2017年に新卒で株式会社ニュー・オータニに入社。レストラン、客室を担当した後、ホテル・イン・ホテル(エグゼクティブハウス 禅)の専任スタッフとして4年半勤務。2021年に人事課に異動、現在は新卒採用を担当している。
(所属・内容は取材当時のものです)
橘和 美有Miyu Kitsuwa
株式会社ニュー・オータニ
人事総務部 人事課
2017年に新卒で株式会社ニュー・オータニに入社。レストラン、客室を担当した後、ホテル・イン・ホテル(エグゼクティブハウス 禅)の専任スタッフとして4年半勤務。2021年に人事課に異動、現在は新卒採用を担当している。
(所属・内容は取材当時のものです)
60年以上の歴史を誇り、過去3度の東京サミットのメイン会場や天皇陛下の即位に伴う晩餐会会場としても使用されてきた「ホテルニューオータニ」。インバウンド需要が急速に回復するなか、日本を代表する一流ホテルとして、国内外の顧客に最高のおもてなしを提供しています。運営元の株式会社ニュー・オータニは、東京、大阪、幕張の直営ホテルのほか、国内外に13のグループホテルを展開。新卒採用においては売り手市場が続くなかでも、2025シーズンは採用目標を達成しました。伝統あるホテルを支え、未来をつくる人材をどのように採用しているのか。新卒採用の取り組みや担当者が大事にしていることなどを伺いました。
貴社の事業概要、理念を教えてください。
当社は国内外でホテルを運営しており、最初の直営ホテルである東京・紀尾井町の「ホテルニューオータニ」は、1964年の東京オリンピックに先立ち、外国人観光客や関係者、観光客の受け入れのため政府の要請を受けて開業しました。 社名に冠された「ニュー(新しい)」という言葉を体現するべく、伝統を守りつつ常に新しくあり続けることを大事にしており、近年では人気アニメキャラクターとのコラボレーションルームの提供や、5万組以上の結婚式を行ってきた経験を生かした結婚相談所の開設など、さまざまな新しい取り組みを行っています。
2024年に開業60周年を迎え、「進化する伝統」「揺るがない誇り」を胸に100周年に向けて歩み始めています。
伝統を大事にしつつ、新しいことにも積極的に取り組んでいるということですが、そのホテルを支える社員として、具体的にどのような人材を求めていますか。
今後も進化し続けていくために、目の前のお客さまに対するホスピタリティだけでなく、経営視点も持てる人材を求めています。当社はホテルのイメージが強いため、「経営」という言葉に少し違和感を持たれる方もいるかもしれません。しかし、あえてそこを重視しているのには理由があります。日本のホテルの中には、所有・経営・運営の母体がそれぞれ異なるケースも多いのですが、当ホテルはすべてを株式会社ニュー・オータニが担っています。つまり「世界に通用する一流のおもてなしを提供するホテル」であると同時に、「観光立国日本を支える企業」でもあるのです。
「ホテル」と「企業」。この二つの側面で進化し続けるために、伝統あることから新しいことまであらゆることに興味を持って知識と経験を身につけようとする前向きな姿勢、そして経営上の数字を日々きちんと確認しながら業務を進めていく姿勢を持つ方を採用していきたいと思っています。
2025シーズンの新卒採用では採用目標を達成したと聞いています。近年は学生の売り手市場が続き、特にサービス業では目標人数を達成できない企業も少なくありません。貴社が目標を達成できた理由として考えられることがあれば教えてください。
特別なことはしていませんが、コロナ禍を過ぎた今はできるだけ学生と顔を合わせる機会を重視しています。そのため、お声がけいただいた合同企業説明会にはできるだけ参加し、学生に当社を知ってもらい、興味を持ってもらえるよう地道に種を蒔いています。
そのほかオンラインでの説明会やインターンシップも並行して開催しています。
具体的にはどのように学生との対話の機会を設けているのでしょうか。
できるだけ社員との対話の場を増やすように努めています。合同企業説明会には、できるだけ先輩社員を連れて行き、社員自身が就職活動や仕事の内容、キャリアパス、職場の雰囲気などを語ります。オンライン説明会でも、ほぼ毎回先輩社員が登壇し、現場のリアルを伝えることで、学生がホテルニューオータニを身近に感じられるようにしています。
また、内定後についても先輩社員によるフォローを行っています。2025シーズンは初の試みとして、入社を迷っている内定者向けに先輩社員との対話の機会を設けました。そこで不安が払拭できたことで、入社を決めた学生も少なくありません。
