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Interview

厳しさを伝えつつ「社会へのインパクト」で惹きつける。
誰よりも食に真っ直ぐ、東京青果の魅力づけ戦略

RECRUITMENT

Published on 2026/01/30

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Profile

鈴木 卓磨Takuma Suzuki

東京青果株式会社
総務部能力開発課

2005年4月に新卒入社。営業として野菜の集荷・販売に従事したのち、2007年より総務部へ異動。東京都中央卸売市場 大田市場における施設管理業務や、対外渉外を担当。2021年に能力開発課に異動。現在は社員教育と新卒採用を主業務として行う。

青果卸売業で日本一の実績を誇る、東京青果。日本の食文化を支えるという重要な役割を担う企業である一方、一般的には業界自体があまり知られていないという面も。そこで同社の採用チームが注力しているのが、「選考初期では業界・仕事の魅力をインパクトある言葉で伝え、その後仕事のやりがいとリアルな厳しさを詳しく伝える」という戦略。これにより、もともと青果卸売業界に関心を持たなかった学生のエントリーを増やすと同時に、入社後のミスマッチを減らすことにも成功しているといいます。同社ならではのマッチング戦略について、総務部能力開発課の鈴木様に教えていただきました。

「誰よりも食に真っ直ぐ」な人材を求めて

まずは貴社の事業内容について、改めてご紹介いただけますか。

東京青果は、卸売市場の流通システムを通じ、この国の食文化を支えている企業です。東京都の許可を受け、東京都中央卸売市場 大田市場で卸売業を営んでいます。産地から商品を買い付けあるいは委託という形で仕入れ、全国の小売・外食等多様化するニーズに併せて販売するというのが、ビジネスモデル。どんなに時代が変わっても、人が生きていく上で「食」は欠かせないものであり、その根幹を支えている企業の一つが東京青果であるといえるでしょう。業界の最大手企業として、その社会的責任は決して軽くないと考えています。

貴社の採用サイトにも「誰よりも食に真っ直ぐ。」というメッセージが大きく掲げられていますね。求める人材像や、採用ポリシーについてお聞かせください。

採用における目標は、「社会に貢献したい。この国の食を経済・流通面から支えていきたい」という志を持つ方を採用することです。私たちの営業は、華々しい賞賛を受けることはなくとも、確実に社会に大きな影響を及ぼし、多くの人の役に立つことができる仕事。そこに価値を感じてくださる方が、当社にマッチすると考えています。
また当社の求める人物像は、大きく3つの軸にまとめられます。まず1つ目は「主体性」。自ら考え、状況に応じて行動に移していくことを大切にしています。続いて「協調性」。個人で成果を追うのではなく、チーム全体で価値を生み出していく姿勢が欠かせません。そして「やりきる力」。困難な場面でも粘り強く向き合い、最後まで責任を持って取り組むことを重視しています。公共性の高い事業であるからこそ、環境の変化に柔軟に対応しながら、自ら判断し、動ける人材を求めています。

そうした人材を採用するにあたって、貴社にはどのような課題があるとお考えですか?

青果卸売業界は、テレビで時折流れる競りの様子のイメージが根強くその現状や実態は一般的にあまり知られていないことが。学生においても、農業経済学や流通学などに触れた方を除くと、その規模感や事業の仕組みについて知っている方は多くいません。したがって、予備知識のない学生に対して業界や仕事について説明するのは簡単ではありません。そこで私たちは、学内企業セミナーやインターンシップ(オープン・カンパニー)などを通じ、学生にわかりやすく業界や仕事の特徴を伝えることに注力しています。

就活前半では、青果卸売の魅力をわかりやすく伝える

貴社の選考フローについて教えてください。

まずは大学3年生を主対象とした業界理解のためのオープン・カンパニーを夏から冬にかけて実施します。オープン・カンパニーには、入社3〜6年目の若手営業社員が登壇します。「卸売市場とは?」「青果卸の営業職員はどんな業務をしているのか?」といった学生の疑問に対し、現場のリアルな経験を、自身の言葉で伝えてもらうことで、仕事のイメージを持ちやすくしています。大学3年生の11月から翌年6月にかけて、学内企業セミナー(会社説明会)を実施。オープン・カンパニー参加者を対象とした早期選考と、通常選考を同時並行で行います。一次面接は我々人事と募集対象となる営業部員が、最終面接は役員が担当しています。

学生の企業理解を深めるため、採用広報や選考において特に注力されていることは何でしょうか。

オープン・カンパニーの時期には、学生を実際に大田市場へ招き、早朝の市場見学会を開催しました。朝7時の市場には、当社社員だけでなく、生産者の関連組織、スーパーマーケットのバイヤー、仲卸業者など、多数の関係者が集まり、人とモノと情報が絶えず動き続けています。学生には、現場で実際に行われている取引や商談の様子を間近で見てもらいました。机上の説明だけではなく、現場の体験を感じ取っていただいたことで、その企画に参加した学生の多くが、そのまま選考へ進んでくれました。
また、就活前半では、日本における青果卸売業界の社会的存在意義を伝えることに注力しています。たとえば最近では「コロナ禍においても、青果を含む生鮮食品の流通は止まりませんでしたよね。どれだけ人々の動きが制限されても、スーパーに行けばいつもトマトやキュウリが並んでいた。あれは卸売市場の流通システムがしっかり機能していたからなんですよ」という事例を話すと、多くの学生が事業の社会における重要性を理解してくれます。全国に青果を安定供給するために卸売市場は欠かせません。

