2020年、新卒入社。学生時代、塾講師のアルバイト経験を通じて「より多くの人を笑顔にしたい」との思いが芽生え、食品業界を志望。面接で感じた社風の良さが決め手となり、ハウス食品に入社する。人事総務部に配属となり、5年間にわたり新卒採用業務を担ってきた。現在はキャリア採用業務担当として、新たな採用業務の専門性を磨いている。
RECRUITMENT
Published on 2025/10/17
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宇土 翼Tsubasa Uto
ハウス食品株式会社
人事総務部 東京本社人事課 採用・人事2チーム
2020年、新卒入社。学生時代、塾講師のアルバイト経験を通じて「より多くの人を笑顔にしたい」との思いが芽生え、食品業界を志望。面接で感じた社風の良さが決め手となり、ハウス食品に入社する。人事総務部に配属となり、5年間にわたり新卒採用業務を担ってきた。現在はキャリア採用業務担当として、新たな採用業務の専門性を磨いている。
ハウス食品株式会社は、世の中のニーズの半歩先を捉えた「お客様視点でのマーケティング力」により、数多くのヒット商品を生み出してきました。現在は4つのバリューチェーンを軸に、グループ全体で「食を通じた笑顔ある暮らし」の創出に取り組んでいます。入社1年目から5年間にわたり新卒採用を務めてきた宇土様は、シーズンの終わりに必ず振り返りを行い、採用施策のブラッシュアップを図ってきました。2024年には採用施策の見直しを行い、「内定承諾率前年比16ポイント向上」という結果を打ち出しています。今回は人事部の宇土様に「学生の志望度やマッチング力を高めるための施策」について詳しく伺いました。
まずは貴社の事業内容や強みについてお聞かせいただけますか?
当社は、バーモントカレーや北海道シチュー、フルーチェなど、ご家庭に身近な製品を製造・販売する食品メーカーです。カレーやシチューを家庭の食文化として根付かせ、ミネラルウォーターの販売を日本国内で先駆けて開始するなど(※2010年に事業譲渡)、世の中のニーズの半歩先を捉えた「お客様視点でのマーケティング力」に強みがあると自負しています。
現在は、ハウス食品グループ全体で原料の栽培・調達からお客様の手元に届く一連の流れで価値を創出する“バリューチェーン”(以降VC)の考えで経営を進めています。「スパイス系VC」「機能性素材系VC」「大豆系VC」「付加価値野菜系VC」の4つの領域に注力しており、今後はこれら4つのVCを推進力として、国内外問わず「食を通じた笑顔ある暮らし」を創出していきたいと考えています。
4つのバリューチェーンを軸に、「食を通じた笑顔ある暮らし」の創出に注力されているのですね。新卒採用においては、どのような人材を求めていらっしゃいますか。
新卒採用では、営業職、研究職、品質職、生産技術職の4職種に加え、専門職スタート採用(財務、法務、デジタル・システム、知的財産)を募集職種としています。求める人物像を敢えて一言で示すことはせず、全職種共通の求める要件として、新たな目標に向かってチャレンジする「目標達成力」、高くアンテナを張り、関心の幅を広げられる「好奇心」、その好奇心で得た知識や経験を基に多角的に考えられる「発想力」、チャレンジして失敗したとしても前を向いて歩き出す「レジリエンス」の4つを定義しています。
宇土様は入社1年目から5年間にわたり新卒採用業務を担当されてきましたが、採用担当として心がけてきたことはありますか?
入社前から、「自分の長所を伸ばしながら会社に貢献できる人材になりたい」と思っていたこともあり、創意工夫を凝らしながら採用のあり方を追求してきました。
具体的には、毎年、選考が終了したタイミングで採用の振り返りを行い、各方面から情報を集めて次シーズンの採用戦略を検討しています。昨年は、「企業のリアルな情報を伝える“リアリスティックジョブプレビュー”に、応募者の志望度やマッチングを高める効果がある」ことを知りました。そこで、この考えをベースにして「マッチング」をテーマにした採用活動を展開しました。
「マッチング」をテーマにした採用活動について、詳しくお聞かせいただけますか?