学生との対面イベントとして、インターンシップも開催されています。どのような内容なのでしょうか。
2024年は8月〜9月にワンデーインターンシップを4回実施し、各回約40人、合計160人ほどが参加しました。本年のテーマは「ホテルの企画を体験する」です。グループに分かれて館内見学を行った後、先輩社員から「ホテルの企画はどうつくられているのか」を解説。そこから学生たちにグループごとに新しい企画を考えてもらい、発表してもらいました。終始和気あいあいとした雰囲気で、学生からは「ホテルの日本庭園でお祭りを開催する」といったユニークなアイディアが飛び出すなど、私たち社員も刺激を受けました。
今回「企画」をテーマにした意図は何だったのでしょうか。
お客さまに楽しんでいただくことが、私たちの大きなゴールです。そこに学生にも参加してもらい、当社の「ニュー(新しい)」の精神を感じ取ってほしいと思いました。ホテルならではの施設やサービスを活かした企画を考えてもらうことで、ホテルニューオータニの魅力を深く体感してもらえたと思います。
実は3年ほど前からは夏だけでなく冬にもインターンシップを開催しています。クリスマスや年末年始はホテルが最も盛り上がる時期です。その雰囲気を体感してもらうため、イベントスタッフのような形で現場に入ってもらう就業体験を実施し、よりリアルに働く姿をイメージしてもらっています。
学生を惹きつけるための工夫として、ほかに取り組んでいることがあれば教えてください。
当ホテルは海外からのお客さまも多いので、学生から「英語力はどの程度必要ですか」という質問をよく受けます。そこで当社では専任の英語講師を置き、オンライン英会話や語学検定の受験補助といったサポート体制を整えています。これらの情報を説明会やイベントできちんとお伝えして、学生の不安を払拭しています。
さらにインターンシップや面接の会場として宴会場などを活用し、当ホテルが誇る日本庭園を一望してもらうことで、「ここで働く自分」の姿を想像してもらうようにしています。
採用において大事にしていることは何でしょうか。
新卒採用ではまず学生に「ホテルニューオータニは楽しい職場なんだ」と感じてもらうことを心がけています。規模が大きくスタッフの数も多いホテルですが、廊下ですれ違う際は必ず笑顔であいさつしたり、時間があるときには立ち話をしたりと、社内は和やかな雰囲気です。先ほどお伝えしたように、できるだけ社員からリアルな声を届けるのも「楽しい職場」であることをしっかりと知ってもらうため。社員が自分の言葉で仕事の魅力を語ることで、その雰囲気が学生に伝わると考えています。
また、多くの学生と対話する中でも、一人ひとりの経験を丁寧に見ていく姿勢を大切にしています。学生はさまざまなバックグラウンドや興味関心、活動経験を持っています。それらはホテルのあらゆる業務で活かすことができるはずです。入社後は自分の強みを見つけ、さらに伸ばしていってほしいと思っています。
社内の雰囲気が良いこと、人を大事にしていることが伝わってきます。
ありがとうございます。ホテルということもあり、お客さまへのホスピタリティはもちろん、社員同士でもコミュニケーションをとても大事にしています。採用活動では面接や説明会、インターンシップなど、どの場面でも他部門の協力が欠かせません。人事課だけで完結するわけではないという意識を持ちながら、これからも社内コミュニケーションをしっかりとりつつ採用を進めていきたいですね。
最後に、今後の採用活動についての目標を教えてください。
2025シーズンの新卒採用は学部や学科の偏りなく、多彩なバックグラウンドを持つ学生が集まってくれました。彼らが入社後にどのように活躍してくれるのか、今からとても楽しみです。今後は採用サイトの改修による視認性の向上や、社員インタビューなどコンテンツの追加、SNSの活用など、情報発信の強化を検討しています。学生に当社の魅力をより深く伝えられるよう、引き続き取り組んでいきたいと思っています。
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Special Feature 01
人材データを蓄積し、その後の採用可能性につなげていく「タレントプール」。
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