社会貢献に対する意欲が強い学生に響く、強力なメッセージですね。

業界の社会貢献性と並んで、重点的に伝えていることがあります。それは営業の仕事の魅力。当社の営業は、全国の産地から農産物を買い付け、あるいは委託という形で仕入れ、卸売価格を決めて、全国のスーパーや業務加工筋等へ販売する役割を担っています。つまり、自分が設定した販売価格が、全国で販売される青果の価格の指標となる。実は経済的なインパクトが非常に大きいと同時に、適正な価格を設定することで生産者の継続的な利潤を支える仕事でもあるわけです。こうした仕事の魅力をお伝えすると、ビジネス志向の強い学生にも当社に興味を持っていただけるようです。

農業系・流通系以外の学生の取り込みにも成功しているわけですね。

はい。しかし、そうした公共性の高さや仕事のインパクトだけを見て入社されると、ミスマッチが起きるリスクもあります。私たちの仕事は、高く売りたい生産者と安く買いたいお客様の間に立ち、時として両者に頭を下げ、当社の導き出した最適解を理解してもらい物事を進めることもあります。厳しい言葉をいただくことも決して珍しくはありません。

就活後半には仕事の厳しさを詳しく伝え、ミスマッチを防止

そうした仕事の厳しさは、どのようなかたちで学生に伝えているのですか?

オープン・カンパニーや会社説明会、一次面接などの場で、仕事の厳しさをしっかり伝えています。一次面接は現場の営業社員が担当しています。学生には「この人が自分の上司だったらどうか」という視点で面接に臨んでもらうよう、事前に伝えています。面接は企業が学生を選ぶ場ではなく、企業と学生が相互理解を深める場だと考えています。特に、現場の営業社員との座談会は仕事のリアルが伝わると好評です。もちろん、私自身も営業経験がありますので、面接その他の場でお会いした際には情報を提供しています。学生から「こういう仕事をしている社員に会いたい」という要望があれば、別途面談の場を設け、企業と学生の相互理解や当社に興味を持ってくれる学生をよりモチベートさせることにも取り組んでいます。

鈴木様ご自身は、学生とコミュニケーションをとる際、どのようなことを意識されていますか?

当社では2年で「せり人」としての資格は得られますが、そこがゴールではなく、自身の上昇志向次第では何年やっても、成長の機会が続く環境であることを学生に伝えます。当社の営業には、生産者からお預かりした青果を販売する部門の他に、レストランや量販店といった顧客の新規開発を行う部門があり、新規開発部門を希望する学生が多い傾向があります。でも、当社の事業の基本はあくまで産地への経済的貢献と、食材の安定供給です。やりたいことを実現するために、まずはじっくり事業の本筋を理解し産地の方・お取引先様らとの信頼関係を築くこと、その上で彼らが抱えている課題を正しく理解する必要があること、そしてそのキャリアの先に、トレンドリーダーとして産地と消費をけん引する仕事が待っていると伝えます。継続は力なり、です。

しかし、厳しさを伝えると離脱する応募者も出てくるのではないでしょうか?

もちろんいらっしゃいます。しかし、公共性の高い仕事だからこそ、きつい面も乗り越える覚悟を持ってご入社いただきたいというのが私たちの考えです。何より、入社後すぐにミスマッチを感じて辞めてしまうのは、学生にとっても企業にとってもよいことではないと考えています。

そこまでマッチングを追究していれば、入社後のミスマッチもかなり減らせているのではないでしょうか。

当社の応募者には実情を理解した上で選考に臨んでいただいているため、役員との面談においても将来指向で話ができる方が多いと感じています。入社後のフォローも強化しているところです。最近の学生は、仕事や労働環境だけでなく、「この会社に入ったら自分は成長できるのか」を重視する方が多い。そこで当社では一年目社員を対象に、ビジネス関連の資格試験に向けた研修制度と、難関資格取得支援制度をスタートしました。さらに今後は若手・中堅社員向けに、長期的なキャリア形成を支援する研修制度も整備していきたいと考えています。

採用活動において、特に大切にしていることは何ですか。

採用活動で最も大切にしているのは、企業側だけでなく学生にとってもミスマッチのない採用を実現することです。コロナ禍で対面が制限された時期を経たからこそ、改めて「人対人のコミュニケーション」の重要さを強く感じています。できる限り多くの学生と直接会い、お互いを知る機会を大切にしたいと思っています。

まずは魅力をPRして母数を増やし、厳しさを伝えることでミスマッチを防ぐ。いわゆる学生にあまり知られていない業界の企業がとるべき、理想の採用のかたちだと感じました。最後に、今後の採用に向けての抱負をお聞かせください。

卸売市場法の改正に伴い、青果流通業界への新規障壁は低くなりました。これに対応するため、当社にも事業変革が必要となるでしょう。例えばこれまでつながりのなかった業態の企業とチームを組んでの新たな流通の仕組み構築、あるいはAI活用を推進した業務効率化やこれまで当社に蓄積された膨大なデータを各自が活用できるデータドリブン思考力を強化するといったこと。今後は多様な人材を獲得するため、業界の認知度向上や当社の魅力発信施策に取り組んでいきたいと考えています。

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