2019年に新卒で入社し、システムエンジニアとして証券会社向けアプリケーションの開発に従事。その後、社内公募を経て2023年4月より現職となり、現在は主にキャリア採用を担当している。システムエンジニア時代に抱いた「誰もが楽しく働ける職場づくりのために、良い人材を採用したい」という思いを実現するべく、邁進中。
矢島 実紗Misa Yajima
株式会社DTS
人事部 採用担当
2019年に新卒で入社し、システムエンジニアとして証券会社向けアプリケーションの開発に従事。その後、社内公募を経て2023年4月より現職となり、現在は主にキャリア採用を担当している。システムエンジニア時代に抱いた「誰もが楽しく働ける職場づくりのために、良い人材を採用したい」という思いを実現するべく、邁進中。
中山 敏章Toshiaki Nakayama
株式会社DTS
人事部 採用担当
2019年に新卒入社し、システムエンジニアとして大手音楽レーベルのアプリケーション開発に従事。その後、リクルーターとして学生と接する中で、自社の魅力を伝える仕事に興味を抱く。社内公募を経て、2023年2月より現職となり、現在は主に新卒採用を担当している。
DTSは1972年の創業以来、総合力を備えた独立系システムインテグレーター(SIer)として、金融業、産業・公共、通信業向けサービスを柱に、コンサルティングからシステム設計・開発、基盤構築・運用までをワンストップで提供してきました。採用活動で最も重視しているのが「価値観のマッチング」です。新卒採用、キャリア採用を問わず、丁寧な個人面接を通じて企業理念や社風を十分理解し、共感の得られた方を採用しています。また、新卒採用では文理いずれの学生に対しても学びの機会を提供する仕事体験イベントを実施し、入社後のギャップを軽減するようにしています。今回は、高いシステムエンジニアの定着率を支える採用活動について、採用担当者に話を伺いました。
まず、貴社の事業内容について教えてください。
中山:
当社は独立系システムインテグレーターとして50年以上にわたりシステムの企画や開発に取り組んできました。金融業界をはじめ、小売、官公庁、大学、病院など様々な業界のクライアントにシステム開発を提供し、社会基盤の一翼を担っています。
新卒採用において求める人物像についてお聞かせください。
中山:
新卒採用では、主体的に考えて行動できる人材を求めています。幅広い事業領域があるため、自分のやりたいことを選びながらキャリアを築ける環境が整っています。上司の指示を待つのではなく、自ら目標に向かって努力し、課題解決に積極的な姿勢が重要と考えています。
キャリア採用ではどのような人物像を求めていますか。
矢島:
キャリア採用では、これまでの経験やスキルは勿論、新卒と同様に主体性や行動力も重視しています。また、当社では「常に変化を楽しもう」という信条を掲げています。これは、変化の速いIT業界だからこそ、社員一人ひとりが常に変化を楽しみながら、様々なことに挑戦するとの価値観を意味しており、このような考え方に共感してくださる方に入社いただきたいと考えています。
どのように価値観のマッチングを図っていますか。
矢島:
キャリア採用では、求人広告や求人票に当社の価値観を明記し、面接でも必ず面接官がその点を説明するようにしています。
中山:
新卒採用でも価値観の共有を大切にしています。面接後にはフィードバックを行い、改めて当社の価値観を伝えます。面接は主に現場の管理職が担い、内定後の社員交流イベントや新人研修などでも自社の価値観を一貫して伝え続けることで、DTS社員としての自覚を深めてもらっています。
入社後の成長を見据えた採用方針が感じられます。新卒採用では文理を問わず採用されているとのことですが、その理由を教えてください。
中山:
当社の新卒採用では文系学生が6割を占め、情報系の学生は2割程度の割合です。その理由は、当社の業務の多くがクライアントから直接依頼を請ける最上流の業務にあり、経営課題の解決に導く企画力や提案力、コミュニケーション力が求められるためです。理系には学んできた知識とスキルを活かして高度な技術を習得できる環境を用意していますが、一方、文系にもIT経験がゼロから技術習得できる研修プログラムの活用により、しっかりと成長できる環境を整えています。
しかし、多くの文系の学生にとって、システムエンジニアという職種にはハードルが高く感じられるのではないでしょうか。
中山:
未経験の方にもシステムエンジニアの魅力を身近に感じていただくため、1dayの仕事体験イベントを実施しています。このイベントでは、設定された経営課題に対してチームで協力し、解決策を考え、提案をまとめるワークを通じて、上流工程に携わるシステムエンジニアの仕事を疑似体験できる内容にしています。ITの知識がなくても取り組めるよう工夫しており、文系の学生にも無理なくシステムエンジニアのやりがいや面白さに触れていただける内容です。さらに、各グループがまとめた提案には、丁寧にフィードバックを行い、今後システムエンジニアを目指す上で何が必要かなど、学生の成長や気づきを促す機会となっています。