まず、学生の就業観が多様化していることを踏まえて、多くの学生が「自分自身の価値観に照らし合わせながら就職先を検討している」と仮説を立てました。この仮説をもとに、社員目線で働くリアルを伝える機会を多く設けました。1dayの仕事体験プログラムで新入社員や若手社員の座談会を実施したほか、選考途中に職場見学会を実施した結果、内定承諾率が前年比16ポイント向上しました。
貴社は2025年4月に採用ホームページをリニューアルされています。リニューアルの経緯について教えていただけますか。
リニューアル前の採用ホームページは「変革」をキーワードに「ハウス食品の未来」を打ち出した内容でした。学生に私たちが目指している姿を伝えることはもちろん大切ですが、現状との乖離があると感じていました。ハウス食品のリアルを伝えるためにも、採用ホームページのリニューアルが必要だと判断しました。そこで「これまで当社が築いてきたハウス食品の良さと、これから目指すハウス食品の姿の双方をしっかりと見せていく」という方針を掲げました。
採用ホームページでも「リアル」を伝えることに注力されたのですね。
制作にあたっては、同業他社はもちろん、就職人気企業ランキングの上位企業など約20社の採用ホームページを分析し、どのようなコンテンツが学生の心に響くのか検討しました。同時に、社内で議論しながら、学生に伝えたいハウス食品の魅力やイメージを固めていきました。
特に採用ホームページのキャッチコピーは、何度も検討したのを覚えています。社員と学生の双方が共感してくれる内容になっているか。当社らしさを感じられるか。求める人物像とマッチしているか――。さまざまな視点から検討し、最終的には人事担当役員らや、関係部署からも意見をもらい、「食でつなぐ、共につくる、未来の笑顔を。」というコピーに定めました。
学生にリアルを伝えるため、コンテンツの構成や見せ方も工夫したのでしょうか。
学生は採用ホームページを見て入社後の姿をイメージします。入社直後の姿と採用ホームページから得られるイメージのギャップをなくすため、どのようなコンテンツが最適かを検討し、「ハウス食品のありたい姿」「ハウス食品が大切にしてきた想い」「採用情報・社風・制度」の3つを柱に立てました。例えばトップメッセージでは、事業や取り組みの紹介に終始するのではなく、「ハウス食品が大切にしてきた想い」をトップの言葉として紹介しました。
リニューアル後の反響や手応えについてはいかがですか。
社内からは「以前よりもギャップがなくなり、ハウス食品らしい雰囲気になった」との評価をもらっています。リニューアル前の採用ホームページは内容だけでなくデザインも尖っていて、先進的なイメージが先行してしまっていたように思います。リニューアルした採用ホームページは、温かみのある色味を基調にカラフルなデザインに変更しました。学生には、このようなデザインからもハウス食品らしさを感じ取っていただけたらと願っています。
改めて、新卒採用への思いをお聞かせいただけますか。
これまで新卒採用活動を通じて多くの学生との出会いがありました。私自身、「就職活動は社会のことが一番理解できる時間だった」と感じています。この経験を踏まえて、学生にアドバイスをすることもありましたし、人生の大切な分岐点である就職活動の時期に、学生一人ひとりの人生の「1ページ」に何かしらの形で関われることを光栄に感じています。
また、新卒採用は多くの社員の協力があってこそ成り立ちます。協力を仰ぐ際には、常に採用ビジョンを含めて伝えるよう心がけてきました。同時に、自分自身が先頭に立って多くの方を巻き込む気持ちを持って採用活動に取り組んできました。さまざまな採用施策を打ち出し、内容をブラッシュアップしていった結果、求める人物像にマッチした学生を獲得できたときの喜びは格別です。この喜びを現場社員と分かち合えることに、やりがいを感じてきました。
現在はキャリア採用業務に注力されています。今後の採用活動に関して、ご展望をお聞かせいただけますか。
新卒採用をメインに行ってきた当社ですが、ここ数年はキャリア採用も重視し、その割合を増やしています。新卒採用をメインに行ってきた歴史的な背景から、キャリア採用は新卒採用に比べて整備されていない部分も多いため、今後はキャリア採用担当として、採用手法の検討やシステム面の整備などに注力していきたいと考えています。
新卒採用担当時代に築いた社内の人脈は、現在のキャリア採用でも活きていると実感しています。今後も現場社員と協働しながら、求職者にハウス食品の魅力を発信していき、人材獲得に努めていきたいです。
Special Feature 01
人材データを蓄積し、その後の採用可能性につなげていく「タレントプール」。
新たな採用手法の実現方法を紐解きます。
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