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Interview

「現場体験」重視の施策でマッチングを強化。
日本国土開発が学生目線の採用にこだわる理由

RECRUITMENT

Published on 2025/05/09

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Profile

秋葉 彩乃Ayano Akiba

日本国土開発株式会社
管理本部 人事部 採用グループ 採用担当

2017年、新卒入社。入社後、大阪支店に配属。支店を拠点に大阪支店管轄の複数の施工現場の現場事務業務を担当した後、大規模工事の現場に常駐して事務全般を担う。2023年、採用グループに異動。現在、新卒及びキャリア採用を中心に研修の検討などにも携わる。

倉橋 真帆Maho Kurahashi

日本国土開発株式会社
管理本部 人事部 採用グループ 採用担当

2017年、新卒入社。入社後、管理部に配属となり支店の経理業務に従事した後、施工現場の事務担当に。2024年9月、人事部に異動。以後、新卒及びキャリア採用を担当。新卒採用では面接前後のヒアリングなど、応募者のフォローに注力している。

戦後復興期に設立され、日本の社会基盤構築の一翼を担ってきた日本国土開発株式会社。現在は持続可能な社会の実現を目指し、国内外の土木・建築工事の設計・施工から新規事業の創出まで幅広い事業を手がけています。新卒採用に関しては、「学生一人ひとりが心から納得できる就職活動を行えるように」との配慮から、学生に寄り添った採用活動に注力されています。特に2026シーズンは採用施策の大幅な見直しを行い、難しいと言われている理系人財の採用強化を実現しています。採用担当の秋葉様と倉橋様に、応募者の入社意欲を高める独自の施策について詳しく伺いました。

周囲を巻き込みながら、挑戦できる人財を求めて

まずは貴社の事業内容や特徴についてお聞かせください。

秋葉:
当社は、「戦後復興」を土木工事の機械化により実現することを目的として、1951年に設立されました。その後、事業を拡大し、現在は総合建設業として国内外の土木・建築工事の設計・施工を中心に、不動産開発や再生可能エネルギー事業など新規事業も手掛けています。「わが社はもっと豊かな社会づくりに貢献する」をグループの経営理念に掲げており、持続可能な社会の実現に向けて、全社一丸となって取り組んでいます。

戦後復興の一翼を担って来られたのですね。新卒採用に関しては、どのようなお考えで取り組んでいらっしゃいますか。

秋葉:
近年は売り手市場が続いており、以前よりも学生が内定を得やすい状況になっています。学生の皆さんにとって非常に良いことですが、一方ではすぐに就職活動を終わらせてしまう学生さんもいて、「ご自身の可能性を拡げるためにも、じっくり就職活動に取り組んでほしい」という思いがあります。そのため、学生の皆さんが心から納得できる内定先を得られるような採用活動を行うことを大切にしています。学生の皆さん一人ひとりとじっくり向き合い、丁寧な対応を心がけることで、ミスマッチを防ぐ効果もあると感じています。

新卒採用では「土木施工管理」や「建築施工管理」など理系の募集職種を詳細に分類されていますが、どのような人材を求めていらっしゃるのでしょうか。

秋葉:
「型に囚われない自由な発想をもち、自ら考え工夫し、周りを巻き込みながら挑戦できる人財」として、「プロ意識が高く、成果にこだわる人財」「失敗を恐れず、常にチャレンジする人財」「モチベーション高く、組織に貢献しようとする人財」の3つを掲げています。

倉橋:
当社には、若手のうちから裁量を持って仕事に取り組む風土があります。そして、当社が設計・施工を手掛ける土木構造物や建築物は、多くのプロフェッショナルが集結し、力を合わせることではじめて完成するものです。さまざまなプロフェッショナルと連携を図りながら仕事を進めていくことから、このような人材像を掲げています。

理系人材の採用を強化するため、採用施策を見直す

貴社では、施工現場を体験できる1dayの「職場体験プログラム」を実施されていると伺っています。実施の意図や狙いについてお聞かせいただけますか。

秋葉:
職場体験プログラムは、総合建設業の「最前線」でもある施工現場を学生の皆さんに見ていただき、現場の雰囲気を知っていただくために実施しています。現場ごとに工種や工法、雰囲気が異なるため、国内の各支店で施工現場を選定した上で、夏季・冬季それぞれ約7回実施しています。プログラムは土木施工と建築施工の2つを用意し、それぞれ現場見学や施工管理の就業体験、社員との交流会などを盛り込んでいます。社員との交流会では、私たち採用担当者も参加し、聞きづらい疑問も気軽に聞いてもらうことで、企業理解や仕事理解を深めてもらっています。

倉橋:
施工管理の職場体験では、事務職志望の学生さんの参加も歓迎しています。当社の事務職は施工現場で事務業務に携わるため、現場の仕事を知った上で当社への入社を検討してほしいと考えているからです。また、土木施工や建築施工以外にも、設備職や設計職向けの職場体験プログラムを実施しています。こちらは開催日数がそれほど多くないため、参加が難しい学生さんにはオンライン面談などを実施してフォローしています。

施工職から設備職、設計職までさまざまな職種向けの職場体験を実施されているのですね。施策の効果については、どのように受け止めていらっしゃいますか。

倉橋:
社員同士が話している姿や、職人さんに指示を出している姿など、施工現場のリアルな様子を見ていただくことができるのは、仕事の魅力や当社の雰囲気を感じていただく効果的な機会だと認識しています。「現場見学自体が初めて」という学生さんも多く、「現場を見て、仕事をイメージすることができました」という声をよくいただきますね。

