2000年6月、会社立ち上げとともに入社。営業職として勤務した後、議員休職に入る。任期満了に伴い、2009年、D2Cに復職。現在は総務部に在籍し、人事部門と連携を図りながら健康管理を推進している。
原 桂Katsura Hara
株式会社D2C
グループコーポレート本部 総務部 チーフ/総務課長
2000年6月、会社立ち上げとともに入社。営業職として勤務した後、議員休職に入る。任期満了に伴い、2009年、D2Cに復職。現在は総務部に在籍し、人事部門と連携を図りながら健康管理を推進している。
2000年設立のD2Cは、ドコモデータを軸とした広告プロモーションやマーケティングソリューションを展開するデータマーケティングカンパニーです。従業員のメンタル及びフィジカルの健康管理を重要課題と位置づけており、総務部が中心となって健康管理の各種施策を進めています。持続的に従業員の健康維持・増進を図るため、「やり続けること」「言い続けること」を重視した結果、10年連続して健康診断受診率100%を達成するなど、高い効果を打ち出しています。健康管理の中心メンバーである総務部の原様に、D2Cの健康管理に対するお考えや具体的な取り組みについて伺いました。
まずは、貴社の事業概要についてお聞かせください。
D2Cグループは、NTTドコモ・電通・NTTアドの共同出資により2000年6月に設立されました。ドコモが保有するデータを起点とした広告マーケティングソリューションの企画開発事業を強みとし、戦略立案からメディアプランニング、データ活用、クリエイティブ、CX、インバウンド施策など、グループ全体で「データマーケティングカンパニー」を標榜し事業を推進しています。「WE PRODUCE」をグループの経営理念に掲げており、統合的なデジタルマーケティンググループとして「人を動かすこと、新しい瞬間を世の中に生み出すこと」をミッションとしています。
貴社の健康に対するお考えや健康管理の体制について教えていただけますか。
当社では、従業員のメンタル及びフィジカルの健康管理を重要課題として位置づけています。総務部健康管理チームの専任メンバーが中心となり、人材部門とも適宜連携を図りながら、各種取り組みを推進しています。総務部では健康診断、産業医・保健師対応、メンタルヘルスサポート、福利厚生、休職復職支援を推進しており、人材部門では、人材開発部およびグループ各社の人事担当者4~5名による体制で、社員就業サポートなどを実施しています。
組織で健康管理を行う体制を構築されているのですね。衛生管理事務局の体制に関してもご紹介いただけますか。
衛生管理事務局は、統括安全衛生管理者1名、産業医1名、総務部から5名、さらに各社各部門から上長と部員を1名ずつ選出し、約30名で構成しています。月に一度、衛生委員会を実施し、各部の健康管理の状況を把握・報告するほか、改善策の検討や従業員の健康維持促進に向けた施策の策定を行っています。
総務部が中心となって推進している健康管理のお取り組みについて、詳しくお聞かせください。
「健康診断の充実」「職場環境の改善」「メンタルヘルス対策」「心身の健康促進キャンペーンの実施」「各種セミナー実施」「ワークライフバランスの推進」など、6つの取り組みを掲げて推進しています。メンタルヘルス対策では、ストレスチェックやメンタルヘルス相談窓口の設置、専門カウンセラーの導入などを行い、従業員の心の健康を守る体制を整えています。また心身の健康促進キャンペーンでは、健康増進やストレス管理スキルの向上、生活習慣の改善など、具体的なテーマを設けてセミナーを実施しています。
健康管理のお取り組みを推進するうえで注力されていることはありますか。
特に注力しているのが未然防止です。定期健診やストレスチェック、エンゲージメントサーベイを活用して不調者を把握し、長時間勤務の従業員には個別で指導を行っています。また健康促進活動として、健康セミナーの開催やフレックスタイム制・リフレッシュ休暇・有給取得促進など、ワークライフバランスの推進にも力を入れています。
加えて、健康管理を担う私たち総務部のメンバーは、従業員が心身ともに健康であることを支援するために、「やり続けること」「言い続けること」を常に意識しています。
貴社では10年連続で健康診断受診率100%を達成されていると伺っています。受診率100%を維持するために工夫されていることはありますか。
日頃から健康診断の重要性を従業員全員に向けて発信し続けています。特に毎年、8月下旬から11月までを「健診の強化月間」と位置づけ、健康診断担当者が定期的にリマインドを送っています。健診受診率100%を維持できているのは、従業員一人ひとりが健康管理への意識と姿勢を高めてくれている結果だと感じています。
ストレスチェックの受検率に関してはいかがでしょうか。
従業員が自身のストレス耐性を把握することが必要だとの考えから、ストレスチェックにおいても「言い続けること」を重視し、受検を促しています。その結果、毎年90%弱という高い受検率を維持できています。
またストレスチェック実施後、高ストレス者に面談の必要性を確認した上で、産業医面談や人事面談を実施しています。中には面談を申し出ないまま、不調を抱えてしまう方もいるため、気軽に面談できる環境づくりが重要だと考えています。そこで「会社には相談しづらい」という方のために、社外の相談窓口も設置しています。
健康診断もストレスチェックも、日頃から「言い続けること」で実施率が高まってきたのですね。長時間労働への対策としては、どのようなことを行っていますか。
ほかの施策同様、長時間労働対策も「やり続けること」「言い続けること」が大切だと考え、3つの取り組みを推進しています。1つ目は情報の共有で、毎週、勤務時間の速報値を各部門の上長に報告し、長時間労働が発生している場合は注意を促しています。2つ目は知識の強化で、衛生委員会にて長時間労働による健康被害に関するセミナーを実施し、産業医の先生からも直接お話を伺っています。3つ目は面談の実施で、会社が定めた規定の残業時間を超えた従業員には産業医面談を行っています。
健康診断受診率10年連続100%など、すでに大きな成果が表れていますが、原様ご自身は近年の健康経営施策についてどのように評価されていますか。
どの企業の健康管理担当者も感じていることかもしれませんが、コロナ禍で働き方が大きく変わったことに伴い、メンタルヘルス対策の重要性を改めて認識しました。コロナ以前は従業員全員がオフィスに出社し、対面でコミュニケーションを取りながら仕事を進めていましたが、コロナ禍による在宅ワークの急増で、コミュニケーション不足が社会問題として取り上げられるようになりました。
当社でも緊急事態宣言下では全員が在宅勤務となり、現在も在宅勤務をメインに週1回以上の出社が推奨されています。コロナ以前はメンタル不調者がそれほど多くなかったのですが、この4年間で10倍以上に増加し、会社の成長に伴い平均年齢が上がるなか、フィジカル面の管理もより重要になってきました。こうした課題に対応するためにも、引き続き定期健診の実施や産業医・保健師との連携、健康意識を高めるための社内セミナーの充実など、さまざまな施策を強化していきたいと考えています。
コロナ禍をきっかけに健康管理の重要性を再認識されたのですね。最後に、今後の健康管理に関するご展望を教えてください。
企業が成長するためには、従業員一人ひとりが健康であることが何よりも大事だと考えています。健康だからこそ日々の業務に集中でき、チームが一丸となって最大のパフォーマンスを発揮できるのです。さらに、笑顔あふれる環境づくりは、従業員間のコミュニケーションを活性化し、モチベーションを高める効果も期待できます。そうした職場環境が整えば、自然と業務効率が上がり、企業としても大きく成長できるでしょう。私たちは今後も、健康的で笑顔あふれる職場を目指し、健康システムを活用しながら、従業員の健康維持・促進に向けた取り組みを一つひとつ着実に進めてまいりたいと考えております。
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