2020年、新卒入社。総務人事部に配属され、労政や給与関連の業務に携わった後、新卒採用担当を務める。現在は採用業務を中心に、新入社員教育や若手社員教育も担当。
RECRUITMENT
Published on 2025/08/22
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安藤 礼子Reiko Ando
住友精密工業株式会社
総務人事部 人事グループ
2020年、新卒入社。総務人事部に配属され、労政や給与関連の業務に携わった後、新卒採用担当を務める。現在は採用業務を中心に、新入社員教育や若手社員教育も担当。
中嶋 一葉Kazuha Nakazima
住友精密工業株式会社
総務人事部 人事グループ
2024年、新卒入社。総務人事部に配属され、入社1年目の6月から新卒採用担当として、採用業務全般に携わっている。
住友精密工業株式会社は、独創的な技術を活かした製品開発により、航空機用脚システムを始めトップシェアを誇る製品を市場に送り出してきました。年次を問わず早くから活躍できる環境があり、採用活動においても、若手社員である安藤様と中嶋様が主担当となって新卒採用活動を行っています。お二人は学生に寄り添った採用を大切にする一方、一年間かけて採用基準の見直しを行うなど、採用施策のブラッシュアップにも注力されています。「2026シーズンはこれまで以上に優秀な学生さんを多く採用できた」と語るお二人に、「採用の精度を高めるための秘訣」について伺いました。
まずは貴社の事業内容についてご紹介いただけますか。
安藤:
当社は、1961年創業の精密機械メーカーです。航空宇宙事業・産業機器事業・ICT事業の3事業を展開しており、航空宇宙事業では航空機用脚システムや航空機用熱制御システムなどを、産業機器事業では油圧制御機器や、新幹線などの熱交換器、などを、ICT事業ではMEMSと呼ばれる微小な電気機械システムや半導体製造装置などを開発・製造しています。
中嶋:
当社が開発・製造している製品は、日常目にするものではありませんが、トップシェアを誇る製品が多数存在しています。「光かがやくその未来(ゆくて)」を企業理念に掲げ「独創的な未来技術で発展し続け、豊かな明日を拓く」ことを目指してきました。
独創的な技術を強みにトップシェアを誇る精密機械を数多く開発されてきたのですね。新卒採用においては、どのような人材を求めていらっしゃいますか。
安藤:
周囲と協調しながら自律的に働くことができる方を求めており、この考えを軸に面接に臨んでいます。例えば部活動や研究へのお取り組み・ご経験をお聞きしながら、「周囲に粘り強く働きかけながら、関係者と連携して働くことができるか」を判断しています。
採用活動において大切にしているお考えはありますか?
中嶋:
学生の皆さんに寄り添うことを大切にしています。特に内定後のフォローでは、面談などを行いながら彼らの悩みや疑問、不安に丁寧に向き合い、納得した上で「住友精密工業に入社したい」と思っていただけるような関わり方を心がけています。
貴社は長期のインターンシップを実施されています。インターンシップの実施内容について詳しく教えていただけますか。
安藤:
主に理系学生を対象としており、2週間の現場実習を通して解析や設計等、ものづくりの「リアルな業務」を体験していただいています。配属部署ごとで実習テーマを設けており、中には難易度の高いテーマもありますが、学生の皆さんからは「取り組んだテーマは難しかったが、その分、学びや気づきが多かった」といった感想が寄せられています。特に2026シーズンのインターンシップは、プログラムの最後に実施する研究発表会が大変盛り上がり、当社社員と学生のみならず、学生同士でも活発に意見が交わされました。
惹きつけや母集団形成に向けて実施されているその他の施策についてもご紹介いただけますか。
安藤:
業界研究会や1dayの仕事体験を実施しています。業界研究会は選考の早期化が進んでいることを受けて始めた施策です。実施期間は4月から7月で、1時間のオンラインプログラムを通して製造業や当社の事業について紹介しています。一方、1dayの仕事体験は、「航空機器事業」「ICT・半導体事業」「事務系職種」など複数のプログラムを用意しています。実施時期は8月から9月です。業界研究会で当社に興味を抱き、さらに仕事体験に参加してくださる学生さんも多くいらっしゃいます。
2026シーズンは例年以上に母集団形成に成功し、求める人材を採用できたと伺っています。その要因については、どのように分析していらっしゃいますか。
安藤:
採用基準の見直しを行ったことが大きかったと感じています。それまでは面接官の裁量が大きく、「選考基準にブレが生じてしまう」という課題がありました。そこで、まずは各部署に「部署で活躍している社員」についてヒアリングと適性検査の結果と紐づけて分析し、学生の選考基準を明確化しました。
