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Interview

学生一人ひとりと全力で向き合う。
選考離脱者解消につなげるイムラの採用戦略

RECRUITMENT

Published on 2025/07/11

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Profile

衣笠 小菜実Konami Kinugasa

株式会社イムラ
人事部 人材開発課 兼 IDX推進部

2019年新卒入社。メーリングソリューション事業部に配属となり、営業担当としてダイレクトメールや販促支援のサポート提案を約2年勤めた後、2021年より現職。新卒採用の予算取りから施策の設計、運用まで一手に担っているほか、DX人材育成の運営も担当している。

1918年創業のイムラは、封筒業界のリーディングカンパニーです。オーダーメイドの封筒において国内シェア、年間生産量、売上高のすべてにおいて日本一の実績を打ち出してきました。創業100周年を迎えた2018年、「第二の創業」の実現に向けて長期ビジョン「IMURA VISION 2030」を策定。社会やお客さまが求める価値を創造するソリューション企業への転換を図っています。新卒採用では衣笠様が主担当を務め、予算組から施策の設計、運用まで一手に担っています。学生一人ひとりに丁寧に向き合いながら、採用のブラッシュアップを図ってきた衣笠様に、有効母集団形成や選考離脱率解消に向けた取り組みについて詳しく伺いました。

採用トレンドの変化を見極め、学生に寄り添った採用を

まずは、貴社の事業内容についてご紹介いただけますか。

当社は、オーダーメイドの封筒を開発・製造する「パッケージソリューション事業」を中心に、DM発送に関する全ての作業を一手に担う「メーリング&デジタルソリューション事業」、OA機器の販売をはじめ、情報インフラの整備からノウハウ提供までトータルにサポートする「情報システム事業」を展開している紙加工メーカーです。

2018年に創業100年を迎え、今までの「封筒企業」から大きな転換を図っている最中です。メーカーでありながらIT外販事業部がある強みを生かし、紙×デジタルの力を生かして社会課題の解決を目指し、全社一丸で変革に取り組んでいます。

創業100年を契機に、新たなチャレンジを進められているのですね。

すでにDXの推進や、環境に優しいプラスチックパッケージから紙パッケージへの切り替えなど、多様な取り組みを進めています。全社を挙げて挑戦と社会への貢献を目指しており、採用活動においてもこの思いを学生の皆さんに伝えるよう心がけています。

新卒採用チームの体制について教えていただけますか。

トレンドの移り変わりが激しい新卒採用に柔軟に対応するため、地域や職種ごとに分けず、私が採用全体の主担当として1名で進めています。当社は大阪と東京に本社があり、東京での選考対応などは他のメンバーに任せていますが、施策の設計や運用全般に関しては私がすべて担当しています。

採用活動を進めるにあたって大切にしていることはありますか。

採用人数が例年10人前後とそれほど多くないため、学生さん一人ひとりと向き合う時間を長く取っています。「どのような関わり方をすれば、学生さんの人生に役立つだろうか」と考えながら、当社に合う方を採用することをポリシーとしています。

どのような人材が貴社に合うとお考えですか。

当社のお客さまは全国の自治体や民間企業で、あらかじめ生産された商品を提供するのではなく、お客さまのニーズや課題を引き出した上でオーダーメイドの商品やソリューションを提案・提供しています。そのため、学生の皆さんには相手の立場になってものごとを考え、周囲を巻き込みながら課題解決に向けて行動し、目標を達成する力や姿勢を持った方を求めています。

選考離脱率改善を目的に、採用施策を大幅に見直す

学生さん一人ひとりと向き合う時間を長く取って、学生さんの人生に役立つ関わり方をされているとのことですが、この考えに基づき、どのような採用施策を展開されているのでしょうか。

毎シーズン、振り返りを行い、直近の採用で得た学生の声や特徴を踏まえて、施策をブラッシュアップしています。特に近年はエントリー者数が減少傾向にあるため、学生の皆さんと密にコミュニケーションを取ることで、有効な母集団の形成に努めています。