現場を体験するからこそ、実際の仕事をリアルにイメージできるのですね。

秋葉:
冒頭で申し上げたとおり、近年は売り手市場が続いており、特に理系職種の採用が年々難しくなっています。多くの企業さんがご苦労されていると思いますが、当社も間口を拡げるなどの対応をしています。例えば土木施工職なら、これまでは土木・建築系の学部・学科を対象としてきましたが、近年は農業土木を専攻している農学系の学生さんも歓迎しています。

理系人材を採用するために、工夫されていることはありますか。

倉橋:
2025シーズンまではオンラインのみで会社説明会を実施していましたが、2026シーズンから対面での実施も追加しました。エントリーしたいと考えている学生さんがいたらその場でエントリーシートを書いていただき、面接日程を調整しています。実際に実施して感じるのは、「オンラインよりも対面のほうが、より志望度の高い学生さんが多く参加してくださる」ということです。これは当社にとって大きなメリットだと捉えています。

2026シーズンからは選考フローも変更されたと伺っています。

秋葉:
はい。これまではエントリーシート提出のタイミングで適性検査を受けてもらい、その後、面接に進むフローでしたが、技術系職種については2026シーズンから適性検査を一次面接後に実施するフローに変更しました。選考が進むに連れて当社への志望度が徐々に高まっていくことも踏まえると、これまでのフローでは学生さんにとってハードルが高いように感じたからです。

倉橋:
2026シーズンはいまお話したような採用施策の見直しを行いましたが、実施して初めて気づくことも多く、今後も状況を見ながら施策を調整していくつもりです。例えば対面型の会社説明会は2時間ほどの枠を取っていますが、エントリーシートを書く時間も考慮すると十分ではないことに気づき、実施時間について再検討の余地があると感じています。

本社広報部門との連携で、より効果的な情報発信を実現

貴社は、WEBマガジン「トンガレコクド」で「#新卒採用」をつけ、就職活動中の学生の皆さんに向けた情報を発信されています。採用広報施策の取り組みについて、詳しく教えていただけますか。

秋葉:
「トンガレコクド」は本社戦略部(広報)が主体となって運営しており、そこに採用チームが参加する形で新卒採用向けの情報を発信しています。採用ホームページを始めとする採用広報施策に関しても、本社の広報部門と連携を図りながら進めています。

倉橋:
採用広報施策で特に注力しているのがSNSの活用で、毎月、本社戦略部のメンバーとミーティングを行い、発信内容について検討しています。職場体験の案内や実施報告、社員紹介、当社の技術紹介など、高頻度で幅広い情報を発信しています。

本社の広報部門と連携することで、より効果的に情報発信ができるのですね。

秋葉:
広報のノウハウを持っている広報部門と連携する効果は大きく、例えば発信したい情報について相談すると、「この写真を添えるとより効果的」など、私たち採用担当には気づかない視点で具体的に助言をもらうこともできます。

採用サイトやSNSなど、チャネルごとのすみ分けについてはどのように考えていらっしゃいますか。

秋葉:
SNSはリアルタイムに情報発信ができ、当社に親しみを感じてもらう効果が期待できる媒体だと考えています。当社を知ったばかりの学生さんを想定しており、「どんな会社が気になる」「説明会に行こうか悩んでいる」といった方に気軽に見てもらい、企業理解を深めてもらえたらと願っています。

一方、採用サイトは求める人物像や募集要項、職場体験プログラムの詳細な案内など、「情報密度が高い」という特徴があります。「SNSから採用サイトにたどり着いた学生さんがマイページに登録する」という流れを期待しています。

これまでのお話から、常に学生さんに寄り添いながら施策をブラッシュアップしてこられた様子が伝わってきました。お二人は採用担当として、どのような時にやりがいや喜びを感じていらっしゃいますか。

秋葉:
内定承諾書を受け取ったタイミングが採用活動の大きな区切りになるため、この時期に「学生の皆さん一人ひとりに寄り添ってきて良かった」と感じることが多いですね。私が採用担当としてついた学生が当社に入社し、活躍する姿を見せてくれると、なお嬉しいです。そういう意味では、採用した学生さん全員の今後がとても楽しみですね。

倉橋:
私自身は採用担当になって間もないのですが、「この仕事に就けて良かった」と強く感じています。職場体験で現場を案内したり、会社説明会で自社の説明をしたりと、私自身が当社を深く理解する機会に何度も恵まれたからです。視野が広がり、改めて当社の魅力を理解できたので、学生の皆さんにもしっかりと伝えていきたいですね。

最後に、採用活動における今後の展望についてお聞かせください。

秋葉:
当社がこれまで「当たり前」に取り組んできた施策を見直すことを大事にしていきたいですね。学生さんの思いをしっかりと受け止め、その思いに沿うような採用活動を実現できたらと考えています。

倉橋:
学生さんとの接点をより強化していけたらと考えています。例えば、職場体験に参加できなかった学生さんに内定を出した場合、内定後に改めて職場体験ができる機会を設ければ、さらに当社への理解が深まることでしょう。可能な限り長く接点を持ち続けることで、内定辞退率の低下につなげていけたら嬉しいですね。


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