シーズン、自社の想いや価値観が伝わるコミュニケーション設計をご検討いただければ幸いです。
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