2026シーズンは、この選考基準に沿って面接を実施し、採用管理システムに評価を入力してもらいました。おかげで選考にブレが生じることもなく、二次面接や最終面接でも共有した面接評価の情報を見て、体系的な質問ができるようになりました。年間通しての取り組みを振り返り、求める人材の採用に効果的であったと感じています。
貴社では、SNSでの動画配信やマイページでの新入社員インタビューコンテンツなど、採用広報施策にも注力されている印象があります。
安藤:
ありがとうございます。会社説明動画は、主に会社説明会に参加できなかった方に向けて配信しています。シーズンごとに新しい会社説明動画を配信しているほか、若手社員の活躍をテーマにしたインタビュー動画や施設紹介動画などのコンテンツも用意しています。動画には、「実際に会社までお越しいただかなくても、気軽に会社の雰囲気を知っていただける」というメリットがあります。会社の雰囲気もイメージしやすいので、学生の皆さんが選考に進むまでのプロセスにおいて「プラスアルファの情報源」としてご活用いただけるのではないかと期待しています。
中嶋:
マイページコンテンツはマイページに登録した学生さんを対象としているので、「当社に興味を持っていること」を前提に置いて発信内容を検討しています。2026シーズンは、「新入社員インタビュー」を選考直前のタイミングで公開しました。当時、私自身が入社1年目だったこともあり、同期と一緒に「自分たちが就職活動をしていた頃、どんな情報が欲しかったか」について話し合ったうえでインタビューを行い、業務内容や会社の雰囲気、会社での過ごし方などを紹介しました。
その後、学校訪問で学生さんと直接話す機会があり、「マイページの社員インタビューを楽しみにしています」と声をかけてもらいました。私たちが発信した情報が、学生さんにしっかり届いていると感じられて嬉しく思ったことをよく覚えています。
これまでの採用活動を振り返って、印象に残っていることがありましたら、ぜひご紹介ください。
中嶋:
学生の皆さん一人ひとりと印象に残るエピソードがありますが、中でも特に心に残っているのは同期と一緒に大学訪問をした際、同期の後輩にあたる学生さんが当社に関心をもってくれたことです。訪問後もその学生さんとコミュニケーションを図っていった結果、「推薦で当社を受けたい」との申し出がありました。この経験から学生さん一人ひとりと丁寧にコミュニケーションを図ることの大切さを感じました。
内定後のフォローでは、事務系総合職を志望している学生さん向けに、工場見学の機会を設けたことが印象に残っています。ものづくりの現場を見学していただいたことで「技術職の近くで働ける」という当社ならではの環境を理解していただけました。工場見学後も面談を実施し、その結果、内定承諾に進めることができました。
安藤:
私は入社後の新入社員教育も担当しているので、研修を終えて配属になった瞬間に喜びを感じます。プレ期も含めると2年近く関わりがあるので、配属先に送り出す瞬間は毎回、感無量の気持ちになりますね。
現在採用業務に携わるようになって4年ほど経ち、高専以上卒の新卒者が一人も離職していないことには、ささやかな誇りを感じています。もちろん、社内外のさまざまな人の協力があってのことですが、何か一つでも自分の力が糧となって離職防止に繋がっているのであれば、これほど嬉しいことはありません。
最後に、今後の採用活動に関してご展望をお聞かせください。
中嶋:
学生の皆さんに「当社で働くイメージ」を抱いていただけるよう、社員と学生の皆さんとの接点をさらに増やしていきたいですね。また、私たち採用担当は、プレ期から選考に至るまでのプロセスで学生さんとお会いする機会が多数あります。「この学生さんは、どのような強みを持っているのだろう」「当社でその強みをどのように活かしてもらえるだろう」と考え、潜在的な能力も見極めながら、私たちから学生さんに「活躍のあり方」を提案できるような力を身につけていきたいですね。
安藤:
より多くの学生さんにご応募いただくためにも、採用広報活動に力を入れたいと考えています。SNSのさらなる活用なども検討し、当社を知っていただく機会を増やしていくつもりです。いずれにしても、これまでお話ししてきたように、学生の皆さんが納得して当社にご入社いただくことが一番大切です。相互理解を深め、ミスマッチをなくすためにも、引き続き直接話す機会を設けていきたいですし、学生の皆さんにもこうした機会を活用して当社への理解を深め、「当社で働くイメージ」を明確にしていただけたらと願っています。
Special Feature 01
人材データを蓄積し、その後の採用可能性につなげていく「タレントプール」。
新たな採用手法の実現方法を紐解きます。
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