2010年、新卒入社。電気工事の受付業務、支社総括業務を経て、2021年より現職。事務系の新卒採用を担当する。
清水 友美Tomomi Shimizu
東京電力ホールディングス株式会社
稼ぐ力創造ユニット 組織・労務人事室
人財・組織開発センター 採用グループ
2010年、新卒入社。電気工事の受付業務、支社総括業務を経て、2021年より現職。事務系の新卒採用を担当する。
川口 正進Shoshin Kawaguchi
東京電力ホールディングス株式会社
稼ぐ力創造ユニット 組織・労務人事室
人財・組織開発センター 採用グループ
2015年、新卒入社。技術者として原子力発電所の工事や設計に従事したのち、2022年より現職。技術職の新卒採用を担当する。
東京電力ホールディングスは、日本最大のエネルギー事業者として、数々の社会課題に挑戦しています。福島への責任の貫徹のため、再生可能エネルギーの開発を通じたカーボンニュートラルの達成、電気自動車を活用した防災強化など多岐にわたるミッションを遂行中です。新卒採用でも、これらの壮大なビジョンを学生に伝えるため、Webコンテンツやセミナー、約20コースに及ぶインターンシップ・オープンカンパニーを展開しています。社員の気さくな人柄や働きやすい環境もアピールポイントとしながら、倫理観を貫く姿勢が際立ちます。取材を通して浮かび上がったのは、日本を支える企業にふさわしい誠実で堅実な採用方針でした。
まずは、貴社の事業内容についてご紹介いただけますか。
川口:
当社は、首都圏を中心に電力とガスを供給する総合エネルギーサービスを提供しています。電力供給においては、関東一都八県を主軸に供給をおこなっており、国内総電力量の約3分の1を占めるほどの規模です。また、全国(沖縄を除く)に電力を販売しており販売電力量は国内トップとなっております。電力だけではなく、ガス販売もおこなっております。
清水:
近年は、カーボンニュートラルと防災を中心とした価値創造にも取り組んでいます。具体的には、太陽光や洋上風力発電所の開発など、再生可能エネルギーの新規開発を推進しています。また、防災に関しては、非常時の電力供給を支える蓄電池の設置推奨など、さまざまな施策を実施しています。
電力事業のイメージが強いですが、時代の変化に応じて、幅広い事業に取り組まれているのですね。貴社が求める人材像についてもお聞かせください。
清水:
私たちは「自律心」「情熱」「多様性」をキーワードに採用活動を進めています。また、当社は、福島への責任の貫徹という重要な使命を担っており、その責任を果たす中で、共に福島の復興や電力の安定供給に取り組む意義を理解し、ミッション達成にむけ考え行動できる方に仲間に加わっていただきたいと考えています。
川口:
最も重視しているのは「誠実さ」です。エネルギー企業として社会における責任は大きいため、倫理観を徹底し、学生に寄り添ったフォローを心がけています。
壮大なミッションを、具体的にどのように学生に伝えているのでしょうか。
川口:
採用ホームページ、パンフレット、そして各種イベントや説明会で使用する説明資料などが、ミッションを伝える主要な手段です。特に、カーボンニュートラルや防災に関する取り組みは、まだ多くの学生に十分知られていないため、テキストとビジュアルを組み合わせ、分かりやすく伝えることを心がけています。これらのツールの制作には各担当者が関わっていますが、メンバー間で密に情報共有し、一貫したメッセージを発信するよう努めています。
清水:
例えば、私はセミナー資料の制作を担当していますが、数百人のリクルーターも使用するため、誰でも伝えやすい内容となるよう、制作会社と入念に企画を練っています。また、学生が最初に目にする採用ホームページも、毎年リニューアルしながらクオリティを向上させています。
現在の採用ホームページは「明日を預かる者として。」というキャッチコピーを中心に、社会貢献度の高い事業内容が印象的です。
清水:
ありがとうございます。このキャッチコピーは、私たちのミッションに共感してもらえる方に届くようにと考案したものです。学生がスムーズに情報を得られるように、制作をお願いしたパートナー会社と一緒に工夫しながら構成を整えました。
採用ホームページ以外に、個人情報登録をした人だけが閲覧できるマイページにも多くのコンテンツがありますね。
川口:
マイページでは、主にセミナーやインターンシップの案内を行っていますが、技術職リクルーターによるブログも好評です。このブログでは、若手社員が日常生活や社内の出来事を自由に紹介しており、社内の雰囲気がよく伝わる内容になっています。電力会社というと堅苦しいイメージや、休みがとれないという誤解も多いですが、実際は気さくで優しい社員が多く、福利厚生も整っています。ブログを通じて、そうした柔らかな雰囲気が少しでも伝わればと思っています。
リクルーターが数百人もいるとは、規模が大きいですね。具体的な活動内容について教えていただけますか?
