2017年入社。全日空商事デューティーフリー株式会社に出向の後、2018年より人財戦略を担う人事部に在籍し、主に採用業務を担う。趣味はフットサルと旅行。週末を利用して3ヶ月に1回ほどは沖縄を旅行する。
RECRUITMENT
Published on 2024/05/10
VIEW 1022
吉田 隆之介Ryunosuke Yoshida
全日空商事株式会社
人事部
2017年入社。全日空商事デューティーフリー株式会社に出向の後、2018年より人財戦略を担う人事部に在籍し、主に採用業務を担う。趣味はフットサルと旅行。週末を利用して3ヶ月に1回ほどは沖縄を旅行する。
ANAグループの総合商社として、航空関連領域から被航空関連領域まで幅広い事業を展開する全日空商事株式会社。多彩な事業を展開していることからもわかるように、同社は常に時代のニーズを先読みしながら新規事業を創出してきました。新卒採用においては「自ら考え能動的に行動をする多様な個」を求めており、双方向型の対話を重視した採用活動により、ミスマッチを徹底的に防いでいます。同社が展開してきた採用施策について、人事部の吉田様にお聞きしました。
まずは貴社の事業内容についてご紹介いただけますか。
当社は、ANAグループの多角化事業を担う総合商社です。1970年、ANAの航空機運航業務に必要な物品調達や空港店舗業務を担うことを目的に設立されました。以後、これまで蓄積してきたノウハウと経験、人脈を強みに事業を拡大し、現在は航空関連領域、客室・サービス関連領域、BtoC領域、非航空関連領域などの事業を展開しています。
航空関連領域は航空機や航空部品の輸出入を、客室・サービス関連領域はファーストクラスで提供されている約1,000種類以上にも登る機内サービスの企画開発を行っています。ANA公式のECショッピングサイト「A-style」で販売している商品の企画やサイトの運営も、事業に含まれます。また、当社はエアライン系の商社ではありますが、電子部品や半導体関連製品を取り扱う電子事業など、飛行機とは全く関連のない領域でも事業を展開しております。航空関連にとどまらず広く事業を展開している点に当社の特徴があります。
エアライン系商社としての強みを活かしながら、多角的に事業を展開していらっしゃるのですね。そうなると、応募する学生の傾向も多岐にわたるのでしょうか。
当社を志望する学生の応募動機には、2つの傾向があると感じています。日本を代表するエアライングループである「ANA」に魅力を感じてエントリーするケースと、非航空関連領域も含めて広く事業を展開している「商社機能」に魅力を感じるケースで、その割合は半々ぐらいですね。
新卒採用において、貴社はどのような人材を求めていらっしゃいますか。
自ら考え能動的に行動をする力をもつ方を求めています。先にご紹介したとおり、当社はANAの総合商社であり、グループの強みを活かして広く事業を展開しています。時代のニーズをキャッチして、新たな価値の創造や新たな事業を創出してきた歴史があり、引き続き、当社が成長していくためにも、自律・自走する姿勢が不可欠です。同時に、多様性も重視しています。これは、多様な個と個がかけ合わさることで、イノベーションを生み出していくことができると考えているからです。
求める人物像にマッチした学生を採用するため、重視していることはありますか。
当たり前のことですが、対等な立場で学生一人ひとりと真剣に向き合い、リアルな姿を伝えることを重視しています。採用は、ゴールではなくスタートです。そのため、常に当社は「入社後に中長期的に活躍してもらえるのか」という視点をもって学生の皆さんと向き合います。これを学生の皆さんの視点で考えると「自ら描いたキャリアビジョンを実現し、やりがいをもって働けるか」が重要になってくることでしょう。だからこそ、等身大の情報発信をすることが大事であり、学生の皆さんにも等身大の姿を見せていただきながら、対等な立場で対話を重ねていくことを重視しています。
学生と対等な立場で向き合う姿勢を大切にされているとのことですが、コロナ禍で対面のコミュニケーションが制限されるなか、どのようにして等身大の情報発信をされたのでしょうか。