確かに、そのような内容であれば、文系の学生もシステムエンジニアの仕事に興味を持ちやすくなりそうですね。
中山:
文系の学生に限らず、理系・情報系の学生にとっても価値のある体験を目指しています。情報系の学生は学んできた知識を活かして、多くの場合ワーク内でチームのリーダー役を務めます。彼らはメンバーの意見をまとめ、解決策を提案するプロジェクトリーダーとしての経験を積むことができ、リーダーシップや意思決定のスキルを養う良い機会となっています。また、ワーク終了後には現場のシステムエンジニアと交流できる時間も設けてあるため、自分が大学で学んだ情報系の知識が実際の仕事でどのように活かされるのかを知ることができる仕組みになっています。
実際に、文系の参加学生からは「IT業界へのハードルが下がり、社会を支えるシステムエンジニアという職業が選択肢の一つになった」、情報系の参加学生からは「就職後のシステムエンジニアとしてのキャリアをより具体的にイメージできた」といったポジティブな声を多くいただいています。
1dayという短い期間でシステムエンジニアの魅力を伝える施策ですね。キャリア採用でも工夫されていることはありますか。
矢島:
新卒のようなイベントはありませんが、面接後に必ず面談を実施しています。内定を出した方には改めて人事との面談を行い、当社への理解を深めた上で入社を決めていただいています。たとえ「入社する意思が固まっている」と言われても、面談を経て最終判断をしていただきます。
内定後に面談を必須にする理由は何でしょうか。
矢島:
応募者が納得いくまで当社について理解し、判断してほしいとの思いから、当社の価値観や社内制度について丁寧に説明しています。たとえ条件面に納得されていても、働き方や社風が合わなければ長く続けることは難しいためです。早期離職を防ぐためにも、不安が解消されるまでしっかりと向き合っています。面談が1時間を超えることもあります。
キャリア採用でも丁寧な選考プロセスをとっているのですね。新卒採用も同様でしょうか。
中山:
もちろんです。就職は学生にとって貴重なファーストキャリアですので、特に慎重に会社選びをしてほしいと思っています。内定を受け、「DTSに入社したい」と言ってくれる学生に対しても「本当にDTSでいいのか、よく考えてもう一度返事をください」と伝えています。中には別の企業を選ぶ方もいますが、人生の主役は学生ですから、それが本人にとって最善の選択であるならば、双方にとって幸福な結果だと思います。
価値観のマッチングを重視する姿勢が貴社らしいですね。そのように入社前のコミュニケーションをしっかり取っていれば、定着率も高まるのではないでしょうか。
中山:
大卒の入社3年以内の離職率が30%を超えているとされていますが、当社では7.6%であることから、少しずつですが一定の成果につながってきたのではないかと思います。
丁寧な採用活動の成果ですね。お二人が採用活動を通じて感じるやりがいや喜びはどのような瞬間ですか。
中山:
当社はB to B企業であり、就活初期から名前を知っている学生は少ないかもしれません。エントリー時の志望度が低い学生も多いでしょう。しかし、仕事体験や面接、社員懇親会を通じて当社について知り、「DTSを第一志望にします」と言ってくれる学生が増えていくと、採用活動の成果を感じてとても嬉しく思います。面接を通じて不安が解消され入社を決めてくれる方がいると、人事として充実感を覚えます。
矢島:
キャリア採用では、入社後しばらく経って「DTSに入って良かった」と言ってもらえるとやりがいを感じます。さらに、その方が配属された部署の社員から「良い人が入社してくれて助かっている」といった声が届くと、採用の成果が実感できる瞬間です。キャリア採用ならではの速いサイクルで会社への貢献が見えるところに、この業務の醍醐味があると感じています。
最後に、今後の採用活動に向けた目標を教えてください。
中山:
DTSの知名度はまだ高くないため、学生との接点をさらに増やし、当社のことを多くの方に知っていただきたいと考えています。現場の社員を巻き込んだ会社説明会、イベントや面接の機会を増やし、一人でも多くの学生にDTSの魅力やDTSでシステムエンジニアとして働く面白さを感じていただけるよう取り組んでいきたいです。
矢島:
事業戦略上、キャリア採用の人数は年々増加しています。そのため、より多くの方に当社の価値観を知っていただくことが必要です。忙しい求職者にも情報をスムーズに届けられるように、動画コンテンツの制作やSNSでの情報発信を活用し、積極的にアプローチしていきたいと考えています。
Special Feature 01
人材データを蓄積し、その後の採用可能性につなげていく「タレントプール」。
新たな採用手法の実現方法を紐解きます。
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