川口:
リクルーターはセミナーに登壇したり、出身大学や研究室で企業紹介を行ったりしています。また、全員が誠実で倫理的な対応ができるよう、リクルーター活動前には外部研修を受けてもらいます。その成果もあり、内定者の多くは「リクルーターの誠実な人柄に惹かれた」「使命感を持って仕事に取り組む姿に共感した」と答えてくれています。
社員の魅力も採用活動における大きな強みですね。
清水:
川口も学生との面談を行っていますが、彼と面談した学生の多くがその後の本エントリーや内定につながるケースが多いんです。
川口:
特別な勧誘トークをしているわけではなく、会社の理念や事業内容、社風、そして働き方について正直に話しているだけです。ただ、多くの学生が「電力会社=体育会系」「二十四時間勤務で休めない」という先入観を持っていることが多いので、フレックス制度やリモートワークの環境が整っていることを伝えると、皆さん驚きますね。また、私がフランクな態度で話すことで、学生たちが安心感を抱きやすいのかもしれません。
貴社では20コース以上のインターンシップ・オープンカンパニーが実施されています。かなり細分化された内容という印象ですが、どのような意図が込められているのでしょうか。
川口:
当社には、技術職と事務職を合わせて多岐にわたる職種があるため、それぞれの役割や魅力を学生に丁寧に伝えることが大切だと考えています。その結果として、20コース以上に分かれた内容になりました。
清水:
幅広い分野で活動できることは、学生にとって大きな魅力です。私たちも、そのフィールドを強くアピールしています。
川口:
例えば、技術職のコースでは、原子力発電所内での実務体験や、水力・風力発電など再生可能エネルギーの施設見学コースも設けています。
清水:
事務職のコースでは、新規事業への取り組みや、DX(デジタルトランスフォーメーション)に対する先進的な取り組みを紹介する内容が人気です。電力事業にとどまらず、新規事業や海外事業の分野も多様に広がっていることを、インターンシップを通じて実感してもらえればと思います。
とても充実したインターンシップですね。学生からの反響はいかがでしょうか。
川口:
特に技術職のインターンシップでは、参加者の30%以上がその後の本選考に進み、内定に至るケースが多いです。インターンシップを通じて社員との交流を深め、彼らが仕事に抱く使命感を肌で感じてもらえているのだと思います。
清水:
インターンシップに参加できなかった方々にも、事業説明会や座談会といったオンラインイベントを通じてフォローしています。インターンシップにはどうしても人数制限がありますが、参加できなかった方した方でも選考に進む機会を提供できるよう、門戸を広げる努力をしています。
学生目線に立った手厚いフォローが光りますね。ところで、お二人が採用活動でやりがいや喜びを感じられる瞬間はどんな時でしょうか。
清水:
私たちが伝えた企業理念や事業内容に共感し、その上で入社を決めてもらえた瞬間です。最近の学生は複数の業界や企業にエントリーし、いくつもの内々定を受けるのが普通になっていますが、その中で当社を選んでくれることは本当に嬉しいです。時には、合格の喜びで涙を流す学生もいて、そんな瞬間に立ち会うと、私自身も感激してしまいます。
川口:
私は入社式の日に新入社員と顔を合わせる瞬間に特に感動します。特にインターンシップから参加してくれている学生とは、入社までに2年ほどの付き合いがありますので、彼らが一緒に働く仲間になることがとても嬉しいです。中には、「川口さんの対応が親切だったから入社を決めました」と言ってくれる方もいて、その瞬間に採用担当者としての喜びを感じますね
最後に、今後の採用活動に向けての目標を教えてください。
川口:
事業内容や会社の魅力を分かりやすく発信し続けることが、私たちの重要な課題です。私自身の技術者としての経験を活かし、リアルな東電の働き方やそのやりがいを今後も伝えていけたらと思います。
清水:
「電力会社=堅い」といったような電力会社ならではのギャップを覆していくことが大きな課題だと感じています。学生と社員が直接出会う接点機会を増やし、より多くの方に当社を知っていただけるよう努めていきたいです。
Special Feature 01
人材データを蓄積し、その後の採用可能性につなげていく「タレントプール」。
新たな採用手法の実現方法を紐解きます。
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