おっしゃるとおり、対面でのコミュニケーションが難しかったため、オンラインを活用しながら採用活動を進めていきました。オンラインの活用により見えてきたことも多く、その一つが、今まで接点を持つことが難しかった遠方の学生さんとのコミュニケーションです。オンラインの説明会やインターンシップであれば気軽に参加していただくことができますし、当社のリアルな姿を伝えることができたと感じています。
では、逆にオンラインを活用する上で特に留意した点はありますか。
オンラインにしても対面にしても、学生の皆さんと向き合う上で大切なのは、双方向のコミュニケーションです。学生の皆さんが質問できる機会を意識的に設けたほか、先輩社員との座談会をオンラインで開催するなど、一方的な情報発信にならないよう細心の注意を払いました。
また、学生の皆さんは社会人経験がないため、採用においてはポテンシャルを評価することが大切になります。しかし、限られた面接時間のなかで、一人ひとりの価値観や行動・経験などを引き出し、潜在的な特性や個性を把握することは非常に難しいと感じています。そこで10年前から導入しているのが、適性検査です。現在は、適性検査で数値化・可視化したデータが、学生の皆さんを評価する一つの指標となっています。
10年前から適性検査を導入し、学生を評価する指針にされているのですね。適性検査の活用方法について、詳しく教えていただけますか。
当社は新卒採用で総合職と一般職の2職種を採用しており、それぞれの職種で求められる行動特性に応じて、基準とするコンピテンシーのレベルを分けています。特に総合職採用の社員には、既存事業の維持・拡大はもちろん、新規事業の展開など「ゼロからイチを生み出す力」も求めています。このような成果を生み出す上で必要となる思考力や行動特性を図るため、適性検査の結果から高いコンピテンシーレベルを備えているかを判断しています。
面接時には、適性検査の結果をどのように活用していらっしゃいますか。
入社意欲の高い学生さんの場合、面接の対策などに時間をかけるあまり、本来の姿とは異なる点をアピールいただくこともあり得ると考えております。そこで、面接官には適性検査の結果を確認してから面接に臨んでもらい、分析結果と大きな乖離がないかも含めて評価してもらっています。
適性検査の結果から「ゼロからイチを生み出す思考力や行動特性」を評価する際、参考にしている分析項目はありますか。
コンピテンシー適性検査で成果を創出する能力を図っていますが、それ以外の項目も参考にしています。例えば当社では、若手社員に多様な経験を積んでもらい、その成長を促していきます。そして、中長期的に高いパフォーマンスを発揮するには、「ストレスに対処する力(コーピング)」と「ストレスから回復する力(レジリエンス)」も大切になってくるため、コーピング適性検査の結果からこれらの能力を注視して確認するようにしています。
適性検査を導入したことで得られる効果については、どのように感じていらっしゃいますか。
適性検査の結果を判断軸にすることで、より正確に学生の皆さんを評価できるようになりました。適性検査の結果を事前に確認することで、その結果に合わせた対話ができるなど、面接の質も高まったと思います。また、導入から10年間にわたって蓄積してきた分析結果も活用しています。過去数年間の間で入社した社員で、現在活躍している層に共通する項を分析することで、次シーズン採用における人材要件の精度を高めることができています。
最後に、今後の採用活動に関するご展望をお聞かせください。
我々の組織は採用だけでなく、人財開発全般も担っています。そのため、採用した人財の強みや弱みをしっかりと把握しながら、活躍できる人材に育てることもまた、大切な使命だと感じています。採用単体で考えるのではなく、入社後の育成も意識した採用活動を引き続き行っていきます。
Special Feature 01
人材データを蓄積し、その後の採用可能性につなげていく「タレントプール」。
新たな採用手法の実現方法を紐解きます。
コンテンツがありません