2026シーズンで新たに取り組んだ採用課題はありますか。

早期選考組に離脱者が見られたため、2026シーズンは「選考離脱率を下げること」を目標に掲げ、施策の見直しを行いました。

選考離脱率を下げるためのお取り組みについて、詳しく教えていただけますか。

当社は、夏に自己分析をテーマとしたプログラム、秋冬に仕事体験ができるプログラムを実施しています。これらのプログラムに参加された方を対象に早期選考を行っていましたが、これまでは選考の一部を省略し、役職者面接から受けていただいていました。2025シーズンで早期選考の離脱者が増加した原因を検討した結果、「選考を簡略化した分、学生さんが十分な企業理解を得られずに選考に進んでしまった」ことが理由と考えました。

そこで、2026シーズンからは選考フローを拡充し、一対一の個人面談を実施。本社までお越しいただき、一人あたり1時間ほどの時間をかけて、個人面談とオフィス見学を行っています。学生さんと向き合いながら、就職活動の軸を整理していただくことで、当社への理解を深めてもらうよう努めています。

まだ選考途中のため、個人面談の成果が表れるのはもう少し先になりそうです。。しかし、学生さんの多くが前向きに話をしてくださるので、一定の成果は期待できると感じています。私も学生さんのお話をじっくり伺い、本人の良い部分を丁寧にフィードバックするよう心がけています。

効率化を進めながら、学生と丁寧に向き合う

貴社の採用ホームページは、色鮮やかなインクが飛び散るデザインが非常に印象的です。どのようなお考えで、採用広報施策を展開されていらっしゃいますか。

これまでお話したとおり、当社は創業100周年を機に、伝統的な封筒企業から、社会やお客さまが求める価値を創造するソリューション企業へと転換を図る過渡期にあります。採用ホームページに関しては、ここ数年でリニューアルし、「未来に向けて一緒にチャレンジしよう」という想いを込め、エネルギーあふれるビジュアルに一新しました。マイページのコンテンツ拡充も進めており、特に近年は先輩社員の紹介動画等も掲載しています。

採用ホームページやマイページコンテンツを見た学生さんの反響はいかがでしょうか。

「仕事の理解が深まり、イムラのイメージが変わった」「チャレンジしている姿勢が伝わってきてワクワクした」などの声をいただいています。

例えば、女性社員の活躍に興味を持つ学生さんの場合、単にデータで実績を示すだけでは「本当のところはどうなのだろう」と疑問に思われることもあります。実際に活躍している社員と直接お会いいただいたり、採用ホームページやマイページコンテンツで情報発信を行うことで、「当社で働くこと」を具体的にイメージしていただくことが可能となっています。

これまでのお話から、衣笠様が情熱をもって採用活動に取り組まれていることが伝わってきました。

ありがとうございます。就職活動はどのような人と出会い、どのような企業に声をかけてもらうかで、その後の人生が大きく変わるターニングポイントであると感じています。そんな時期に立ち会う存在として責任を感じながら、学生と全力で向き合うことを大切にしています。結果的にその学生とはご縁がなかったとしても、私の関わりや言葉がその学生さんにとって有意義なものにすることを最重要視しています。

学生の皆さんと良い関わりを続けてこられたのですね。内定後のフォローにも力を入れていらっしゃいますか。

学生の皆さんがイムラに入社してくださることを心から楽しみにしていますし、入社後も前向きな気持ちで活躍していただきたいと願っています。そこで、内定承諾後には定期的にWEBや対面でのイベントを開催しています。その一環として、半年間かけて新しいことにチャレンジする企画を実施し、内定者の皆さんが「残りの学生生活を充実させよう!」と思えるような機会を提供しています。

最後に、今後の採用活動に関してご展望をお聞かせください。

生成AIの活用など、ここ数年を振り返るだけでも採用を取り巻く環境は大きな変化を見せています。当社も最新の採用トレンドを取り入れつつも学生の皆さん一人ひとりと向き合うことを最も大切にして、効率化できる部分と効率化すべきでない部分をしっかりと区別し、メリハリのある採用活動を進めていきたいと考えています。


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